究極の省エネ自動車
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
2050年には自動車のエネルギー効率は5~10倍になる
究極の省エネ自動車
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
タイヤと地面の間の摩擦が減れば、燃料は減らせる。ゆえに自動車は軽いほうがいい。新素材はそろい出したし、日本の技術の確かさも、事実が証明してくれた。未来の明るい自動車の省エネルギーに関する展望を小宮山宏氏が語る。
時間:8分12秒
収録日:2014年4月11日
追加日:2014年4月29日
≪全文≫

●自動車の省エネはどこまで進むだろう


自動車の省エネルギー、すなわち自動車の燃費はいったい今後どうなるのか。どれぐらい下がるのか。実はまだまだものすごくよくなるというお話をしたいと思います。
人間はいろいろなエネルギーを使っていますが、一番大きいのは暖房と自動車なのです。ですから、自動車が今後どれぐらいエネルギーを消費するのかというのは、温暖化やエネルギー資源の問題において、極めて重要なカギとなります。そういう意味で、自動車の省エネがどこまで進み得るのかをお話ししたいと思うのです。

●「見える化」すれば燃料消費のメカニズムがわかる


自動車のエネルギーを議論する上で重要な図はこれです。毎年私が作っているものですが、最初は2007年頃だったでしょうか。横軸に取るのは自動車の重量で、その年の自動車カタログから、全ての車の重量を調べて並べます。縦軸は、1キロ走るのに何リットルのガソリンを使うかです。普通、燃費はリットル当たり何キロ走るかで示しますが、その逆数で、1キロ当たりの燃料消費量を縦軸に取る。0.1なら1リットルで10キロ走るということです。
これらを全てプロットしていくと、技術がもし同じであれば、原点を通る直線に並ぶのです。というのは、自動車というものは、摩擦がなければエネルギーは要らないからです。例えばスケートを見るとわかりますが、すーっと押されて走り出せば、摩擦が本当にゼロだったら、止まらないわけです。
では、摩擦とは何かと言うと、いろいろな摩擦があります。自動車は空気を押しのけて進みますから空気抵抗もあります。しかし一番大きいのはタイヤと地面の間の摩擦なのです。このタイヤと地面の摩擦に逆らって車は走っています。
そして、摩擦の大きさは車の重さに比例します。つまり同じ技術で同じように走る車であれば、重さ1トンの車は2トンの車の半分しかガソリンを使わないのです。実際にこの図で横軸に車の重量を取って、縦軸に1キロ走るためのガソリンのリットル数が分かりますと、見事に原点を通る直線に並びます。

●省エネ設計の日本車は欧米車より2割地球にやさしい


この中で、赤はヨーロッパやアメリカで作っているフォルクスワーゲンやGMなどの車、青は日本のトヨタやホンダなどの車です。それぞれ原点を通る直線に並んでいますが、20パーセントほど、同じ重さで日本の車のほうが燃料消...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治

人気の講義ランキングTOP10
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
おもしろき『法華経』の世界(9)「如来寿量品」と三身論
仏の寿命は無量で久遠に実在する…「如来寿量品」の神秘
鎌田東二
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
逆境に対峙する哲学(10)遺産を交換する
ナイチンゲールの怒りから学ぶこと…逆境の中で考えるとは
津崎良典
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
「アカデメイア」から考える学びの意義(4)学びの3つのキーワード
より良い人生への学び…開かれた知、批判の精神、学ぶ主体
納富信留
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一