DATE/ 2016.10.24
第30回 ねず美ちゃんが一番輝いていたとき
猫はときどき子猫を移動させます。たぶん別の環境に慣らすためでしょう。ねず美ちゃんも、子猫を押し入れ上段のお客様用布団の隙間から下の段に移したので、子猫の様子がよくわかります。キジ柄2匹と黒白1匹ですが、キジ柄の2匹はそっくりです。黒白の子は鼻の周りが黒くて、ヒゲを生やしたように見えます。そしてみんなカギ尻尾でした。
2回目の移動のとき、ねず美ちゃんは僕の部屋に子猫を運んできました。仕事をしようと部屋に入ると、子猫が走り回っているので仕事になりません。仕方なく子猫をジャラして遊んでしまいます。ねず美ちゃんは、僕に子猫を遊ばせるつもりで、僕の部屋に運んできたのでしょうか。
今回のねず美ちゃんの出産は、生まれる前は結構大変でしたが、子猫たちが育っていくにつれ、ねず美ちゃんは落ち着きを取り戻し、本当に幸福そうな様子でした。子どもたちにオッパイをあげたり、毛づくろいをしたり、遊ばせたりしているときは、ねず美ちゃんの猫人生のうちで一番輝いていたときではないかと思います。
美子ちゃんは、例によってねず美ちゃん一家のお手伝いさんになり、上げ膳据え膳で面倒をみていました。ベランダでねず美ちゃん一家が遊んでいるときに、電柱から子猫たちを狙っているカラスを見つけたときは、美子ちゃんは竹箒を振り回してカラスを追い払っていました。
ベランダで授乳中の子猫とねず美ちゃん。
ある日の午前中、美子ちゃんが「子猫がいない」と言うので、二階に上がって、いつも子猫が寝ている木製の机の引き出しを見たのですがいません。クローゼットの中にもいません。ねず美ちゃんが、また人目につかないところに移したんだろうと思って、庭を見ながらお茶を飲んでいたら、子猫が梅の木の下にいて、登りたそうにしていました。よく見たら、3匹の子猫が庭で遊んでいて、それをねず美ちゃんがジッと見ていました。
木に登りたそうにしているキジ柄の子。
ねず美ちゃんの立派な子育てと、美子ちゃんの協力で、子猫はあっという間に大きくなっていきます。そろそろもらい手を探さないといけません。
それにしても、猫の繁殖力はすごいと思いました。ねず美ちゃんがわが家に来て、まだ2年足らずなのに、ねず美ちゃんは3回出産して8匹の子どもを生みました。そしてねず美ちゃん3回目の出産から2ヵ月後、タバちゃんが2匹の子どもを生みました。ねず美ちゃんは小ぶりな猫なので、2匹、3匹と少ない数しか産まないのですが、猫は5匹ぐらい産むこともあるようで、毎回5匹づつ産まれていたとすれば、20匹産まれていたことになります。なにか、恐ろしい気がします。
繁殖するねず美ちゃん一家。
ねず美ちゃんの子どものうち2匹は、漫画家の根本敬さんがもらってくれることになりました。根本さんが飼うわけではなく、知り合いのすでに猫を3匹か4匹飼っている人がもらってくれるそうで、根本さんの(前の)奥さんがレンタカーを借りて、根本さんと息子さんもつれて引き取りにきてくれました。キジ柄2匹だともらってくれる人もつまらないだろうから、キジ柄1匹と黒白の子をもらってもらいました。あとから聞いたら、黒白の子はえぼし、キジ柄の子はみなぞうという名前になったそうです。
もう1匹は、浅草の知り合いがもらってくれることになりました。元気な男の子がいるうちで、可愛がってもらえそうでしたが、お父さんが猫アレルギーだったようです。それでも、一軒家だから風通しがいいのでなんとかなると思っていたのですが、猫アレルギーはひどくなり、呼吸困難になるほどだったので飼えないということになりました。でも、知り合いのマンション暮らしの独身女性にもらってもらったそうで、僕たちはホッとしました。
一度あげた猫ですから、それ以上のことは聞かなかったのですが、もらわれた先で可愛がってもらえるよう祈りました。
2回目の移動のとき、ねず美ちゃんは僕の部屋に子猫を運んできました。仕事をしようと部屋に入ると、子猫が走り回っているので仕事になりません。仕方なく子猫をジャラして遊んでしまいます。ねず美ちゃんは、僕に子猫を遊ばせるつもりで、僕の部屋に運んできたのでしょうか。
今回のねず美ちゃんの出産は、生まれる前は結構大変でしたが、子猫たちが育っていくにつれ、ねず美ちゃんは落ち着きを取り戻し、本当に幸福そうな様子でした。子どもたちにオッパイをあげたり、毛づくろいをしたり、遊ばせたりしているときは、ねず美ちゃんの猫人生のうちで一番輝いていたときではないかと思います。
美子ちゃんは、例によってねず美ちゃん一家のお手伝いさんになり、上げ膳据え膳で面倒をみていました。ベランダでねず美ちゃん一家が遊んでいるときに、電柱から子猫たちを狙っているカラスを見つけたときは、美子ちゃんは竹箒を振り回してカラスを追い払っていました。
ある日の午前中、美子ちゃんが「子猫がいない」と言うので、二階に上がって、いつも子猫が寝ている木製の机の引き出しを見たのですがいません。クローゼットの中にもいません。ねず美ちゃんが、また人目につかないところに移したんだろうと思って、庭を見ながらお茶を飲んでいたら、子猫が梅の木の下にいて、登りたそうにしていました。よく見たら、3匹の子猫が庭で遊んでいて、それをねず美ちゃんがジッと見ていました。
ねず美ちゃんの立派な子育てと、美子ちゃんの協力で、子猫はあっという間に大きくなっていきます。そろそろもらい手を探さないといけません。
それにしても、猫の繁殖力はすごいと思いました。ねず美ちゃんがわが家に来て、まだ2年足らずなのに、ねず美ちゃんは3回出産して8匹の子どもを生みました。そしてねず美ちゃん3回目の出産から2ヵ月後、タバちゃんが2匹の子どもを生みました。ねず美ちゃんは小ぶりな猫なので、2匹、3匹と少ない数しか産まないのですが、猫は5匹ぐらい産むこともあるようで、毎回5匹づつ産まれていたとすれば、20匹産まれていたことになります。なにか、恐ろしい気がします。
ねず美ちゃんの子どものうち2匹は、漫画家の根本敬さんがもらってくれることになりました。根本さんが飼うわけではなく、知り合いのすでに猫を3匹か4匹飼っている人がもらってくれるそうで、根本さんの(前の)奥さんがレンタカーを借りて、根本さんと息子さんもつれて引き取りにきてくれました。キジ柄2匹だともらってくれる人もつまらないだろうから、キジ柄1匹と黒白の子をもらってもらいました。あとから聞いたら、黒白の子はえぼし、キジ柄の子はみなぞうという名前になったそうです。
もう1匹は、浅草の知り合いがもらってくれることになりました。元気な男の子がいるうちで、可愛がってもらえそうでしたが、お父さんが猫アレルギーだったようです。それでも、一軒家だから風通しがいいのでなんとかなると思っていたのですが、猫アレルギーはひどくなり、呼吸困難になるほどだったので飼えないということになりました。でも、知り合いのマンション暮らしの独身女性にもらってもらったそうで、僕たちはホッとしました。
一度あげた猫ですから、それ以上のことは聞かなかったのですが、もらわれた先で可愛がってもらえるよう祈りました。