編集長が語る!講義の見どころ
大谷翔平と石原裕次郎に学ぶ「人間的魅力」(本村凌二先生)【テンミニッツTV】

2021/10/05

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。

今シーズンの大リーグでは、大谷翔平選手が大活躍しました。日本時間10月4日の最終戦でも、みごとにホームランを放ち、46本塁打、100打点に到達しました。盗塁数も26を記録しています。

投手としては、23試合に登板して9勝を達成。防御率は3.18で、156個の三振を奪いました。

残念ながらホームラン王と投手としての2桁勝利は達成できませんでしたが、まさに打って良し、投げて良し、走って良しの抜群の成績です。

大谷選手の注目点は、その成績だけではありません。アメリカの玄人筋から選手仲間、さらに熱狂的なベースボールファンたちまでを虜にした、その人間的魅力は圧倒的でした。

なぜ大谷選手は、多くの人から好かれるのでしょうか。多くの人を惹きつける魅力は、どこから生まれるのでしょうか。

本村凌二先生(東京大学名誉教授)は、とても興味深い指摘をされます。「大谷翔平選手は、若き日の石原裕次郎と似ている」というのです。

石原裕次郎の大ファンで、『裕次郎』(講談社)という本も出版している本村先生ならではの「気づき」ですが、しかし本村先生のお話を聞いていると、決してたんに「姿形や雰囲気」が似ているという次元ではなく、人間的魅力の本源に迫るものが見えてきます。

◆本村凌二:大谷翔平と石原裕次郎「好かれる男」の共通点(全1話)
大谷翔平と石原裕次郎に見る「人間的魅力」の本質とは?
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4137&referer=push_mm_rcm1

石原裕次郎と聞くと、まず、名作刑事ドラマ「太陽にほえろ!」のボス・藤堂俊介などの重厚な貫禄を思い浮かべる方も多いかもしれません。その場合、「大谷翔平とどこが似ているの?」という感想を持ってしまいますが、本村先生がここで指摘する石原裕次郎は、1956年に映画「太陽の季節」(日活)でデビューしてすぐの頃、20代前半の裕次郎です。

ちなみに、石原裕次郎が「太陽にほえろ!」でボスを務めたのは、38歳(1971年)から亡くなる前年の52歳(1986年)まで。30代にして、あの貫禄と迫力を醸し出していることに圧倒されますが、その人間的な魅力は、もちろん若き日から一貫するものでした。

さて、大谷翔平選手と若き日の石原裕次郎はどこが似ているのか。本村先生が指摘するのは、その優しさ、おおらかさ、礼儀正しさです。

ここで本村先生は1つの逸話をご紹介くださいます。渡哲也が日活に入社してスタジオで挨拶回りをしたとき、他の人びとが皆、「おう、ご苦労さん」程度の挨拶をするなか、裕次郎だけが立ち上がって握手を求めてきて、「ああ、きみが渡君ですか」といったのだというのです。

石原裕次郎は、渡哲也の7歳年長で、当時はちょうど30歳の頃。押しも押されもせぬ大スターです。まだ右も左もわからない駆け出しだった渡哲也は、憧れていた石原裕次郎のこの態度に心の底から感激し、生涯、石原裕次郎に尽くすことになるのです。

渡哲也ばかりではなく、スタッフから俳優まで、石原裕次郎を生涯支え続けた人たちが数多くいました。単なる1人の映画スターではなく、周りの人たちがついていく雰囲気をもった「日本でいちばん愛された男」――それが石原裕次郎だったと本村先生は指摘されます。

基本的な礼儀作法があり、非常に思いやりがあって、人の悪口もいわない。さらに裕次郎は、「あんまり俳優どうしで飲むよりも、スタッフに気をつかえ。スタッフとお酒を飲め」「まず俳優である前に、一人前の社会人であれ」と後輩たちに指導していたといいます。

大谷選手の日頃の行いの端々にも、そのような「裕次郎的な姿勢」が見て取れます。本村先生はいくつかの大谷選手の逸話を紹介くださいますが、「そうだった、そうだった」と思わず膝を打ちたくなります。

さらに両者に共通するのが、すべてを自己責任で行ない、決して誰かのせいにはしない毅然とした姿勢です。

本村先生は、ここでマザー・テレサの名言を引用されますが、それがどのような言葉かは、ぜひ講義本編をご覧ください。

とかく斜に構えて、社会の問題点を冷笑し、さも賢げに相手をバカにするような尊大な態度を取り、やたらに強弁してマウントを取りたがる人物像が、一時期、「新しい時代の改革者」的にメディアなどでもてはやされたこともありました。しかし、真に実力がある人の行ないを見ると、そのような人物像の浅はかさや、程度の低さが、見事なまでに露呈します。

本当の格好良さとはどういうものか。人間的魅力を生み出すものは何か。石原裕次郎と大谷翔平の比較は、多くのことをわれわれに教えてくれるのです。

(※アドレス再掲)
◆本村凌二:大谷翔平と石原裕次郎「好かれる男」の共通点
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4137&referer=push_mm_rcm2


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☆編集部からのお知らせ
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《ベストセラー『スタンフォード式最高の睡眠』を著し、「睡眠負債」という概念を日本に紹介した睡眠研究の第一人者が、前著に書けなかった部分も満載し、日本人が知らない正しい睡眠常識をすべて紹介します》

ということでとても興味深い本ですので、ご希望の方は以下よりご応募ください。

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※「あなたにおすすめ」のところの「今月のプレゼント」でご確認ください。

なお、シリーズ講義<「最高の睡眠」へ~知っておくべき睡眠常識>の第1話は以下よりご視聴できます。

◆西野精治:「最高の睡眠」へ~知っておくべき睡眠常識
(1)健康な睡眠のための方法

10分でわかる「最高の睡眠」
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田口佳史(東洋思想研究者)
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編集後記
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今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。

さて、「編集部からのお知らせ」のところで今月のプレゼント本に関してお伝えしましたが、毎月たくさんのご応募をいただいております。この場を借りて、感謝申し上げます。改めまして、ありがとうございます。

ちなみに、プレゼント本は講師の先生方の著書のなかから編集部が独自の視点で厳選し、用意しております。これからも注目の本をご用意する予定でございます。

ということで、まだという方はぜひチェックしてみてください。

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