DATE/ 2016.09.05
第23回 それぞれのテリトリー
猫は一度に何匹か子どもを産みますが、父親が複数だったりするそうです。
今回、ねず美ちゃんが産んだ3匹の子猫たちの父親を想像してみると、美子ちゃんの両親のところに行ったキキちゃんは顔がデカいので、どう見ても顔デカの子です。
島本さんにあげた黒猫は、黒ホッカくんが父親ではないかと思います。そして、うちに残ったタバ(タバサ)ちゃんの父親は、僕らが「ボロ」と呼んでいた、人相(猫相)の悪いボロボロの毛並みのノラかもしれません。ボロは茶色と白の猫で、タバちゃんと毛並みは違いますが、人相が悪いところがタバちゃんにそっくりです。
ひょっこり顔を出したボロ。
一時期、ボロは顔デカとわが家のテリトリーを争っていて、夜中にうちの中で2匹で壮絶な喧嘩をすることもありましたが(廊下が毛だらけになっていました)、しばらくして見かけなくなりました。おそらく顔デカに負けたのでしょうが、顔デカがいないときにねず美ちゃんと会っていたのかもしれません。
ねず美ちゃんは多分ノラの子どもだし、ボロも生粋のノラで、おそらくその子どもではないかと思われるタバちゃんは、ノラの血統を受け継いでいるようなところがありました。飼い猫らしからぬ、みすぼらしいような感じがするのです。しかも、お母さんのねず美ちゃんや、お姉さんのたびちゃんと育ったので、猫社会に属していて、僕たちにあまりなつきませんでした。
3匹仲よく暮らしていたころのねず美ちゃん一家。
当初、タバちゃんは美子ちゃんの親戚にもらわれていくことになっていたので、可愛がるとあげたくなくなってしまうので、僕たちも子猫のときはなるべく抱いたり撫でたりしないようにしていました。そういうこともあって、飼い猫としてはちょっと変わった猫に育って、僕が近づくと必ず逃げます。
タバちゃんが眠っているとき、そっと近づいて撫でてあげると気持ちよさそうにしているのですが、目を覚まして僕を見ると逃げてしまいます。
そんなタバちゃんも、美子ちゃんにはなつくようになりました。それは、たびちゃんも、タバちゃんも成長し、以前のような3匹まとまったねず美ちゃん一家ではなくなったからです。3匹がそれぞれ独立し、家の中でそれぞれがテリトリーを築くようになったので、タバちゃんも美子ちゃんの寵愛を必要とするようになったのです。
ねず美ちゃんにとっては、産んだ子どもはみんな誰かにもらってもらい、僕らと3人家族でいるのが一番平和だったはずで、僕らもそのほうが平和な気持ちでいられたかもしれません。
結局、たびちゃんとタバちゃんは1階を本拠地にし、ねず美ちゃんは2階に住むようになったのですが、ねず美ちゃんが1階に降りてくると、たびちゃんもタバちゃんもイラつきます。また、たびちゃんとタバちゃんもときどき喧嘩をしています。
顔デカくんがくると一家でお出迎え(仲がよかったころ)。
他の猫たちのテリトリーを侵略しないで、それぞれ自分のテリトリーの中にいてくれればいいのですが、テリトリーを広げようとする本能があるのか、たびちゃんやタバちゃんが、用もないのに2階に上がって行くことがあって、今度はねず美ちゃんがイラつきます。ねず美ちゃんのテリトリーを守るため、僕らが追い払うと、ソファーの下に入って出てこなくなったりします。ねず美ちゃんがオシッコでマーキングすることもあって、もうたまったものではありません。
僕らは、ねず美ちゃんが一番の先住民ですから、常にねず美ちゃんを尊重するようにしていて、1階に降りてきたときも「ねず美ちゃん、ねず美ちゃん」と声をかけるようにしているのですが、たびちゃんとタバちゃんはムクれたような顔をしています。猫たちみんなが仲よくしていた時代は終わり、小競り合いが絶え間なく続く日々になったのでした。
今回、ねず美ちゃんが産んだ3匹の子猫たちの父親を想像してみると、美子ちゃんの両親のところに行ったキキちゃんは顔がデカいので、どう見ても顔デカの子です。
島本さんにあげた黒猫は、黒ホッカくんが父親ではないかと思います。そして、うちに残ったタバ(タバサ)ちゃんの父親は、僕らが「ボロ」と呼んでいた、人相(猫相)の悪いボロボロの毛並みのノラかもしれません。ボロは茶色と白の猫で、タバちゃんと毛並みは違いますが、人相が悪いところがタバちゃんにそっくりです。
一時期、ボロは顔デカとわが家のテリトリーを争っていて、夜中にうちの中で2匹で壮絶な喧嘩をすることもありましたが(廊下が毛だらけになっていました)、しばらくして見かけなくなりました。おそらく顔デカに負けたのでしょうが、顔デカがいないときにねず美ちゃんと会っていたのかもしれません。
ねず美ちゃんは多分ノラの子どもだし、ボロも生粋のノラで、おそらくその子どもではないかと思われるタバちゃんは、ノラの血統を受け継いでいるようなところがありました。飼い猫らしからぬ、みすぼらしいような感じがするのです。しかも、お母さんのねず美ちゃんや、お姉さんのたびちゃんと育ったので、猫社会に属していて、僕たちにあまりなつきませんでした。
当初、タバちゃんは美子ちゃんの親戚にもらわれていくことになっていたので、可愛がるとあげたくなくなってしまうので、僕たちも子猫のときはなるべく抱いたり撫でたりしないようにしていました。そういうこともあって、飼い猫としてはちょっと変わった猫に育って、僕が近づくと必ず逃げます。
タバちゃんが眠っているとき、そっと近づいて撫でてあげると気持ちよさそうにしているのですが、目を覚まして僕を見ると逃げてしまいます。
そんなタバちゃんも、美子ちゃんにはなつくようになりました。それは、たびちゃんも、タバちゃんも成長し、以前のような3匹まとまったねず美ちゃん一家ではなくなったからです。3匹がそれぞれ独立し、家の中でそれぞれがテリトリーを築くようになったので、タバちゃんも美子ちゃんの寵愛を必要とするようになったのです。
ねず美ちゃんにとっては、産んだ子どもはみんな誰かにもらってもらい、僕らと3人家族でいるのが一番平和だったはずで、僕らもそのほうが平和な気持ちでいられたかもしれません。
結局、たびちゃんとタバちゃんは1階を本拠地にし、ねず美ちゃんは2階に住むようになったのですが、ねず美ちゃんが1階に降りてくると、たびちゃんもタバちゃんもイラつきます。また、たびちゃんとタバちゃんもときどき喧嘩をしています。
他の猫たちのテリトリーを侵略しないで、それぞれ自分のテリトリーの中にいてくれればいいのですが、テリトリーを広げようとする本能があるのか、たびちゃんやタバちゃんが、用もないのに2階に上がって行くことがあって、今度はねず美ちゃんがイラつきます。ねず美ちゃんのテリトリーを守るため、僕らが追い払うと、ソファーの下に入って出てこなくなったりします。ねず美ちゃんがオシッコでマーキングすることもあって、もうたまったものではありません。
僕らは、ねず美ちゃんが一番の先住民ですから、常にねず美ちゃんを尊重するようにしていて、1階に降りてきたときも「ねず美ちゃん、ねず美ちゃん」と声をかけるようにしているのですが、たびちゃんとタバちゃんはムクれたような顔をしています。猫たちみんなが仲よくしていた時代は終わり、小競り合いが絶え間なく続く日々になったのでした。