かゆみのメカニズム
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
抗ヒスタミン薬が効かないかゆみは、どう対処する?
かゆみのメカニズム(2)かゆみの分類と伝達経路
髙森建二(順天堂大学 名誉教授・特任教授/環境医学研究所所長)
誰もが味わう“かゆみ”には、いまだ解明されていないことが多い。今回はかゆみがどのように起きるのか。かゆみの二つのタイプとそれぞれの刺激が伝えられるメカニズムについて、順天堂大学名誉教授で同大学院皮膚科学特任教授の髙森建二氏にお話をうかがった(全3話中第2話)
時間:13分10秒
収録日:2015年11月12日
追加日:2016年2月11日
≪全文≫

●末梢性と中枢性、二つのタイプのかゆみがある


 前回は、かゆみについての総論をお話ししましたので、本日はかゆみがどのようにして起きるのかについてお話しします。

 分類すると、かゆみは末梢性のかゆみと、中枢性のかゆみに分けられます。

 皮膚の構造をご覧ください。末梢性のかゆみでは、かゆみの刺激が表皮と真皮の境界部にあるC神経終末に作用することによって神経の興奮が起こり、それが脊髄から視床、大脳皮質へと達してかゆみが認識されていきます。この場合、かゆみを起こす物質は主としてヒスタミンですので、抗ヒスタミン薬がかゆみを止めることができます。

 また一方、抗ヒスタミン薬の効かないかゆみがあります。それを中枢性のかゆみといいます。中枢性のかゆみ発現には、オピオイドという物質が関与しています。

 オピオイドというのはモルヒネに似た物質のことで、中でも一番代表的なのがβエンドルフィンです。これがオピオイドのレセプター(受容体)に結合することによってかゆみが起きます。この場合、かゆみの発現にヒスタミンは一切関与していませんので、抗ヒスタミン薬を飲んでも、かゆみを止めることは全くできません。


●熱帯植物から始まった“かゆみ”の研究


 この二つについて、もう少し詳しくお話しします。

 カウイジという熱帯植物がありまして、皮膚に刺さるとものすごく強いかゆみを現すことが、原住民の間では知られていました。アメリカ人の皮膚科医でシェリーという人が熱帯地方を旅行していた時にこれを聞いて面白がり、かゆみの研究に使えるのではないかと思って持ち帰り、実験を行うことにしました。1957年のことです。

 この植物には小さなとげがあり、それを皮膚に刺すと「激痒」といわれるものすごく強いかゆみを生じます。シェリーは、それがどのくらいの深さに刺さったときにかゆみを感じるかを調べていきました。

 その結果、表皮と真皮の境界部にこのトゲが刺さったときに、最も強いかゆみが出ることが分かりました。そこで彼は、かゆみを感じる部位は、皮膚の中でも表皮と真皮の境界部にあるのではないかと考えたわけです。


●皮膚には、かゆみを感じる点と感じない点がある


 また、皮膚にとげを刺すとかゆみが起きるといっても、皮膚表面の全てがかゆみを感じるわけではなく、感じる点と感じない点があることも分かりました。
...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
テロメアから考える「アンチエイジング」(1)老化とテロメアの関係
テロメアの長さが「がんリスク」と「老化」のカギを握る
堀江重郎
うつ病治療最前線(1)うつ病の身体症状と治療の実際
隠れたうつ病を確定診断するポイントとは
渡部芳德
驚異の味噌パワー
味噌で免疫力向上、がん抑制、放射能除去…発酵食品の効果
小泉武夫
50代からの親の介護~その課題と準備(1)突然やってくる介護の問題
「親の介護」の問題…優しさだけでは続かない
太田差惠子
歯科の健康づくり(1)「噛める」ようになると人が変わる
噛み合わせや歯の健康が人間の健康にとっていかに大事か
河原英雄
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(28)自由喪失の危機に考えるハイエク-1
斎藤幸平氏に物申す…自由喪失の危機に読みたい自由主義の近現代史
テンミニッツ・アカデミー編集部
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(5)1人の力で歴史を変えた男たち
大義にもとづく「個人の決断と行動」が歴史を動かす…名将の教訓
門田隆将
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(2)厳格な一神教と選民思想
一神教とは、選民思想の真相とは…ユダヤ教の「最終目的」を考える
鶴見太郎