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13億の人口の4人に1人がなんと中国共産党関係者!

なぜ「中国共産党は支配できるのか」

石川好
作家
情報・テキスト
建国宣言を朗読する毛沢東
なぜ、中国では共産党の一党支配が続いているのか。科挙制度に根づく実力主義の伝統、隅々まで党の勢力を行き渡らせることを可能にした支配構造、徹底した武力・言論統制の行使といった観点から解説する。
時間:07:45
収録日:2013/08/05
追加日:2014/02/24
建国宣言を朗読する毛沢東
なぜ、中国では共産党の一党支配が続いているのか。科挙制度に根づく実力主義の伝統、隅々まで党の勢力を行き渡らせることを可能にした支配構造、徹底した武力・言論統制の行使といった観点から解説する。
時間:07:45
収録日:2013/08/05
追加日:2014/02/24

●中国の実力主義の素地を作った科挙制度


では、今日は4回目として、『なぜ「中国共産党が支配できるのか」』、このテーマで話をします。
いま、現代社会というものはグローバル化していますが、なぜ一党支配が続くのか。わずかに一党支配と言われる国は、北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国や、中国共産党が支配する中国、アフリカや中東のいくつかの国しかなくなりました。にも関わらず、中国は依然として、中国共産党という選挙を経ない権力が支配し続けている。この理由は一体何なのかということをお話ししたいと思います。
我々はよく忘れてしまいますが、中国という国は、ほかの古い歴史を持つ国と一つ大きな際立った違いがあります。それは、「科挙」という制度があったということです。
我々も近代になるまで、例えば「士農工商」があって、農民に生まれたら農民、武士に生まれたら武士にしかなれない、商人の子供は商人という身分制度が固定している。これはヨーロッパなどでも本当に徹底してそういう身分制度が固定しているのです。
ところが、中国のように王様が支配する国でありながら、一つ違うところは、科挙という制度があること。これは、農民であれ、どんな人でも科挙という極めて難しい試験をパスすれば、王権があって王朝は世襲制で、例えば明の初代の皇帝がいて、その次は二代目の誰かに決まりますが、それを下から支える官僚制度に科挙試験に受かれば頂点に行かれる。言ってみれば、国王にはなれないけれども、内閣総理大臣あるいは官房長官くらいの巨大な権力が持てるのは、農民であれ誰であれ、科挙の試験に受かった人が実績をあげて、どんどん官僚システムのなかで偉くなっていく。だから、科挙の試験というものは倍率が何万倍になるわけです。その農村で一人、科挙の試験に合格すれば、その家族、一族郎党以外の周辺の人までもが生きていけるというくらい、巨大な権力と富を得ることができます。


●実力主義で党員数を増やした中国共産党


では、共産党とは何かというと、共産党には科挙はないですが、党員、つまり中国共産党の党員になれば、皇帝である国家主席にまでなれるわけです。習近平さんにしても胡錦濤さんにしても、共産党の党員として下積みをして、そこでどんどん偉くなって、13億人を支配する共産党のトップになった。ということは、「共産党の党員のなかで、そこで勝ち抜き合戦をやって行けば、13億のトップになれる」という仕組みになっている。つまり、共産党の支配のなかでは世襲制がないということで、あくまでも共産党の内部のことなのです。
だから、共産党が世界中から嫌われていても、党員の数は増える一方で、今年あたりは13億人のうち9千万人近くが共産党員になっているんですね。その人に奥さんがいたり子供がいたり親戚がいて約4倍と考えれば、3億5千万人から4億人近くが何らかの形で中国共産党という特殊な利益集団、権力集団で生きているということを考えれば、13億の人口のなかで4人に1人は既にそういうことになっています。ということは、おのずから中国の共産党が支配していることになってしまいますね。そして、これほど強い支配体系を持ったのは、おそらく中国のいままでの歴史にはないくらい、徹底的に中国共産党が中国大陸を支配していると言えると思います。


●中国共産党の基本的な強さは「隅から隅まで」の支配構造


これは、毛沢東の言葉にあるように「中国共産党は隅から隅まで支配せよ」、つまり「中国共産党の息が聞こえない場所・組織はないものとせよ」という...
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