ソーシャルメディアにおける情報拡散
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
アーリーアダプタがTwitterの情報拡散のキーマン
ソーシャルメディアにおける情報拡散(3)キーマンを探せ
経営ビジネス
鳥海不二夫(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻教授)
東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻准教授の鳥海不二夫氏が、Twitterの情報拡散のキーマンについて、解説する。多くの人に拡散される投稿を行うイノベータと、その投稿を素早くリツイートしてバーストさせるアーリーアダプタでは、後者の方が継続率は高い。マーケティングにおいて、注目すべき存在である。(全3話中第3話)
時間:8分26秒
収録日:2017年5月30日
追加日:2017年7月9日
≪全文≫

●情報拡散のキーマンは誰か?


 これまでは炎上事例を取り上げてきましたが、今度は、マーケティングにおける情報拡散についても見てみましょう。できるだけ情報が拡散される方法を考える際に、重要になってくるのが、情報拡散のキーマンです。キーマンは誰なのかを理解すれば、その方が情報を拡散してくれるだろうと、期待できます。そこで、情報拡散のキーマンの探し方について考えてみましょう。

 情報発信者として、どのようなタイプの人がいるのかということは、ロジャースの普及モデルを用いて考えることができます。このモデルは消費財の普及に関するもので、ある商品が出たときに、それを採用する速度によって、消費者を分けています。

 新しい商品が出るとすぐに飛び付いて、それを最初に取り入れる人たちは、イノベータと呼ばれます。次に、アーリーアダプタと呼ばれる人たちがいます。これは、イノベータが飛び付いた後に、新商品を使い出す人たちです。こうした、かなり初期の段階で新商品を取り入れる人たちに続いて、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティが出てきます。この人たちは、どちらかというと大衆です。アーリーマジョリティは、比較的早く商品を採用する人で、レイトマジョリティは、みんなが採用したのを見て、ぼちぼちと採用していく人を指します。

 そして、最後に、ラガードと呼ばれる人たちがいます。全く新商品には手を出さず、かなり後になってから、それを購入する人たちです。例えば、今では多くの人はスマートフォンを使っていますが、その中で、いわゆるガラケーをいまだに使っている人は、ラガードに当たります。ラガードが悪いというわけではなく、ただ、新しい商品にはあまり興味がない、ということです。

 これを情報発信者に置き換えて、考えてみましょう。イノベータは、新しい情報をどんどん仕入れてくる人で、アーリーアダプタは、これに初期に反応する人です。さらに、アーリーマジョリティとレイトマジョリティは、イノベータやアーリーアダプタから拡散されてきたものに反応する人たちであり、他方、ラガードは、それにあまり反応しない人たちだと考えることができます。


●アーリーアダプタの方が継続率は高い


 情報拡散においては、イノベータとアーリーアダプタがどのような働きをするのか、ということが重要です。そこで、彼らに注目する意味について...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
イノベーションの本質を考える(1)イノベーションの定義
イノベーションの定義はパフォーマンスの次元が変わること
楠木建
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(1)時代に請われ、時代に応えた佐藤一斎
部下を育てるには、まず佐藤一斎に学べ!
田口佳史
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
ウォーレン・バフェットの成功哲学(1)「世界一の投資家」の実像
世界一の投資家ウォーレン・バフェット…賢人と呼ばれる理由
桑原晃弥

人気の講義ランキングTOP10
続・日本人の「所得の謎」徹底分析(1)各国の財政と国民負担
日本と各国の比較…税負担は低いが社会保障の負担は高い
養田功一郎
経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力
米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長
松尾睦
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子
数学と音楽の不思議な関係(4)STEAM教育でつくる喜びを全ての人に
世界で最もクリエイティブな国は? STEAM教育が広がる理由
中島さち子
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
片山杜秀
未来を知るための宇宙開発の歴史(9)宇宙開発を継続するための国際月探査
「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味
川口淳一郎
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
宮本弘曉
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(4)百年後の日本人のために
百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために
門田隆将
「アカデメイア」から考える学びの意義(2)プラトンの学園アカデメイア
プラトン「アカデメイア」の本質は自由な議論と哲学的探究
納富信留