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DATE/ 2018.04.18

平均年収420万円はウソ!性別、勤続年数でみる実態は?

 国税庁が毎年9月に発表している「民間給与実態統計調査」。それによると平成28年度の平均年収は422万円。平成27年度と比べると2万円UPで約1パーセントの伸び率ということです。実感値とくらべると、どうでしょう?

 セグメント別に検証してみました(数値はすべて約を省略)。

日本の平均年収を下げているのは、女性の低すぎる年収

 平成28年の男性平均年収は521万円、女性平均年収は280万円です。

 統計数字を見ると、男性の年収は50~54歳の661万円を頂点として、19歳の頃から段階的に上がり、多くの企業で定年が設定される60歳以降では急減することがわかります。

 一方、女性では多くの人が社会人になる20~24歳と、仕事を覚えた25~29歳の間では68万円程度の差があるものの、それ以降は頭打ち状態が続き、50代後半から徐々に下がっていきます。

 男性の平均年収が「日本人の平均年収」を下回るのは29歳以下と65歳以上だけ。統計値を押し下げているのは女性の平均年収であることは、明らかです。

年収1000万円と100万円の差がモノをいう統計数字

 でも、現実には女性でフルタイム勤務をこなし、管理職についている人も珍しくない時代です。彼女たちの給与は反映されていないのでしょうか。年収・性別ごとに区分けされたデータを見てみましょう。

<100万円以下>
男性:91万人(3.2%)
女性:330万9千人(16.5%)

<100万円台>
男性:207万4千人(7.3%)
女性:503万人(25.1%)←女性のボリュームゾーン

<200万円台>
男性:364万6千人(12.7%)
女性:431万4千人(21.5%)←女性の「平均年収」

<300万円台>
男性:522万人2千人(18.2%)←男性のボリュームゾーン
女性:331万4千人(16.5%)

<400万円台>←「平均年収」
男性:500万8千人(17.5%)
女性:194万3千人(9.7%)

<500万円台>
男性:366万人6千人(12.8%)←男性の「平均年収」
女性:99万7千人(5.0%)

<600万円台>
男性:243万3千人(8.5%)
女性:47万人 (2.3%)

<700万円台>
男性:175万人 (6.1%)
女性:27万1千人(1.4%)

<800万円台>
男性:120万人(4.2%)
女性:14万5千人(0.7%)

<900万円台>
男性:82万2千人(2.9%)
女性:8万4千人(0.4%)

<1,000万~1,500万円台>
男性137万8千人(4.8%)
女性14万2千人(0.7%)

<1,500万~2,000万円台>
男性:30万4千人(1.1%)
女性:3万2千人(0.2%)

<2,000万~2,500万円台>
男性:9万7千人(0.3%)
女性:1万人(0.0%)

<2,500万円以上>
男性:11万2千人(0.4%)
女性:8千人(0.0%)

 働く女性の4分の1以上が、年収は100万円台。前後を合わせると、300万円以下で働いている女性は63.1%で、3人に2人という実態が分かります。一方で1,000万円以上という高年収の女性も、合計すると18万人。女性調査数は2,006万9千人ですから、少ないとはいえ約0.9%、ほぼ100人に1人は1,000万円以上の年収を得ています。

 一方、男性の18.2%が300万円台の年収であることも意外です。平均年収を下回る400万円以下で働く人の割合は41.4%、男性平均を下回る500万円以下では58.9パーセントと過半数になります。高年収ゾーンを見ると、男性で1,000万円以上年収を得ている人は6.6%。およそ100人に6人という計算ですね。

 これらのことが重なるため、「平均年収420万円」の数字は、実際のボリュームゾーンからも、大手企業で働くビジネスパーソンからも乖離して見えるのでしょう。

「配偶者特別控除」と「M字カーブ」のワナ

 平成30年分より改正されますが、女性の年収を頭打ちにしているのは、既婚女性パートタイマーの多くが「配偶者控除(配偶者年収103万円未満)」や「配偶者特別控除(配偶者年収103~141万円未満)」枠に収まるよう、働く時間を自主的にセーブしているというのが通説です。今回の調査では、配偶者控除又は扶養控除の適用を受けた者は1,381 万人、配偶者特別控除を受けた人は94万1千人(平均控除額は28.3万円)だということです。

 もう一つの要因は、いわゆる「M字カーブ」。出産退職する女性は、男性ほど勤続年数が積み上がらないので、年収も上がらないという説があります。「勤続年数別の平均給与」統計を見てみましょう。

<勤続5年未満>
男性:373万円
女性:232万円

<勤続5~9年>
男性:457万円
女性:270万円

<勤続10~14年>
男性:533万円
女性:294万円

<勤続15~19年>
男性:590万円
女性:328万円

<勤続20~24年>
男性:660万円
女性:371万円

<勤続25~29年>
男性:731万円
女性:419万円

<勤続30~34年>
男性:761万円
女性:409万円

<勤続35年以上>
男性:622万円
女性:318万円

 男女ともに最高額を得られるのは勤続年数30~34年の階層です。しかし、その比率はというと、5年未満の頃の年収と比べて、男性は388万円上がる2倍強、女性は186万円で1.8倍にしか達しません。政府も「一億総活躍社会」を看板にするなら、ここから手をつけてほしいと思うばかりです。
※2018年4月更新

<参考サイト>
・国税庁:平成28年分 民間給与実態統計調査
http://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2016/pdf/000.pdf
(10MTV編集部)