編集長が語る!講義の見どころ
『江戸名所図会』で歩く東京~江戸の遊び場「両国」編/堀口茉純先生【テンミニッツTV】
2024/10/29
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。
猛暑の夏、そして気温の下がらぬ初秋を経て、ようやく少しばかり過ごしやすい気候となっています。このような秋の佳き日に、街歩きなどはいかがでしょうか? とりわけ、「歴史」をたどりながら街を歩けば、これまでは気づかなかった興味深い風景が眼前に立ちのぼってきます。
本日は堀口茉純先生(歴史作家/江戸風俗研究家)の大人気講義《『江戸名所図会』で歩く東京》より、最新の「両国」編を紹介いたします。『江戸名所図会』は、江戸時代後期の天保年間に発刊された「絵入りの名所案内」です。江戸時代に活き活きと描かれた名所の絵を見ながら現代の街を歩くと、驚くような発見に出会えます。
◆堀口茉純:『江戸名所図会』で歩く東京~両国(全3話)
(1)繁華街として栄えた両国
葛飾北斎も描いた、江戸随一の遊び場「両国」の風景
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5500&referer=push_mm_rcm1
さて、江戸時代の両国は、江戸を代表する「遊び場」であり、繁華街でした。
両国という地名は武蔵国と下総国を結ぶ「両国橋」が架けられていたことからついた地名です。両国橋の日本橋側のたもとには、火事になった場合に「両国橋」に延焼することを防止するために「広小路」が設けられました。
その「広小路」に、すぐ撤収できるように葭簀(よしず)などでつくった「テント」のような仮設小屋が立ち並び、そこで飲食や芝居、見世物などが提供されていたのです。
『江戸名所図会』では、3枚続きの大きな絵で、両国の賑わいを描いています。一人ひとりも細かく描かれ、まるで『ウォーリーを探せ』の絵本のよう。江戸時代の後期のにぎやかな雰囲気が、手に取るように伝わってきて、ワクワクします。
当時、両国橋を往来する人数は1日の日の出から日の入りまでで2万5000人もいたといいます。そのような往来の数に加え、両国広小路では仮説小屋のような構えだったので手軽に出店できるのも大きな魅力でした。
芝居小屋を大掛かりに出す場合には、当然、幕府の営業許可が必要でしたが、仮設テントのような両国では、そのような免許も必要ありませんでした。そのため、芝居から軽わざなどまで、様々なエンタメが進出してくる刺激的な街となりました。
さらに両国では、花火大会なども行なわれました。その模様を描いた浮世絵などもたくさん描かれていますが、堀口先生はそのような浮世絵もご紹介くださりつつ、当時の花火事情もお話しくださいます。いまの花火とどのくらい違うのか、ここも必見です(第2話)。
また、この講義シリーズでは、毎回恒例で、実際に現在のご当地に足を運んで、江戸の当時と比べていきます(第3話)。たとえば両国端は、架かっている場所は多少移動していますが、橋の長さはほぼ当時のママ。
両国橋を江戸川から渡った先(橋の東側)には、回向院がありました。回向院が建立されたのは、明暦の大火の10万人ともいわれる犠牲者を供養するためでした。しかしその回向院が、やがて全国から仏像が来てお披露目される(出開帳)場になったり、勧進相撲が行なわれる場所となっていきます。まさに「聖と俗が表裏一体」の場所だったのです。
そのような歴史を感じさせるものが、現在の回向院にも数々残っています。相撲関連の「力塚」という石碑が残っていたり、猫塚や、鼠小僧治郎吉の供養墓があったり……。
そのような名残を訪ねるのも、まことに興味深いもの。歴史を学びながら、街の楽しみも味わえる講義です。
ちなみに、これまで堀口茉純先生の《『江戸名所図会』で歩く東京》は以下を配信しています。ぜひ、堀口先生の講師ページから辿ってみてください。
【堀口茉純先生講師ページ】
https://10mtv.jp/pc/content/lecturer_detail.php?lecturer_id=325&referer=push_mm_rcm3
『江戸名所図会』で歩く東京
・両国 (全3話)
・上水と十二社 (全2話)
・内藤新宿 (全2話)
・駿河町・本町 (全2話)
・日本橋 (全2話)
(※アドレス再掲)
◆堀口茉純:『江戸名所図会』で歩く東京~両国(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5500&referer=push_mm_rcm2
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