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感染発生、クラスター対策班の活躍、そしてPCR検査問題

徹底検証・日本のコロナ対策(2)日本の感染展開の経緯

島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツTV副座長
概要・テキスト
中国で新型コロナウイルスの感染が発生して以来、日本での感染拡大はどのような経緯を辿ったか。初期段階で問題になったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」対策、さらに大きな成果を挙げたクラスター対策班の活動とその限界、そして議論沸騰したPCR検査の拡大問題について検証する。
(本講義では、島田晴雄先生が作成されたレジュメ内容を本文として掲載いたします。そのため、一部、動画では触れられていない部分もありますが、資料としてご活用いただければ幸いです)(全9話中第2話)
時間:13:02
収録日:2020/05/19
追加日:2020/05/23
≪全文≫
[Ⅲ] 日本の新型コロナウイルス感染展開の経緯

《1.初期(2020.1~3月中旬)の動向》
【中国で新型肺炎のウイルス感染発生】
◆2019年12月末、中国武漢市で新型コロナウイルス感染発生のニュース。感染が急激に拡大している模様。
◆2020年1月末から2月にかけて春節中国観光客が日本に入国。日本各地で警戒。
◆2020年1月16日に初めての日本国内感染者が確認された。

【Diamond Princes号の横浜帰港とウイルス感染の顛末】
◆イギリス船籍、アメリカクルージング会社所有のDiamond Princes号。
(1月20日)横浜港出港
(1月25日)香港の男性が香港で下船
(2月1日)香港男性の感染確認
(2月3日)横浜港に帰港。再検疫開始
(2月5日)乗客・乗員10人感染確認、14日間個室待機要請
(2月6日)クルーズ船「ウェステルダム」の入港拒否表明
(2月12日)検疫官1人感染確認
(2月13日)重症化しやすい高齢者らの順次下船表明
(2月14日)80歳以上11人下船
(2月16日)米国人が下船(17日に米チャーター機で出国)
(2月17日)全員の下船前検査のための検体採取完了 2.19.乗客の下船開始
(→3週間、毎日ニュースで報道され、関心が上がる)

【クルーズ客船事件の教訓】
◆日本人を多く含む3000人以上の乗客と乗員を合わせ700人以上が感染。2月まで日本国内感染より多い。船内に14日間(のちWHOの新基準で12.5日)留め置いたことは関係国政府は評価(河野太郎防衛相)したが、外国メディアからは生活状況などに批判集中。
◆なお、2月7日以降、船内感染は通常の国内感染とは別集計にすると表明。


《2.厚労省クラスター対策班と全国保健所職員の活躍》
【クラスター確定による感染拡大の防止】
◆感染症流行への日本当局の対応は、クラスター(少人数の集中感染)を確認し、それが感染拡大につながらないように人海戦術で防御するもの。
◆感染者が発見されると保健所の職員が、これまでの濃厚接触者についての聞き取りを行い、感染経路と他の人々への影響を詳細に調査。調査を通じてクラスターが確認されるとクラスターに関わった人々の健康状態を調査・確認して感染が疑われる人々は隔離する。
◆このような極度に労働集約的な方法によってクラスターの拡大を防ぎ、感染拡大を防止。時間を稼ぎ、ピークを遅らせた。一定の成功。

【厚労省クラスター班と保健所職員の感染抑制努力は評価】
◆厚労省にはクラス...
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