10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
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今こそ10年でトップリーダーになれるモデルを準備すべき

政権交代時代のリーダー

曽根泰教
慶應義塾大学大学院教授(政策・メディア研究科)
情報・テキスト
政権交代が当たり前の時代。しかし未だ残る55年体制のシステム。日英のトップリーダー育成の相違も挙げながら、政権交代のシステムを動かすためにいま何をすべきなのか、野党が取るべき道を提示する。
時間:08:03
収録日:2013/10/30
追加日:2014/02/24
政権交代が当たり前の時代。しかし未だ残る55年体制のシステム。日英のトップリーダー育成の相違も挙げながら、政権交代のシステムを動かすためにいま何をすべきなのか、野党が取るべき道を提示する。
時間:08:03
収録日:2013/10/30
追加日:2014/02/24

●政権交代と55年体制

政権交代が当たり前の時代になりました。ところが、1955年体制のシステムが未だに残っているところがたくさんあります。その中で、例えば自民党の政策決定過程、部会を中心とする決定、国会の運営システムであるとか官僚機構など、55年体制時代に出来上がった意思決定プロセスや昇進パターンが残っているわけです。
ですけども、今日お話ししたいのは、総理大臣は一体どのくらいの長い時間で評価され、そして総理大臣になるためのシステムを整理するために何が必要なのか、こういう話をしたいと思います。
 

●自民党長期政権時代の総理大臣になるまでのシステム

かつて、自民党が長期政権をとっているということは政権交代がないという前提ですから、かなりのんびりしたシステムでよかったわけです。当選6回前後で大臣、主要閣僚、当時でいうと大蔵・外務・通産、あるいは、党内の有力ポスト、幹事長などを経験して、当選6回だと選挙が3年に1回位選挙がありますから18年、約20年かかるわけです。それから10年かかって大臣あるいは有力閣僚、党内の有力ポストを経験して総理大臣になる。そうすると30年位でだいたい総理大臣になるというシステムだったのです。自民党がずっと政権を取っているという前提ですから、そんなに慌てる必要はないわけです。待っていれば派閥の領袖なり、支持があれば次になれる。運ももちろん関係ありますが。いってみれば日本の企業の中で社員がずっとその会社に30年40年勤めあげて社長になる人もいるというようなパターンです。

●イギリスの政権交代システム

ところが、政権交代は、M&A・吸収合併があるか、買収があるか、あるいは乗っ取りがあるかということで、CEOがガラッと変わるということもあり、どちらかというと日本の長期雇用の風土にはなじまない制度なのです。そうするとCEOの顔ぶれを揃えるためにシンクタンクあるいはコンサルティング会社が必要だというのと同じように、政権交代はだいたい何年位で起こるのかという事を考えると、仮にイギリスで言えば、だいたい10年くらいで保守党から労働党、労働党から保守党に変わると考えると、10年の間に人材を養成しておかなければならないわけです。つまり首相になれるだけの能力を持ったトップの人を準備しておく必要があります。
イギリスの場合、サッチャーはどちらかというと平均的なケースのように思います。つまり、イギリスではどのくらい当選すると首相になるのかというと初回当選が30歳前半、33歳くらい、そして首相就任の平均年齢が57、8歳くらい、在任は平均5、6年くらいかなという感じですけれども、サッチャーの場合は初当選が1959年で、首相になったのは1979年ですから、平均に近いところです。
ところがブレアやキャメロンになると初当選から首相になるのはとても短いです。そういう意味でいうと、40代前半、43、4で首相になるケースが最近の例です。

●野党時代の活動と政権交代システムの密接な関係

そうすると、10年くらいの政治家のキャリアの中で、首相になるまでにどうやってトレーニングを積めばいいのかという非常に重要な問題がここにあるわけです。
つまり、今までは政権交代がないからのんびりと30年かかって首相になるまでの準備をし、トレーニングをし、研鑽を積む。ところが10年で間に合うようにしないと、実は政権交代のシステムが動かないのです。ぴったり10年で首相になれると言っているのではありませんが、いつでも政権を担えるだけの野党がいな...
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