テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
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DATE/ 2017.01.23

第42回 ねず美ちゃんの野性


 わが家では、寝る前に猫の点呼があります。「たびちゃんがいないなぁ」「あっ、布団にいる」「キキちゃんは?」「タオルの上にいると思うよ」「タバちゃんはいるし、ねず美ちゃんはいるかな?」「2階を見てくる」と、全員がいることを確認してから猫の出入り口を閉めます。

 3日ほど前、キキちゃんがいるものと思って出入り口を閉めたのですが、夜中の3時ごろ窓をカリカリする音が聞こえたので開けてみるとキキちゃんがいました。キキちゃんは、寒い日でも外に出たり入ったりして落ち着きがありません。いつもタオルの上で寝ているのですが、まだ自分の居場所が定まってないのかもしれません。

たび、タバサ、ねず美の微妙な距離感。キキちゃんはまだこの中に入れない。

 そういうキキちゃんのために、少し前までは出入り口を開けっ放しにしていたのですが、うちの周りには常時3匹のノラがウロウロしていて、夜中に必ず入ってきます。うちの中には4匹分のゴハンが入った猫のお皿が常時置いてあり、ノラたちは全員それを知ってます。夜中に家の中でノラ同士がエサの奪い合いで喧嘩することもあり、睡眠中に突然「ウギャ~~~」とかいう猫の叫び声が聞こえてきたら目が覚めてしまいます。そうでなくても、夜中にふと目が覚めたとき、コトコトコトコトと物音がするのは気持ち悪いものです。

最近来るようになったノラの黒猫とタバサ。


 うちの周りにノラが多いというのは、ゴハン問題もあるのですが、うちの猫が全員メス猫ということもあります。といってもみんなオバさんなので、メス目当てということではなく、単に喧嘩に弱いからノラにとって安心なのではないでしょうか。

 しかし、ねず美ちゃんだけはノラ気質があり、体が小さいのに相手に挑みかかっていくこともあります。一度うちに入ってきたノラと戦って、喉の下と尻を噛まれたことがありました。毛が抜け落ち肉も見えていましたが、獣医さんには連れて行きませんでした。ねず美ちゃんには素晴らしい野性味が残っていて、獣医さんに行くことが大嫌いということがわかっているからです。

 去年の12月、ねず美ちゃんの右ほっぺが、コブのようにポッコリ腫れてしまい心配していました。2、3日しても治らないので、僕がそのことをツイートしたら、歯が抜けるのではないかとか、すぐお医者さんに連れて行ったほうがいいとか、フォロアーの方からツイートしていただきました。

 いつものように、ねず美ちゃんの自然治癒力に任せようと思っていたのですが、1週間経っても治らないので、獣医さんに連れて行くことを考え始めました。毛も抜けてボロボロになっていくようで、ねず美ちゃんが弱っているのは確かです。美子ちゃんも「悪い病気かもしれないから、獣医さんに連れて行こうか」と言うようになった翌日、美子ちゃんがねず美ちゃんの顔を見ると、コブを掻きむしって毛が抜けている箇所があるのに気づきました。おそらく気持ち悪いので自分で掻きむしったのでしょう。美子ちゃんは1時間ほどねず美ちゃんの目をジッと見て、ずっと撫でていました。明日は絶対獣医さんに連れて行こうということになり、美子ちゃんが獣医さんの診療時間を調べていました。 

 翌日、ねず美ちゃんがいつも寝ている美子ちゃんの椅子の周りに、点々と血の跡がありました。血というよりそれは膿だったようで、ねず美ちゃんが自分で掻きむしって、コブに溜まった膿を自分で出してしまったのです。少し残った膿を、美子ちゃんがティッシュで拭いてあげると、ねず美ちゃんはおとなしくしていたそうです。

Before/ねず美ちゃんの右頬にコブが。


After/自分で治療したねず美ちゃん。


 まだまだねず美ちゃんには野性の治癒力があるんだなと思いました。4匹の中で一番年上なので、本当は少し心配していたのです。

 ねず美ちゃんは16歳で、他の猫たちもみんな15歳前後なので、わが家の猫たちも相当高齢化してきて、昼間も寝ていることも多いのですが、1匹でもいなくなると寂しいだろうなぁ。

※いつも「ニャンだふるライフ」をご愛読いただき、ありがとうございます。今回をもってひと区切りとし、ひとまず更新はお休みとさせていただきます。更新の際にはまたどうぞよろしくお願いいたします。

第1回 マキ・キュー

第2回 猫の駆け引き

第3回 ネズミのような猫

第4回 黒ホッカおじさん

第5回 騒々しい庭

第6回 猫に話しかける

第7回 チーコ物語

第8回 猫の乗っ取り

第9回 ねず美ちゃんの母性

第10回 猫の癒し