モンゴル帝国の世界史
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
モンゴル帝国の世界史(2)チンギス・ハーンのカリスマ性
宮脇淳子(公益財団法人東洋文庫研究員)
なぜモンゴルがあれほど大きな帝国を築くことができたのか。小さな部族出身のチンギス・ハーンは遊牧民の部族長たちに推されて、1206年にモンゴル帝国を建国する。その理由としていえるのは、チンギス・ハーンの圧倒的なカリスマ性である。遊牧民の君主になるために重要なことを列挙しつつ、チンギス・ハーンの人間的魅力に迫る。(全7話中2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分01秒
収録日:2022年10月5日
追加日:2023年1月7日
≪全文≫

●チンギス・ハーンの前半生は分からない


―― そうしましたら、チンギス・ハーンがいかにして、あれほど大きなモンゴル帝国を作っていったのかについてお聞きします。先生の著書『モンゴルの歴史』を読んで非常に印象深かったのは、チンギス・ハーンは最初から大きな勢力(の長)だったわけではなく、同盟戦略がとてもたくみであったということです。

 当時、中国の金帝国に一部、庇護や援助を受けていたり、モンゴルの各部族の中でも配下についてのし上がっていったりと、日本でいうと織田信長の同盟戦略にも近いといったイメージも抱きます。決して自分の一人だけの力ではなく、うまくいろいろな勢力と結びつきながら動いていったという印象を受けました。

 では、チンギス・ハーンはどういう人物だったのでしょうか。

宮脇 チンギス・ハーンは本当にモンゴルの英雄です。それ以後は何百年も“何につけてもチンギス・ハーン”です。あまりにも子孫が尊敬したので、「結婚もチンギス・ハーンから始まった」「お酒もチンギス・ハーンから始まった」など、それはないでしょうというくらいに、神様のように尊敬されて今に至ります。

 チンギス・ハーンは、偉くなるまでの資料がないのです。誰も書いていない。それはつまり、本当に小さな部族から出てきて、のし上がるからです。後に『元朝秘史』という、日本でいう『古事記』のような昔語りが出るのですが、彼の前半生はほぼフィクションです。誰も知らないのです。

―― 年代でいいますと…。

宮脇 1155年生まれ、1162年生まれなど、生まれた年も3通りほど説があって、しかも7年の開きがある。また、本人が何歳か知らないのです。

―― なるほど。

宮脇 要するに、君主に「何歳でいらっしゃいますか」と尋ねても、「さあ」と。誰も教えてくれなかったら、分からないわけですね。カウントしていないのです。(生まれたのが)春か秋かも分からないというくらいです。一方、息子からは歳が分かります。さすがに(帝国が)大きくなって、(モンゴル人が)偉くなって家来がつき、書く人も家来になります。でも、チンギス・ハーンが本当に偉くなるまでは、書いたものがないのです。


●圧倒的なカリスマ性で遊牧民の君主になったチンギス・ハーン


宮脇 でも、カリ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
戦国合戦の真実(1)兵の動員はこうして行なわれた
戦国時代の兵の動員とは?…無視できない農民の事情
中村彰彦
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
戦国大名の外交、その舞台裏(1)戦国大名という地域国家
戦国時代とは何か?意外と知らない戦国大名と国衆の関係
丸島和洋

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(7)領国経営と秀長の統治能力
想像以上に有能――領民に慕われた秀長のリーダーシップ
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(10)遺産を交換する
ナイチンゲールの怒りから学ぶこと…逆境の中で考えるとは
津崎良典
「進化」への誤解…本当は何か?(4)ダーウィンの進化論と自然淘汰の理論
『種の起源』…ダーウィンとウォレスの自然淘汰の理論
長谷川眞理子
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
歌舞伎はスゴイ(2)市川團十郎の何がスゴイか(後編)
歌舞伎十八番を定めた七代目市川團十郎、一番モテた八代目
堀口茉純
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
生き抜くためのチカラ~為末メソッドに迫る(4)人生の勝敗を考える
幸せの鍵「なにげなさ」とは何のことか
為末大
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文