●バースト現象において、興味を持っているのは誰なのか
バースト現象が発生した場合、それが一体どのような意味を持っているのかということを、正確に把握する必要があります。何かが話題になって、わっと盛り上がったけれども、そのまま特に何もなく鎮火する、その話題が終わってしまうということは、よく見られます。例えば、これをマーケティングに利用しようとする場合、自分たちが伝えたい相手に、本当にリーチしているのかが問題になるでしょう。あるいは逆に、企業が炎上したといっても、実際にその顧客が炎上しているのか、それとも、全く無関係の人たちが騒ぎ立てているだけなのか、正しく認識しなければなりません。
そこで、炎上において、どのような人が興味を持っていたのか、ということを分析してみたいと思います。バースト現象に、本当に興味を持っているのは誰なのか、ということです。バースト現象が発生した場合、1つの意見しかないということは、ほとんどありえません。どんな場合でも、たいてい複数の多角的な見方が存在しています。逆にいえば、多角的な見方ができないものについては、あまり炎上はしないでしょう。
したがって、多様な意見の存在を前提した上で、誰がどのような意見を持っているのかを把握することは、炎上を理解するために欠かせません。例えば炎上であれば、それは危険な炎上なのか、あるいはマーケティングであれば、伝えたい人にきちんと情報が拡散しているのか、ということを分析する必要があります。
●ユーザーの偏りに注意が必要だ
情報拡散において、誰がどんな意見を持っているのかということについて、コミュニティというレベルで捉えてみたいと思います。誰が何をリツイートしたのかという情報を使って、コミュニティ単位での情報拡散の分析を行うのです。個人個人は、さまざまなコミュニティに属しているため、コミュニティというまとまりで捉えることによって、統計的に分析することができるでしょう。
まず、どのような話題が、いつ、どのコミュニティで出現したのかということを見ていきます。その際、ユーザーの偏りに注意が必要です。ある視点での見方は、特定の人たちだけに偏って持たれているのか、それとも世間一般がそうした見方を持っているのか、このことを理解しておかなければなりません。
偏りを調べる場合、エントロピー(Entropy...