DATE/ 2016.07.18
第17回 ペットではない!
子猫がいるのはクローゼットの板の上なので、ねず美ちゃんがいないときに下にマフラーを敷いてあげようとしたら、2匹の子猫に威嚇されました。口を大きく開けて、フーフーと唾を飛ばしながら威嚇してきます。なんだか、可愛いような、可愛くないような、微妙な気持ちです。
美子ちゃんに「子猫に威嚇されたよ。それ見てると、悪魔の子どもみたいに見えたよ」と言うと、「そんなことないでしょう。可愛いよ。威嚇するのはねず美ちゃんが教えたんじゃない?」と言います。ねず美ちゃんはノラだったから、子猫たちにことさら身を守る術を教えているのかもしれません。
可愛いとか可愛くないとか思うのは人間の勝手です。そう思われるのはペットの宿命なんだろうけど、僕らはねず美ちゃん親子をペットだとは思っていません。ペットとは、人間が一方的に可愛がる生きものということですが、ねず美ちゃんの子育てを見ていると、こちらが教わることがいろいろあります。子どもたちがスヤスヤ眠っているときは、クローゼットから出てきて僕たちにすり寄ってきたり、ジャレたりして遊んでいるのも、子育てに一生懸命になり過ぎて、疲れ果てているお母さま方に見せてあげたい気持ちになります。
ねず美ちゃんの子育ては見事だなぁ。
僕がブログでねず美ちゃんのことをよく書くので、『CATS』という猫雑誌からねず美ちゃんを取材したいという依頼があり、女性の編集者とカメラマンが来ました。てっきり僕も取材されると思っていたのですが、ねず美ちゃんと美子ちゃんだけでいいそうです。ちょっと残念。でも、ねず美ちゃんたちといる時間は、美子ちゃんのほうが断然長いから仕方ありません。
あとで美子ちゃんに聞いたら、「子猫は可愛いんだから、子猫のうちに抱いたりしたほうがいいですよ」と取材に来た編集者は言っていたそうです。そういうのも、猫をペットとして見ている証拠です(あたりまえの話なんですが)。僕らもときどき子猫を見に行くのですが、子猫もねず美ちゃんもイヤがるから触りません。
1ヵ月も経つと、子猫がだいぶ大きくなってきました。クローゼットから出てきて部屋を走り回っています。
ねず美ちゃんは、遊んでいる子猫を母親の眼差しで見ています。子猫が見えないところに行くと、ゴロニャンゴロニャンと鳴きながら、子猫の様子を見に走って行きます。ゴロニャンはゴロゴロとニャ~ンが混じった鳴き方で、おそらく子猫たちにも響きがいいのだと思います。そうやって子猫の様子を見ながらも、僕の足にすり寄ってきて自分が甘えることも忘れません。ときどき外にも遊びに出かけますが、子どもが産まれる前の、2時間も3時間も外に出っぱなしということはなく、すぐ帰ってきて子猫にオッパイをあげています。
3匹がひとつになって寝ている。
猫用のミルクを買いに、ペットショップUSAに行き、マダムに「産まれて1ヵ月経ったんですけど、そろそろあげないといけませんかね?」と訊くと、「そろそろですね」とマダムは言います。「うちには生後7ヵ月経っても、誰ももらってくれない猫がそこにいるんですよ」とマダムが言うので、サークルの中を見てみると、確かに大きな猫がションボリ座っていました。
子猫の話は、美子ちゃんの両親にもお兄さんにも伝わっているので、お父さんお母さん、お兄さん夫妻、姪のほのかちゃんが揃って子猫を見に来ました。ねず美ちゃん親子は昼寝の最中でしたが、人がいっぱいいるので起き出してきて、子猫たちはほのかちゃんの猫ジャラシにジャレ始めました。
そのうち猫たちは庭に出て、子猫は梅の木や柳の木に登って、みんなを楽しませてくれました。そういうときも、ねず美ちゃんは子猫たちをよく見ていて、危ないときは飛んで行きます。それを見て「偉いわねぇ」とお母さんが言います。
しばらくすると、どこからともなく顔デカくんが現れました。顔デカくんがお父さんであることは間違いないので、これで初めて一家勢揃いです。顔デカくんに似てないほうの子猫が、おそるおそる顔デカくんに近づき、「初めまして」という感じで鼻と鼻をくっ付けています。ねず美ちゃんも鼻と鼻で挨拶します。お父さんそっくりの、足の先が白いメスの子猫だけは、知らん顔して遊んでいます。
お父さんとご対面!
夕方になるまで、みんなで猫が遊んでいるのを見ていました。ほんとに、そろそろあげないとね。
美子ちゃんに「子猫に威嚇されたよ。それ見てると、悪魔の子どもみたいに見えたよ」と言うと、「そんなことないでしょう。可愛いよ。威嚇するのはねず美ちゃんが教えたんじゃない?」と言います。ねず美ちゃんはノラだったから、子猫たちにことさら身を守る術を教えているのかもしれません。
可愛いとか可愛くないとか思うのは人間の勝手です。そう思われるのはペットの宿命なんだろうけど、僕らはねず美ちゃん親子をペットだとは思っていません。ペットとは、人間が一方的に可愛がる生きものということですが、ねず美ちゃんの子育てを見ていると、こちらが教わることがいろいろあります。子どもたちがスヤスヤ眠っているときは、クローゼットから出てきて僕たちにすり寄ってきたり、ジャレたりして遊んでいるのも、子育てに一生懸命になり過ぎて、疲れ果てているお母さま方に見せてあげたい気持ちになります。
僕がブログでねず美ちゃんのことをよく書くので、『CATS』という猫雑誌からねず美ちゃんを取材したいという依頼があり、女性の編集者とカメラマンが来ました。てっきり僕も取材されると思っていたのですが、ねず美ちゃんと美子ちゃんだけでいいそうです。ちょっと残念。でも、ねず美ちゃんたちといる時間は、美子ちゃんのほうが断然長いから仕方ありません。
あとで美子ちゃんに聞いたら、「子猫は可愛いんだから、子猫のうちに抱いたりしたほうがいいですよ」と取材に来た編集者は言っていたそうです。そういうのも、猫をペットとして見ている証拠です(あたりまえの話なんですが)。僕らもときどき子猫を見に行くのですが、子猫もねず美ちゃんもイヤがるから触りません。
1ヵ月も経つと、子猫がだいぶ大きくなってきました。クローゼットから出てきて部屋を走り回っています。
ねず美ちゃんは、遊んでいる子猫を母親の眼差しで見ています。子猫が見えないところに行くと、ゴロニャンゴロニャンと鳴きながら、子猫の様子を見に走って行きます。ゴロニャンはゴロゴロとニャ~ンが混じった鳴き方で、おそらく子猫たちにも響きがいいのだと思います。そうやって子猫の様子を見ながらも、僕の足にすり寄ってきて自分が甘えることも忘れません。ときどき外にも遊びに出かけますが、子どもが産まれる前の、2時間も3時間も外に出っぱなしということはなく、すぐ帰ってきて子猫にオッパイをあげています。
猫用のミルクを買いに、ペットショップUSAに行き、マダムに「産まれて1ヵ月経ったんですけど、そろそろあげないといけませんかね?」と訊くと、「そろそろですね」とマダムは言います。「うちには生後7ヵ月経っても、誰ももらってくれない猫がそこにいるんですよ」とマダムが言うので、サークルの中を見てみると、確かに大きな猫がションボリ座っていました。
子猫の話は、美子ちゃんの両親にもお兄さんにも伝わっているので、お父さんお母さん、お兄さん夫妻、姪のほのかちゃんが揃って子猫を見に来ました。ねず美ちゃん親子は昼寝の最中でしたが、人がいっぱいいるので起き出してきて、子猫たちはほのかちゃんの猫ジャラシにジャレ始めました。
そのうち猫たちは庭に出て、子猫は梅の木や柳の木に登って、みんなを楽しませてくれました。そういうときも、ねず美ちゃんは子猫たちをよく見ていて、危ないときは飛んで行きます。それを見て「偉いわねぇ」とお母さんが言います。
しばらくすると、どこからともなく顔デカくんが現れました。顔デカくんがお父さんであることは間違いないので、これで初めて一家勢揃いです。顔デカくんに似てないほうの子猫が、おそるおそる顔デカくんに近づき、「初めまして」という感じで鼻と鼻をくっ付けています。ねず美ちゃんも鼻と鼻で挨拶します。お父さんそっくりの、足の先が白いメスの子猫だけは、知らん顔して遊んでいます。
夕方になるまで、みんなで猫が遊んでいるのを見ていました。ほんとに、そろそろあげないとね。