編集長が語る!講義の見どころ
良きリーダーこそが未来を拓く…歴史の教訓とは/特集&宮脇淳子先生【テンミニッツ・アカデミー】
2025/08/29
いつもありがとうございます。テンミニッツ・アカデミー編集長の川上達史です。
日本のリーダーには、誰がふさわしいのか。自民党の総裁選がどうなるのかをめぐり、なんとも、煮え切らない日々が続いています。
リーダーの良し悪しで、「幸せな未来」になるか「不幸せな未来」になるか、まことに大きく左右されてしまう……。そのことを、もしかすると今、日本人は身に沁みて痛切に実感しているのかもしれません。
このようなときこそ、歴史上の素晴らしいリーダーの事績に触れて、心を磨き、高めたいものです。いかなるリーダーが、メンバーの心を高め、元気を与え、衆知や諸力を集めて、未来を拓いていけるのか。
目の前にあるメニューから消去法的に選択するのではなく、理想のあり方から考えたい。歴史上の名指導者たちが苦闘しつつ道を切り拓いていった姿から学びたい。
そのようなことを深く考えさせてくれる人物伝講義を集めました。胸が熱くなる特集です。
■特集:良きリーダーこそが未来を拓く
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=268&referer=push_mm_feat
宮脇淳子:自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
本村凌二:ビスマルク…ドイツの「鉄血宰相」のイメージは間違い?
本村凌二:オクタウィアヌス、アントニウスと女王クレオパトラ
片山杜秀:徳川家康の「天下泰平」デザインとは?先人達の失敗に学ぶ
中島隆博:徳富蘇峰は吉田松陰を「革命家→改革者」と再定義
養田功一郎:田沼意次とは?再評価で注目の人物像と時代背景に迫る
兵藤裕己:『太平記』は乱世における人間の処し方が学べる古典文学
田口佳史:江戸城無血開城で日本の危機を救った西郷隆盛の問題解決力
山内昌之:吾妻鏡―中世を掌握した鎌倉武家政権の一大年代記
山内昌之:歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える
■講義のみどころ:チンギス・ハーンに指導者の条件を学ぶ(宮脇淳子先生)
「世界史」のなかでのリーダー像を考えるときに忘れてはならないのが、モンゴル帝国のチンギス・ハーンでしょう。なにしろ、あっという間に、東西にまたがる大帝国の礎を築き上げたのですから。
モンゴル史研究の第一人者である宮脇淳子先生(公益財団法人東洋文庫研究員)は、まず遊牧民の君主になるには、「人に対して公平であること」「稼ぎがいいこと=戦略が優れていて、民を養えること」「皆に言うことを聞かせられる頭のよさ」「人を裏切らないこと」などが必要だといいます。
この項目を聞いただけで、いまの日本を思い浮かべつつ、ついつい色々なことを考えてしまいます。
はたして、それらをすべて兼ね備えたカリスマ=チンギス・ハーンの実像と秘密とは、いかなるものだったのでしょうか。
◆宮脇淳子:モンゴル帝国の世界史(全7話)
(2)チンギス・ハーンのカリスマ性
自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4750&referer=push_mm_rcm1
それにしても「モンゴル帝国」は、チンギス・ハーンからその息子、さらに孫の世代で、なぜあそこまで一気に版図を拡大できたのでしょうか。
その秘密を、宮脇先生はこの講座で詳細にお話しくださいます。
もちろん、チンギス・ハーンには大きな人間的魅力がありました。加えて、他の勢力を圧倒できるだけの合理的な仕組みがありました。
たとえば、配下についた部族を「千人隊」という単位で編制します。百人隊が10集まったら千人隊になる。千人隊が10集まったら万人隊になる。そのように合理的な単位で管理していたので、人口調査から戦争のときの指揮系統まで一気通貫していました。
さらに、宮脇先生は「戦利品は『株』と同じだった」といいます。戦争に勝って、戦利品を得たら、指揮官が2割をとって残りは下に等分される。するとその下でも指揮官が2割とって残りは部下に等分され……、というかたちで、わかりやすく明朗に配分されていたのです。
この仕組みであれば、戦争に強い指導者の配下になれば、安心して収益分配にあずかれることになります。だからこそ、皆が競うように「強い人間」に付き従ったというのです。
加えて、モンゴル帝国がなぜ急激にあれほどまでに拡大した秘密は、「神託」と「イスラム商人」にあると、宮脇先生は指摘します。
イデオロギーの重要性や、商業ネットワークの重要性も深く考えさせてくれる必見のご指摘ですが、その他の様々な要素も含め、「モンゴル帝国の強さの秘密」の詳細はぜひ、講座本編をご覧ください。
さらに学んでおきたいのが、モンゴル帝国が後世に与えたインパクトです。
実は、モンゴル帝国が、その後の「大航海時代」や「資本主義の誕生」に大きな影響を与えたのだといいます。
モンゴル帝国ができたことによって、イスラム商人が東西交易を握って、大きな富を得ることになります。ヨーロッパ人たちは、魅惑的な東洋の物品に魅了されるようになりますが、しかしやがて「イスラム教徒に関税を取られたくない」と考えるようになり、海路に乗り出していく。
さらに、モンゴル帝国が広大な地域を支配し、各国の為替取引など金融のしくみが整備されたことが、資本主義を生むきっかけになっていく……。
そして実は、ロシアや中国は、モンゴル帝国時代の影響を色濃く残しているというのですが、それらもぜひ講座本編をご参照ください。現代のロシアや中国の本質を、しっかりと把握するためにも必見です。
宮脇先生のスピード感あふれるお話しを聞いているうちに、1人の人物がいかなることを成し遂げることができるのか、それを支えるしくみとは何かを、壮大な絵巻物を見るかのごとく総覧することができます。大局的で躍動的な「世界史の見方」をつかむことができる講座です。
(※アドレス再掲)
◆特集:良きリーダーこそが未来を拓く
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=268&referer=push_mm_feat
◆宮脇淳子:モンゴル帝国の世界史(2)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4750&referer=push_mm_rcm2
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