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アーリーアダプタがTwitterの情報拡散のキーマン

ソーシャルメディアにおける情報拡散(3)キーマンを探せ

鳥海不二夫
東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻教授
概要・テキスト
東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻准教授の鳥海不二夫氏が、Twitterの情報拡散のキーマンについて、解説する。多くの人に拡散される投稿を行うイノベータと、その投稿を素早くリツイートしてバーストさせるアーリーアダプタでは、後者の方が継続率は高い。マーケティングにおいて、注目すべき存在である。(全3話中第3話)
時間:08:26
収録日:2017/05/30
追加日:2017/07/09
≪全文≫

●情報拡散のキーマンは誰か?


 これまでは炎上事例を取り上げてきましたが、今度は、マーケティングにおける情報拡散についても見てみましょう。できるだけ情報が拡散される方法を考える際に、重要になってくるのが、情報拡散のキーマンです。キーマンは誰なのかを理解すれば、その方が情報を拡散してくれるだろうと、期待できます。そこで、情報拡散のキーマンの探し方について考えてみましょう。

 情報発信者として、どのようなタイプの人がいるのかということは、ロジャースの普及モデルを用いて考えることができます。このモデルは消費財の普及に関するもので、ある商品が出たときに、それを採用する速度によって、消費者を分けています。

 新しい商品が出るとすぐに飛び付いて、それを最初に取り入れる人たちは、イノベータと呼ばれます。次に、アーリーアダプタと呼ばれる人たちがいます。これは、イノベータが飛び付いた後に、新商品を使い出す人たちです。こうした、かなり初期の段階で新商品を取り入れる人たちに続いて、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティが出てきます。この人たちは、どちらかというと大衆です。アーリーマジョリティは、比較的早く商品を採用する人で、レイトマジョリティは、みんなが採用したのを見て、ぼちぼちと採用していく人を指します。

 そして、最後に、ラガードと呼ばれる人たちがいます。全く新商品には手を出さず、かなり後になってから、それを購入する人たちです。例えば、今では多くの人はスマートフォンを使っていますが、その中で、いわゆるガラケーをいまだに使っている人は、ラガードに当たります。ラガードが悪いというわけではなく、ただ、新しい商品にはあまり興味がない、ということです。

 これを情報発信者に置き換えて、考えてみましょう。イノベータは、新しい情報をどんどん仕入れてくる人で、アーリーアダプタは、これに初期に反応する人です。さらに、アーリーマジョリティとレイトマジョリティは、イノベータやアーリーアダプタから拡散されてきたものに反応する人たちであり、他方、ラガードは、それにあまり反応しない人たちだと考えることができます。


●アーリーアダプタの方が継続率は高い


 情報拡散においては、イノベータとアーリーアダプタがどのような働きをするのか、ということが重要です。そこで、彼らに注目する意味について...
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