アベノミクスで潮目は変わったか ~「改革のツボ」探り成果を~
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
TPP、観光立国、雇用制度――各種改革にはツボがある!
アベノミクスで潮目は変わったか ~「改革のツボ」探り成果を~
伊藤元重(東京大学名誉教授)
アベノミクスの成長戦略はうまくいくのか、それとも岩盤規制を前に失速してしまうのか。「改革にはツボがある」と伊藤元重氏。押せば経済がうまく動き出す改革のツボは、どこにあるのか?
時間:8分00秒
収録日:2014年3月14日
追加日:2014年3月27日
カテゴリー:
≪全文≫

●市場筋から、アベノミクスの失速に懸念?


今日は「アベノミクスで潮目は変わったのか」という話をさせていただきます。
2013年、大胆な金融緩和でデフレの脱却にめどを付け、世界的に非常に注目されたアベノミクスですが、ここにきて、この先本当にうまくいくのかどうかについての懸念が、特に市場関係者を通じて出てきているのだろうと思われます。
「岩盤のような規制を撤廃する」と言っても、やはり「岩盤」ですからそう簡単な話ではない。実際にいろいろな改革をしようとしても、当然各方面の抵抗勢力があるので、それに対する懸念があります。
一つ例として挙げると、TPPです。これはたいへん難しい決断のなか、交渉に参加すると出たわけですが、現実には日本の農業問題がネックになって、交渉はまとまらないままでいます。あるいは、労働市場改革についても非常に重要だとしていますが、これもやはり現実問題としては、労働市場改革は非常に大きな制度改革であるため、なかなか目に見えるような形での変化はできていません。
こうしたことから、「このままでいくとアベノミクスは失速するのではないか」と懸念する人は今後も増えていくのが事実だろうと思うのです。

●アベノミクスの二つの目的と改革の「ツボ」


そこで、まず一般論として申し上げますと、このアベノミクスには二つの大きな目的があるだろうと思います。一つはデフレからの脱却で、最初に申し上げたように既にもうかなりの成果を上げています。
ただ、もう一つの大きな目標があって、「そもそもなぜデフレになったのか」ということを考えると、例えば、高齢化が進むにもかかわらずなかなか需要が伸びない、財政問題に対する出口が見えないなど、経済全体としての低迷感が存在します。これらを、いわば取っ払っていくためには、やはり成長戦略が大事になってくるわけであり、これが現在問われているということになります。そうした意味で、当然マーケットも、安倍内閣が今後効果的な政策を出してくるかどうかを注目しているのです。
そこで今日は、今後のアベノミクスにおいて注目すべき点をいくつか申し上げたいと思います。何かと言うと、岩盤のような規制というものをマジックのように簡単に改革することは、現実的にはなかなか難しいわけです。改革を進めるには、とにかく粘り強くやっていくしかありません。ただ、どの時代にもやはり改革...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(3)国司と郡司のつきあい
郡司の妻たちと宴会!?……国司・大原真人今城へのはなむけの歌に記された「媚態表現」の真相と人心掌握術
上野誠
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(5)サルコペニア・フレイル対策
認知症予防にはどんな食事がいいのか?鍵はビタミンDの充足
小川純人
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治