大谷翔平と石原裕次郎「好かれる男」の共通点
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
大谷翔平と石原裕次郎に見る「人間的魅力」の本質とは?
大谷翔平と石原裕次郎「好かれる男」の共通点
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
大リーグで活躍する大谷翔平選手。そんな大谷選手を最初に見たとき、本村凌二氏は「あ、これは石原裕次郎と似ている眼だな」と思ったという。しかも両者ともに、周りの人びとからすごく好かれているのが伝わってくる。それは、大谷翔平選手にも石原裕次郎にも、「人間としての優しさ」「にじみ出てくる思いやり」「すべて自己責任という覚悟」があるからだろう。そのようなものが、「この人にはついていきたい」と多くの人に思わせるのである。そんな両者の「深いところでの共通点」とは、どのようなものなのだろうか。
※インタビュアー:川上達史(テンミッツTV編集長)
時間:13分28秒
収録日:2021年7月16日
追加日:2021年8月18日
≪全文≫

●にじみ出てくる「優しさ」「おおらかさ」「気配り」


―― 皆さまこんにちは。本村凌二先生に講義をいただくのですが、今日はちょっと趣向が違いまして、いまちょうど大谷翔平選手が大リーグで大活躍というところですが、この大谷選手と石原裕次郎の「共通点」ということでございましょうか。「非常に似ているのではないか」というご指摘がございまして、それについての講義をいただきたいと思います。先生、やはり似ているのでしょうか。

本村 ええ、似ているというか、ある年配(いま70歳以上)の方なら、わかると思います。裕次郎がデビューした時期は昭和30年代の初めです。その時期に彼がスターとしてのし上がってきて、人気を得ていく過程を身近に知っている人間と、それ以後、裕次郎さんはある年齢(29歳)で石原プロモーションの社長になり、テレビで「太陽にほえろ!」や「西部警察」などで貫禄のあるボスの役をしているものしか見ていない方とでは、違うと思います。

 私は、大谷翔平君を最初に見たときに「あ、これは石原裕次郎と似ている眼だな」と思いました。つまり、眼の形が似ているとか、そういうことではなくて、ある種の「優しさ」とか「おおらかさ」を持っている。

―― ポイントは「優しさ」なのですか。

本村 そうですね。そういうものを、この人は持っているな、と思ったのです。最初のころから、それを周りの人にはいっていたのです。「大谷選手は、裕次郎が野球選手になったような奴だなあ」と。

 裕次郎さんも、デビューしたてのときは、「太陽の季節」や「狂った果実」など、どちらかというとヤクザものというか不良ものをやらされたので、なんとなくアウトロー的な人間だとみんな思っているのだけれども、人間としては、非常にまっとうで、非常に礼儀正しい人でした。

 いちばん有名な話が、渡哲也さんがなぜ裕次郎に心酔したかという話です。渡哲也さんが最初に日活のスタジオに新人で行ったときに、挨拶回りをさせられた。いろいろなスタッフや幹部たちのところに連れ回されて行くと、みんな軽く手を挙げて「あ、ご苦労さん」というようなかたちで終わる。(石原裕次郎に挨拶する番になり)「いよいよ、あの裕次郎だ」と渡哲也さんが感激せんばかりになっていたときに、裕次郎さんが立ち上がったというのです。立ち上がって握手を求めてきて、「ああ、きみが渡君ですか」。それで、...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
老荘思想に学ぶ(1)力のメカニズム
老荘思想は今の時代に人類の指針となる
田口佳史
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える
島宗理
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(1)「イエス」とは一体誰なのか
「イエス・キリスト」という名前の本当の意味は?
竹内修一

人気の講義ランキングTOP10
平和の追求~哲学者たちの構想(3)サン=ピエールとモンテスキュー
「国連」の発想の源は?…一方、小共和国連合=連邦構想も
川出良枝
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
禅とは何か~禅と仏教の心(2)仏典漢訳から日本仏教へ
「ブッダに帰れ」――禅とは己事究明の道
藤田一照
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子