日本のリーダーはどうあるべきか
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
日本史上、数少ない行政改革を成し遂げたリーダーシップ
日本のリーダーはどうあるべきか
葛西敬之(元東海旅客鉄道(JR東海)代表取締役名誉会長)
当時、行政管理庁長官であった中曽根康弘氏らとともに国鉄改革に尽力した一人、JR東海の葛西敬之名誉会長が、中曽根氏、明治維新、大東亜戦争のリーダーシップを引き合いに出しながら、現代日本のリーダー像を論じる。
時間:21分06秒
収録日:2014年4月15日
追加日:2015年1月27日
カテゴリー:
≪全文≫

●中曽根さんによいタイミングで国鉄改革を提起することができた


―― 名誉会長のご著書『未完の「国鉄改革」』を拝読し、40代のときに、国鉄改革で、強烈に戦いましたよね。しかも、名うての革マル相手にやり合うというのは、すごい環境ですよね。

葛西 このままいけば国鉄は絶対に衰退して、もう誰にも意見を聞いてもらえないぐらい、みんなから信用されない組織になってしまうと思っていました。しかしその前に、たまたまよいタイミングで、中曽根康弘さんが行政管理庁の長官に就いたのです。行政改革がうまくいかなければ、彼は一生の目標である総理大臣になることができませんから、そのために何かやらなければいけないと考えていました。そこに、こちらから「国鉄改革をやるのが一番いいと思います」と提起できる場が与えられたのです。

 中曽根さんが行政管理庁の長官になったとき、岸信介さんのところにアドバイスを求めに行ったそうです。岸さんは、「行政改革というのは、日本の2000年の歴史の中で、成功した例は3回しかない。一つは大化の改新、二番目は明治維新、三番目は大東亜戦争の敗戦。この三つだけなのだから、君、自分は行政改革ができるなどと軽々しく思わないほうがいい」と言われたそうです。中曽根さんはそれを聞いて、「全部変えるなどということは無理だから、一番やりやすい改革をやろう」と考えました。それが、三公社の民営化でした。

 三公社のうち、電電(日本電信電話公社)と専売(日本専売公社)は自らを改革したがっていましたが、国鉄は絶対に嫌だと抵抗していました。しかし、世の中の人たちからは「国鉄だけは何とかしてくれ」と思われていたのです。


●国鉄改革は百に一つの可能性しかない賭けをしているようなもの


葛西 私はそのとき、第二臨調(第二次臨時行政調査会)を担当していました。1981年3月に第二臨調が発足し、4月に担当になりました。5月から7月にかけてヒアリングがありましたが、そのときは何も方向が決まらず、ただ聞くだけでした。しかし、9月には、すでに「ターゲットは国鉄」と決まっていたのです。おそらくその間に岸さんと中曽根さんの会話があったのかなと思いました。しかし、こうした天の時のようなものを巡り合わせとして持ったというのは、運がよかったです。

 私はどちらかと言うと、改革を先延ばしして、少しずつ沈むなどい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生

人気の講義ランキングTOP10
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
日本の財政の真実を検証する(2)なぜ財政危機は起きていないか
なぜ財政危機は起きていないのか…国債の金利のトリックを読み解く
宮本弘曉
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
石田梅岩の心学に学ぶ(6)禅から茶道へ
全てが悟りに至る道…日本は茶や花や野球にも「道」がある
田口佳史
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎