●ネットだけの情報で事実を誤認している人が多い
今日は、「フェイクニュースをフェイクヒストリーにしないために」というテーマでお話します。以前、誤報の拡散についてお話しました。私が阿川佐和子氏と結婚するのではないか、という誤報が流れたのです。今でも、依然として、「結婚おめでとう」メールが届きます。
先日、大学のゼミの後輩たちがOB会を開いたのですが、一番盛り上がったのが、阿川氏と私の結婚話だったそうです。その中の一人から、「おめでとう」メールが届きました。テンミニッツTVの以前の動画を見てもらい、誤解は解けましたが、この方はソニーに勤めていた人で、後輩に阿川尚之慶應義塾大学名誉教授がいたのです。つまり、そのあたりの事情にはかなり通じている方かと思うのですが、「すっかりインターネットでだまされてしまった」とおっしゃるのです。
これを聞いて、世の中にはネットだけの情報で事実を誤認している人、阿川氏と私の結婚がある、あるいはすでにあったと思っている人が、たくさんいるのではないかと感じました。
●フェイクニュースがフェイクヒストリーになりうる
また、後世の歴史家が歴史を書くとき、ウェブで確認をする、つまり、裏を取るためにウェブサイトを他にもいろいろと見るとすれば、それは間違いないことだと思うかもしれません。そうなると、それはフェイクニュースがフェイクヒストリーになりうるということで、背筋が寒くなる恐ろしさを感じました。
現在、例えばネットで「阿川佐和子」と検索すれば、80万件ほど出てきます。さらに「結婚相手」と加えれば約18万件、「曽根」を加えれば、約6万件出てきます。テンミニッツTVでこの誤報についてお話した動画は、およそ1万人の方に視聴してもらいました。しかし、ネット検索でヒットする約18万件の誤報が相手ですから、多勢に無勢です。
それだけではありません。「曽根泰教」で検索すると、阿川佐和子氏の名前がずらっと出てくるのです。これは、私にとって無関係の話です。私の研究のことでも、社会活動のことでもありません。しかし、それがずらっと出てくるというのは、大変な恐怖を感ずることです。
●誤報サイト一件ずつに警告文を送った
以前にテンミニッツTVのレクチャーで、誤報の拡散・拡大に対して、ほとんど対処のしようがないと申し上げました。しかし、方法はあります。...