ソーシャルメディアにおける情報拡散
この講義シリーズの第1話は
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ネットの炎上ではユーザーの偏りを認識することが重要
ソーシャルメディアにおける情報拡散(2)ユーザーの偏り
鳥海不二夫(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻教授)
東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻准教授の鳥海不二夫氏によれば、ソーシャルメディアでのバースト現象には、ユーザーの偏りが見られるということだ。オリンピックのエンブレム問題で騒いでいたのは、主に保守系のコミュニティに属する人たちだった。炎上事例において、こうしたユーザーの偏りを認識することが重要である。(全3話中第2話)
時間:8分04秒
収録日:2017年5月30日
追加日:2017年7月5日
≪全文≫

●バースト現象において、興味を持っているのは誰なのか


 バースト現象が発生した場合、それが一体どのような意味を持っているのかということを、正確に把握する必要があります。何かが話題になって、わっと盛り上がったけれども、そのまま特に何もなく鎮火する、その話題が終わってしまうということは、よく見られます。例えば、これをマーケティングに利用しようとする場合、自分たちが伝えたい相手に、本当にリーチしているのかが問題になるでしょう。あるいは逆に、企業が炎上したといっても、実際にその顧客が炎上しているのか、それとも、全く無関係の人たちが騒ぎ立てているだけなのか、正しく認識しなければなりません。

 そこで、炎上において、どのような人が興味を持っていたのか、ということを分析してみたいと思います。バースト現象に、本当に興味を持っているのは誰なのか、ということです。バースト現象が発生した場合、1つの意見しかないということは、ほとんどありえません。どんな場合でも、たいてい複数の多角的な見方が存在しています。逆にいえば、多角的な見方ができないものについては、あまり炎上はしないでしょう。

 したがって、多様な意見の存在を前提した上で、誰がどのような意見を持っているのかを把握することは、炎上を理解するために欠かせません。例えば炎上であれば、それは危険な炎上なのか、あるいはマーケティングであれば、伝えたい人にきちんと情報が拡散しているのか、ということを分析する必要があります。


●ユーザーの偏りに注意が必要だ


 情報拡散において、誰がどんな意見を持っているのかということについて、コミュニティというレベルで捉えてみたいと思います。誰が何をリツイートしたのかという情報を使って、コミュニティ単位での情報拡散の分析を行うのです。個人個人は、さまざまなコミュニティに属しているため、コミュニティというまとまりで捉えることによって、統計的に分析することができるでしょう。

 まず、どのような話題が、いつ、どのコミュニティで出現したのかということを見ていきます。その際、ユーザーの偏りに注意が必要です。ある視点での見方は、特定の人たちだけに偏って持たれているのか、それとも世間一般がそうした見方を持っているのか、このことを理解しておかなければなりません。

 偏りを調べる場合、エントロピー(Entropy...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦
組織改革の要諦~活性化と人材活用(1)準備、スピード、タイミング
組織改革は最初に全体像と将来像を示すのが重要
秋池玲子

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(39)上野誠先生の万葉集講義と現代
【10min解説】万葉集に学ぶ「公務員倫理法」の大失敗?
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(6)ピョートル大帝の宗教改革
王座に乗った革命家・ピョートル大帝の「宗教改革」と、ソビエト時代のロシア正教の「弾圧」と「利用」の実情
上月豊久
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『源氏物語』を味わう(3)形容詞からの楽しみ方
美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
林望
「満洲」から考える日本とアジア(9)アヘンの実態と満洲開発
満洲国の開発とアヘン問題…アヘンが資金源となったのは事実だが「同時代の世界」と比較せねば真実はつかめない
宮脇淳子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠