10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録
10MTVオピニオンは、有識者の生の声を10分間で伝える新しい教養動画メディアです。
このエントリーをはてなブックマークに追加

ビットコインとブロックチェーンの仕組みとは?

フィンテックがもたらす金融革新(2)仮想通貨の仕組み

藤井達人
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ デジタル企画部 プリンシパルアナリスト
情報・テキスト
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ・デジタル企画部プリンシパルアナリストの藤井達人氏が、仮想通貨ビットコインと、それを可能にするアーキテクチャであるブロックチェーンの仕組みについて解説する。仮想通貨に関する規定が盛り込まれた、2017年4月の改正資金決済法の要点とは何か。(全3話中第2話)
時間:12:57
収録日:2017/10/10
追加日:2017/11/21
≪全文≫

●ビットコインは新しいタイプのデジタル通貨である


 今回は、仮想通貨およびブロックチェーンの基本事項について解説します。2017年9月現在、1,000種類以上の仮想通貨が存在すると言われています。主な仮想通貨は、表の通りです。よく耳にするビットコインやイーサリアム、あるいはリップルといった仮想通貨が存在し、それぞれに特徴があります。

 代表的な仮想通貨として、ビットコインについて見てみましょう。ビットコインは、政府や企業が発行したものではなく、インターネット上で記録される暗号技術を使った、新しいタイプのデジタル通貨です。電子的に決済を行うため、インターネット経由で送金や決済が可能です。そのため、例えば地球の裏側にいる遠く離れた相手にでも、短時間かつ低コストで送金できるという特徴があります。

 仮想通貨は通貨と呼ばれていますが、法定通貨のように何らかの裏付けがあるわけではなく、また実体もありません。ただの電磁的な記録です。暗号技術を用いているということから、英語圏では暗号通貨(Crypto Currency、クリプトカレンシー)と呼ばれることも多くなっています。


●発行を行う国、流通を管理する組織が存在しない


 ビットコインと、円やドルのような法定通貨との最も大きな違いは、ビットコインには通貨を管理する中央銀行が存在しないということです。つまり、ビットコインには発行を行う国、または流通を管理する組織が存在しません。中央組織の管理なしに、こうしたことを実現する仕組みのことを「ブロックチェーン」、もしくは「分散型台帳」と呼びます。

 図のように、従来の通貨は、中央銀行が管理するサーバー上で集中的に管理され、送金取引は、そのサーバー上で一括して承認されます。これに対して分散型台帳は、インターネット上の多数のサーバーで同じ台帳を共有し、分散的に合意形成を行います。そうすることで送金取引の承認を行い、参加者同士が直接送金できるようになっているのです。つまり、仮想通貨だけではなく、各種の権利の所在や移転を記録することができる技術なのです。ビットコインが、ブロックチェーンと呼ばれる技術的な仕組みの上に構築された、発行者の存在しない通貨だとすると、ブロックチェーンは、図のような分散型台帳を実現するための一種のアーキテクチャだといえるでしょう。

 コンピュータの世界では1980年代にパーソナルコンピュータが普及し始め、中央管理型のコンピュータから分散型へのシステムへと置き換わっていきました。90年代になると、地球規模でのネットワークがつながり、インターネットへ発展して現在に至ります。ビットコインは、まさにこのようなコンピュータの発展の歴史と同じものを通貨にもたらしています。


●くじ引きと参加者の検証によって、分散的に合意形成を行う


 次に、ビットコインの送金取引について詳しく見てみましょう。AさんがBさんにビットコインの送金を行いたいとします。ビットコインの場合、台帳の中には、ブロックと呼ばれる送金取引のデータの固まりがたくさん入っています。AさんがBさんに送金するときは、パソコンあるいはスマートフォンから、このブロックに送金取引のデータを投げ入れます。そして、ビットコインのネットワークに参加する参加者で、くじ引きのような処理を行い、誰かがくじを引き当てることでブロックが承認されます。そこで台帳に正式に送金取引が記帳され、送金が終了するという流れになります。このようにどんどん連なっていくブロックの構造が、まさにブロックチェーンといわれているゆえんです。

 送金取引を承認し新しいブロックを生成するには、くじ引きをする必要があるのですが、このくじ引きという作業がブロックチェーンの分散的な合意形成に、非常に大きな役割を果たしています。

 くじ引きには誰でも参加することができ、ビットコインのネットワーク上にある多数のコンピュータがくじ引きに参加します。参加するコンピュータ、あるいはコンピュータの所有者のことを「マイナー」、日本語では「採掘者」と呼ばれます。ビットコインは発行枚数に2,100万枚という上限があり、くじ引きで当たった人がビットコインをもらえるというルールです。金の発掘に似ていることから、参加者はマイナーと呼ばれているのです。

 運よく当選した人は、12.5ビットコインを現時点では得ることができます。当選すると、ビットコインネットワークに参加している他のノード(通信ネットワークや物流の中継点。拠点:大辞林より)に、自分がくじ引きに当たったということを通知します。通知を受けたノードは、当選情報が改ざんされていないことを検証し、自分の台帳にもその取引を書き込みます。ビットコインのネットワーク上で、多数の参加者が検証をして台帳に書き込むことで、直前のブロック...
テキスト全文を読む
(1カ月無料で登録)
会員登録すると資料をご覧いただくことができます。