DATE/ 2016.10.03
第27回 タバちゃんの出産
思いがけないことに、タバちゃんが妊娠しました。
タバちゃんは生まれて5ヵ月しか経っていなかったので、まだ子どもだと思っていました。顔デカくんと、鼻と鼻をくっつける愛の交換らしきことをしているのは何回か見ましたが、まさか妊娠するとは思っていませんでした。
それよりも前に、ねず美ちゃんが妊娠したり、ねず美ちゃんが神経性の脱毛症になったり、暑い最中に出産して子猫のもらい手を探したりで、ねず美ちゃんにばかり気を取られていて、タバちゃんの妊娠には全然気がつきませんでした。それに、タバちゃんは子どもみたいな体だし、オッパイも大きくなってなかったので、まさか妊娠しているなんて思ってもみませんでした。
鼻と鼻をくっつける猫独特の愛の表現。
確かに、猫の妊娠は見た目ではわかりづらいものです。ポッコリお腹が出ているようなことはまずありません。これは動物として、妊娠という弱い立場にあることを、他の動物に悟られないためなのかもしれません。
タバちゃんと顔デカくん。もうこのころ妊娠していたのだろうか。
9月初旬のある日、会社から帰ったら、美子ちゃんが「タバちゃんが子どもを産んだよ」と、不意討ちのようなことを言います。二階から下りてきてタッタッタッと外に遊びに行くタバちゃんが、少し痩せているように見えたようで、美子ちゃんが二階のクローゼットを見に行くと、黒とキジ柄の子猫がいたそうです。
早速二階に行って見ると、確かに子猫が2匹いました。キジ柄のほうはお腹が白く、黒いほうは真っ黒ではなく白い部分もあります。こっちは黒ホッカくんの子どもかもしれません。キジ柄のほうは、まぎれもなく顔デカくんが父親です。お腹の白いところや、顔の感じが顔デカくんにそっくりです。
タバちゃんは、お母さんになっても子猫のまんまのようです。子どもを置いてよく外に遊びに行くし、オッパイも膨らみがありません。美子ちゃんは「タバちゃんはヤンママ過ぎて、子どもを育てられないかもしれない。育児放棄しているのではないか」と心配して、ペットショップで子猫用の哺乳瓶やミルクを買ってきて、子猫に飲ませたりしていました。
しかし、ねず美ちゃんのときと同じように、タバちゃんも誰に教わるでもなく、楽々と子どもを育てているようでした。出産から1週間ほどしたら、子猫を二階から一階の押し入れに移しました。これもねず美ちゃんのときと同じです。やはり同じように狭い布団の隙間に入れているのは、外敵から守るためなのでしょうか。
心配なのは、押し入れの上の段の一番高いところにいて、ときどき子猫が畳の上にボタッと落ちてくることです。人間なら死んでしまう高さですが、猫は子どものときから高いところから落ちても大丈夫なようにできているのでしょうか。
産まれた子猫は2匹。押し入れの一番上に子猫を移したころ。
それにしても、人間だったら子どもを産むことは大変なことですが、猫にとってはツルンと日常の中の1コマみたいな感じなのでしょう。タバちゃんはまだ遊び盛りで、子猫をほっぽいて遊びに行くことがしばしばですが、僕らの心配をよそに、子猫はスクスク育っています。
タバちゃんは遊びが好きなので、子猫を移動させているとき、子猫を廊下にそのままにしたまま遊ぶことがあります。ねず美ちゃんはそれをあきれたような顔で見ていましたが、自分から子猫を運ぶようなことはしませんでした。
たびちゃんは、ねず美ちゃんの2回目の出産のときは、子猫を舐めたりして子育ての手助けっぽいことをしていたのですが、さすがに今回は無関心です。
タバちゃんが顔デカくんと鼻と鼻をくっつけたりしていたとき、たびちゃんは不思議な顔をして見ていました。顔デカくんの前で、タバちゃんが木登りアピールしているときも、やはり「何してるんだろう?」みたいな顔で見ていました。たびちゃんは避妊手術されて、恋もしないうちにオバサンになってしまうのかと思うと、ちょっと可哀想です。
タバちゃんは生まれて5ヵ月しか経っていなかったので、まだ子どもだと思っていました。顔デカくんと、鼻と鼻をくっつける愛の交換らしきことをしているのは何回か見ましたが、まさか妊娠するとは思っていませんでした。
それよりも前に、ねず美ちゃんが妊娠したり、ねず美ちゃんが神経性の脱毛症になったり、暑い最中に出産して子猫のもらい手を探したりで、ねず美ちゃんにばかり気を取られていて、タバちゃんの妊娠には全然気がつきませんでした。それに、タバちゃんは子どもみたいな体だし、オッパイも大きくなってなかったので、まさか妊娠しているなんて思ってもみませんでした。
確かに、猫の妊娠は見た目ではわかりづらいものです。ポッコリお腹が出ているようなことはまずありません。これは動物として、妊娠という弱い立場にあることを、他の動物に悟られないためなのかもしれません。
9月初旬のある日、会社から帰ったら、美子ちゃんが「タバちゃんが子どもを産んだよ」と、不意討ちのようなことを言います。二階から下りてきてタッタッタッと外に遊びに行くタバちゃんが、少し痩せているように見えたようで、美子ちゃんが二階のクローゼットを見に行くと、黒とキジ柄の子猫がいたそうです。
早速二階に行って見ると、確かに子猫が2匹いました。キジ柄のほうはお腹が白く、黒いほうは真っ黒ではなく白い部分もあります。こっちは黒ホッカくんの子どもかもしれません。キジ柄のほうは、まぎれもなく顔デカくんが父親です。お腹の白いところや、顔の感じが顔デカくんにそっくりです。
タバちゃんは、お母さんになっても子猫のまんまのようです。子どもを置いてよく外に遊びに行くし、オッパイも膨らみがありません。美子ちゃんは「タバちゃんはヤンママ過ぎて、子どもを育てられないかもしれない。育児放棄しているのではないか」と心配して、ペットショップで子猫用の哺乳瓶やミルクを買ってきて、子猫に飲ませたりしていました。
しかし、ねず美ちゃんのときと同じように、タバちゃんも誰に教わるでもなく、楽々と子どもを育てているようでした。出産から1週間ほどしたら、子猫を二階から一階の押し入れに移しました。これもねず美ちゃんのときと同じです。やはり同じように狭い布団の隙間に入れているのは、外敵から守るためなのでしょうか。
心配なのは、押し入れの上の段の一番高いところにいて、ときどき子猫が畳の上にボタッと落ちてくることです。人間なら死んでしまう高さですが、猫は子どものときから高いところから落ちても大丈夫なようにできているのでしょうか。
それにしても、人間だったら子どもを産むことは大変なことですが、猫にとってはツルンと日常の中の1コマみたいな感じなのでしょう。タバちゃんはまだ遊び盛りで、子猫をほっぽいて遊びに行くことがしばしばですが、僕らの心配をよそに、子猫はスクスク育っています。
タバちゃんは遊びが好きなので、子猫を移動させているとき、子猫を廊下にそのままにしたまま遊ぶことがあります。ねず美ちゃんはそれをあきれたような顔で見ていましたが、自分から子猫を運ぶようなことはしませんでした。
たびちゃんは、ねず美ちゃんの2回目の出産のときは、子猫を舐めたりして子育ての手助けっぽいことをしていたのですが、さすがに今回は無関心です。
タバちゃんが顔デカくんと鼻と鼻をくっつけたりしていたとき、たびちゃんは不思議な顔をして見ていました。顔デカくんの前で、タバちゃんが木登りアピールしているときも、やはり「何してるんだろう?」みたいな顔で見ていました。たびちゃんは避妊手術されて、恋もしないうちにオバサンになってしまうのかと思うと、ちょっと可哀想です。