編集長が語る!講義の見どころ
未来を知るための宇宙開発の歴史/川口淳一郎先生【テンミニッツ・アカデミー】
2025/08/05
いつもありがとうございます。テンミニッツ・アカデミー編集長の川上達史です。
夏の夜空に「夏の大三角(こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブ)」や「さそり座」を見つけて、宇宙への憧れをかきたてる……。夏の夜空には、独特のロマンティシズムがあります。
古来、人類は星空に憧れを抱き、そこに様々な想いを託してきました。そして20世紀に入って、実際に「宇宙の旅」へと乗り出すことになります。
本日は、川口淳一郎先生(宇宙工学者/工学博士)に、人類の宇宙開発の歴史を詳細にふりかえりつつ、その未来のあり方についてお話しいただいた講義を紹介いたします。
川口先生は、あらためて紹介するまでもなく、1996年から2011年9月まで、小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクトマネージャを務めておられました。
「はやぶさ」は、小惑星「イトカワ」に着陸してサンプルを持ち帰る「サンプルリターン」をめざす探査機でした。その小惑星「イトカワ」は地球から3億キロメートルの距離にあり、平均半径160メートル、長径500メートルという小さな天体です。
そこに着陸し、その地のサンプルを採取して、地球へ帰還する……。まことに途方もない計画ですが、2003年に打ち上げられて、2005年にイトカワにタッチダウン。その後、通信途絶などの苦境を乗り越えて、2010年6月13日に地球へ帰還し、イトカワの微粒子を持ち帰ることに成功したのでした。
「はやぶさ」が長い宇宙の旅の最後に撮影した感動的な「地球の画像」を記憶に留めておられる方も多いのではないでしょうか。
そのような宇宙開発の数多くの現場で活躍してこられた川口先生が、人類の宇宙開発の歴史をどのように見ておられるのか。
川口先生のちょっとしたひと言から、多くの気づきがあふれだします。また、川口先生がご紹介くださる大量の写真などの画像資料のおかげで、宇宙開発の姿をまざまざと見て取ることもできます。
まさに、第一線の当事者だからこそ語れる宇宙開発史講義です。
◆川口淳一郎:未来を知るための宇宙開発の歴史(全14話)
(1)宇宙開発の流れを概観する
宇宙開発の歴史、そして未来へ…6枚の写真で概観する
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5871&referer=push_mm_rcm1
最初に、今回の川口先生の講義全体の流れを紹介しましょう。
(1)宇宙開発の流れを概観する
(2)宇宙開発の初期段階
(3)人類が宇宙へ飛び出す時代へ
(4)衛星探査機や惑星探査機の開発
(5)冷戦の終了と変化する宇宙開発の目的
(6)技術の確立、そして民間企業が参入へ
(7)米ソとは異なる発展を遂げた日本の宇宙開発
(8)太陽系の歴史を紐解く惑星探査
(9)宇宙開発を継続するための「国際月探査」
(10)宇宙開発における中国の台頭
(11)地球にない宇宙資源を活用する時代へ
(12)宇宙推進技術はどこまで進化したか
(13)発展する宇宙空間利用と、進化する技術
(14)宇宙開発は私たちの未来をどう変えるか
第1話は、印象的な6枚の写真を紹介しながらの概論。第2話はロケット開発の歴史です。コンスタンチン・ツィオルコフスキーの「数式」がロケット開発にどのような役割を果たしたのか。ロケットの父ロバート・ゴダードの貢献、さらにフォン・ブラウンが開発したナチス・ドイツの弾道ミサイル=V2ロケット……。
第二次世界大戦後には、冷戦のなかで、米ソが「国威」をかけて猛烈な宇宙開発競争を繰り広げます。ソ連は、ナチスドイツのV2ロケットなどの実機や資料を大量に押収し、一方、その開発者のフォン・ブラウンはアメリカに渡っていました。
ソ連は1957年に初の人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げ、1961年に「ボストーク1号」が宇宙飛行士ガガーリンを乗せた有人宇宙飛行を実現します。
しかしアメリカも猛追し、スプートニクからわずか12年で、月面に人類を到達させるのです(アポロ11号)。
さらに、太陽系の惑星への探査機も、米ソが競って打ち上げます。ソ連は金星や火星へのロボット探査を行ない、アメリカも続きます。さらにアメリカのボイジャーなどが送ってきた木星や土星の写真は多くの人々に深い印象を与えました。
そして冷戦後、宇宙開発の姿はどのように変わってきたのか。日本の宇宙開発の歴史とは。台頭著しい中国の宇宙開発とは。さらに未来に向けて、人類は何を考え、いかなる技術開発を推し進めているのか……。
まさに、この講義を視聴すれば、宇宙開発の歴史から未来までを総覧することができます。しかも、開発者の視点や、具体的な技術の面白さまで、語られる内容は幅広く、しかも、とてもわかりやすいご解説です。ぜひ、ご覧ください。
また、この講義は、「テンミニッツ・アカデミー講義録」も発刊されています(川口淳一郎『宇宙開発の歴史』発行:イマジニア、発売:ビジネス社)。そちらも、ぜひお手に取っていただければ幸いです。
(※アドレス再掲)
◆川口淳一郎:未来を知るための宇宙開発の歴史(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5871&referer=push_mm_rcm2
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