この講義シリーズの第1話は
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高齢者のフレイル・認知症とその予防対策
“マッチョな老衰”はいない!?若い頃からいかに骨格筋肉量を蓄えるかが健康長寿の鍵
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(2)高齢者総合機能評価とフレイル
小川純人(東京大学大学院医学系研究科老年病学教授)
3.「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
2026年10月8日配信予定
4.その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
2026年10月9日配信予定
4.その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
2026年10月9日配信予定
5.認知症予防にはどんな食事がいいのか?鍵はビタミンDの充足
2026年10月15日配信予定
6.フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
2026年10月16日配信予定
フレイルとはいわば「生活機能障害、要介護状態、死亡等の転帰に陥りやすい状態」のことで、身体的、精神・心理的、社会的な側面の三位一体で捉えるべきであると小川氏は言う。中でも身体的フレイルの大きな要因となるのが、加齢に伴い筋肉量が減少する「サルコペニア」だ。高齢期の体重減少は脂肪ではなく骨格筋の減少を意味し、一度減った筋肉は戻りにくい。そのため、たんぱく質などの適切な栄養摂取に加え、若いうちから筋肉を蓄える「貯筋」を意識し、生涯にわたり筋肉量を維持することが健康長寿の鍵となるという。第2話では、 高齢者の生活機能等を総合的に診る「高齢者総合機能評価」の重要性と、要介護と健康の中間状態であるフレイルについて詳しく解説する。(全6話中第2話)
時間:12分02秒
収録日:2026年5月7日
追加日:2026年10月2日
収録日:2026年5月7日
追加日:2026年10月2日
≪全文≫
●高齢者総合機能評価――生活機能、認知機能、介護能力をトータルで見る
こうした高齢者をトータルで見ようというマインド評価は、実は老年医学の一丁目一番地で、これまでもそうなのですけれど、「高齢者総合機能評価」という概念で知られています。
これは、CGA(Comprehensive Geriatric Assessment:コンプリヘンシブ・ジェリアトリック・アセスメント)、つまりコンプリヘンシブが「包括的」、ジェリアトリックが「高齢者」、アセスメントが「評価」ということで「CGA」と呼んでいます。要は病気の評価はもとより、その方の生活機能、認知機能、意欲、介護能力、介護負担、在宅の環境、経済力などを総合的に評価して、個人の生活、個別性を重視したケアを選択するといった評価方法です。
CGAについては、1935年、今から90年あまり昔になりますが、英国で発祥したもので、現在も世界的に活用されています。また、わが国におきましても、最近はこういったガイドラインが上梓(編注:策定)されることが少なくないわけですけれど、国内外のエビデンスが集積したということで、2024年にこうした(医療・ケア)ガイドラインも上梓(編注:策定)されるという運びにもなってきます。
こうしたトータルで見よう、(つまり)病気だけではなく、生活機能、認知機能、介護能力にも立脚しようというマインドは大事だということはご理解いただけたかと思いますけれど、実際、そういったCGAのアセスメントを行うと、何か結果の改善につながるのかということが素朴な疑問としておありかもしれません。
これは当科で以前行ったものですけれど、アウトカムといいますか、結果の改善に寄与したのかを見る上では、ビッグデータとしていわゆるDPC(Diagnosis Procedure Combination)、つまり急性期の入院のデータベース――国内のものですが――を集積しまして、脳卒中の方33万人を対象としまして、入院患者全員がそうですけれどそのうちの5万人は入院中にCGAを行った人、もう1群はCGAを入院中に行わなかった人ということで、いわゆる後ろ向きですがガチンコ勝負をしたものです。
そうしますと、入院中にCGAを行っていれば(編注:入院中にCGAを行った人は)、長期入院は是正、すなわち短縮できていますし、入院中からのリハビリテーショ...
●高齢者総合機能評価――生活機能、認知機能、介護能力をトータルで見る
こうした高齢者をトータルで見ようというマインド評価は、実は老年医学の一丁目一番地で、これまでもそうなのですけれど、「高齢者総合機能評価」という概念で知られています。
これは、CGA(Comprehensive Geriatric Assessment:コンプリヘンシブ・ジェリアトリック・アセスメント)、つまりコンプリヘンシブが「包括的」、ジェリアトリックが「高齢者」、アセスメントが「評価」ということで「CGA」と呼んでいます。要は病気の評価はもとより、その方の生活機能、認知機能、意欲、介護能力、介護負担、在宅の環境、経済力などを総合的に評価して、個人の生活、個別性を重視したケアを選択するといった評価方法です。
CGAについては、1935年、今から90年あまり昔になりますが、英国で発祥したもので、現在も世界的に活用されています。また、わが国におきましても、最近はこういったガイドラインが上梓(編注:策定)されることが少なくないわけですけれど、国内外のエビデンスが集積したということで、2024年にこうした(医療・ケア)ガイドラインも上梓(編注:策定)されるという運びにもなってきます。
こうしたトータルで見よう、(つまり)病気だけではなく、生活機能、認知機能、介護能力にも立脚しようというマインドは大事だということはご理解いただけたかと思いますけれど、実際、そういったCGAのアセスメントを行うと、何か結果の改善につながるのかということが素朴な疑問としておありかもしれません。
これは当科で以前行ったものですけれど、アウトカムといいますか、結果の改善に寄与したのかを見る上では、ビッグデータとしていわゆるDPC(Diagnosis Procedure Combination)、つまり急性期の入院のデータベース――国内のものですが――を集積しまして、脳卒中の方33万人を対象としまして、入院患者全員がそうですけれどそのうちの5万人は入院中にCGAを行った人、もう1群はCGAを入院中に行わなかった人ということで、いわゆる後ろ向きですがガチンコ勝負をしたものです。
そうしますと、入院中にCGAを行っていれば(編注:入院中にCGAを行った人は)、長期入院は是正、すなわち短縮できていますし、入院中からのリハビリテーショ...