編集長が語る!講義の見どころ
「新撰組」のイメージは間違いばかり?その真実は/堀口茉純先生×松下尚先生【テンミニッツ・アカデミー】

2026/03/26

いつもありがとうございます。テンミニッツ・アカデミー編集長の川上達史です。

「新撰組」――。その名を聞いて、皆さま、さまざまなイメージを思い浮かべることと思います。

司馬遼太郎さんの『燃えよ剣』を読んだり、三谷幸喜さん脚本のNHK大河ドラマ『新選組!』などをご覧になった方も多いことでしょう。これまで新撰組は数々の作品で描かれ、幅広い年齢層にわたって、広範なファンを獲得してきました。

3月26日(木)、27日(金)にも、TBS系で2夜連続で『ちるらん 新撰組鎮魂歌』(江戸青春篇)が放送されます。こちらは大人気マンガを原作としたドラマで、「かつてない規模のソードアクション(剣劇)エンターテインメント」と謳われています。演じる俳優陣も充実。まことに楽しみな作品です。

なぜ、新撰組が多くの人の胸を沸き立たせ続けるのか。そこで興味深いのが、多くの方々が抱いているイメージが「正しいのか」ということです。

物語としての新撰組と、史実としての新撰組を見ていくと、その隙間からさらに大きな魅力が溢れ出してきます。

今回、テンミニッツ・アカデミーでは、新撰組を通して幕末から明治初期の日本の真実を描き出していく講義を配信しています。見方がガラリと変わること、うけあいです。

◆堀口茉純先生×松下尚先生:新撰組と幕末日本の「真実」(全9話)
(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6164&referer=push_mm_rcm1

この「序」の講義は、キャッチコピーのとおり新撰組と『ちるらん』について紹介していく導入講義ですが、それに続く講義の流れは、以下となります。

◆(1)近藤勇…教養人の素顔と日野宿本陣
近藤勇と日野宿本陣…多摩の豪農たちの財力と教養力の凄さ

◆(2)土方歳三像の真相と江戸の生活事情
土方歳三のイメージはどこまで本当?驚くべき「江戸の常識」

◆(3)「日野と多摩」の風土と天然理心流
田舎のヤンキー像は大違い…日野の豊かさと文武両道の気風

◆(4)江戸の剣術道場が流行した背景
剣術三大流派の道場主も農民出身?…剣術道場の意外な真実

◆(5)主要隊士、そして羽織や旗の実像
沖田総司、山南敬助、永倉新八、斎藤一…彼らの実像とは?

◆(6)新撰組結成と清河八郎、芹沢鴨
清河八郎と芹沢鴨…乱闘事件や大和屋焼討事件の真相とは?

◆(7)「対テロ集団」としての新撰組
京都に吹き荒れたテロを鎮圧!…物語と史実の隙間を読み解く

◆(8)戊辰戦争~明治期の新撰組の魂
受け継がれる魂…戊辰戦争での奮戦と自由民権運動の情熱

今回の講義のポイントは、「実像に迫る」「江戸時代の常識で考える」「時代と社会背景から考える」ということになろうかと思います。

たとえば新撰組と聞いて、「百姓の成り上がり」「田舎のヤンキー集団」「刀への固執、時代遅れ」などのイメージを持つ方も多いかもしれません。

しかし、それが「本当」なのか。

たとえば司馬遼太郎さんは、どうしても関西人ですから、とかく多摩の地を必要以上に「田舎」として描き、田舎の百姓が武士に憧れつつ剣術に打ち込んで成長していく姿を「強調して」描いている部分があるようにも思われます。

ところが実は、土方歳三の出身地である日野(現・東京都日野市)は江戸近郊で稲作が盛んな土地柄だったこともあり、経済的にも教養水準的にも、とても豊かな地だったといいます。

しかも家康の時代から、八王子を中心に武田家の遺臣を集めて「千人同心」が結成され、日頃は農業に従事しつつ、東照宮の警護や甲州街道を東上してくる敵に備える役割を担う人々が居を構えていました。有力農民層でありつつ、武士の立場でもある人々です。

そう考えると「百姓の成り上がり」というイメージでばかり語るのは、どうかとも思えてきます。

さらにこの講義で語られる「江戸時代の常識」は、まさに驚くべきもの。たとえば、1日に食べるお米の量であったり、体力であったり……。たしかに、「1日40キロ以上を、毎日歩き続けても、何の問題もない人たち」なのですから、現代人の基準で想像すると根本を間違ってしまいます。

加えて、近藤勇や土方歳三の剣術の流派である「天然理心流」も、百姓剣術的な側面が強調されがちです。ところが、江戸を代表する剣術三大流派の道場主の何人もが農民(あるいは武士以外)の出身だったのです。

そもそも「剣術道場」は、江戸の社会においてどのような位置を占める存在だったのか。ここも、江戸の社会を考えるうえで、必見の内容です。

新撰組隊士のことは、「確定的な史実」としてわかっていることは少ないのだといいます。しかしそれでも、その少ない史料と状況証拠から考えていけば、われわれの新撰組像を覆す事実が次々と出てきます。

そして何より、しっかり踏まえておかなくてはならないのは、明治時代に多摩の地でも大いに燃え上がった「自由民権運動」が始まるのは、新撰組結成の「わずか10年後」のことだということです。

自由民権運動を担い支えたのは、新撰組を担い支えたのと同じ有力農民層です。そう考えると新撰組のイメージも自ずと大きく変わってくるのではないでしょうか。

では、新撰組から自由民権運動に受け継がれた魂とは、どのようなものだったのか。ここも、とても重要な視点です。

堀口先生、松下先生のとても楽しいお話を聞いていくうちに、新たな歴史像に出会う「大いなる楽しみと喜び」を満喫できる講義です。ぜひご覧ください。


(※アドレス再掲)

◆堀口茉純先生×松下尚先生:新撰組と幕末日本の「真実」(序)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=6164&referer=push_mm_rcm2


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