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「お祭りがある日本」は団結できて、いざとなったら強い

勢いと余白(2)岸和田と「だんじり精神」

概要・テキスト
コシノ家の女性は、母も三姉妹も、全員「服の持つ力で世の中に貢献する」という信念を持っていた。コシノ氏の母をモデルにした朝ドラ『カーネーション』から、そのことが濃厚に伝わってくる。そしてこれは、岸和田のど真ん中で育った人たちが持つ、だんじり精神でもある。お祭の歴史のある町の「ど真ん中」で育つ幸せが、そこにはある。日本人はお祭りがあるから団結でき、いざとなれば強い。なかでもだんじり祭りは、日本人が持つ良さが全部出ている祭りだといえる。(全11話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10:30
収録日:2022/10/06
追加日:2022/12/23
カテゴリー:
≪全文≫

●子どものときの経験が、潜在意識として消えない


執行 衣装で「コシノジュンコ」と出ている映画は、やはり衣装の力がすごいです。服の力です。私がファッションの力を本当に見たのは、あの『火の鳥』から始まります。コシノジュンコという人の作品です。そう思ってずっと何十年か来たのですが……。

コシノ つながることはありますか?

執行 つながっています。あの絵画を見て、何十年かの蓄積が、私の中で爆発したのです。

コシノ ああ、そうですか。

執行 だから急に見て、急に言っているのではないのです。

コシノ 嬉しいですね。ストーリーがあって、その前の前からご存じで。

執行 そうです。ストーリーの始まりは『火の鳥』ですから。

コシノ そういう接点があるとは全然知りませんでしたから、「え、どうして私の絵をこんなに?」と思っていたのですが、この空間に来て、あまりにも、作品たちが喜んでおります(笑)。

執行 やはり、感動というものは、「急に」ということはないのです。

コシノ そうですね。

執行 自分では知らなくても、何段階か踏んでいるのです。何段階か踏んでいるのを自分で知らないのが潜在意識。知らないだけなんです。

 それこそ「服が持つ力」というものをコシノジュンコから、あの映画以来ずっと感じていますが、(朝ドラの)『カーネーション』を見て(さらに感じました)。お母さんから(コシノ三姉妹の)全員に共通しているのは「服の持つ力で世の中に貢献する」という信念です。母親からきょうだいまで全部持っています。

コシノ 私は、岸和田のだんじり祭りのど真ん中に生まれて、やはりだんじり精神というか、勢いというか……。

執行 あれがすごいですね。

コシノ あれが根にありますね。

執行 それが潜在意識です。

コシノ そうなんです。子どもの頃の思い出は、それしかないのですけれども。うちの母はもう「仕事、仕事」でやってきていますが、あの環境で、だんじりがあるわけです。やはり子どものときの経験は、何かしら潜在意識として消えないですね。

執行 重要です。それから、急に『カーネーション』の話になって恐縮ですが。

コシノ(笑)

執行 あれは岸和田もよかったけれど、出てくる人たちがとにかく素晴らしい。お世辞を言っているわけじゃなく。名前は皆、わざと違っていましたが。

コシノ そうで...
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