映像で考えるエチオピア
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ストリートチルドレンが自立するには何が必要か?
映像で考えるエチオピア(5) ストリートチルドレンの自立
川瀬慈(国立民族学博物館学術資源研究開発センター教授/総合研究大学院大学教授 /映像人類学者)
ストリートチルドレンは、大人になるとどうなるのか。自立する者もいるが、物乞いのままの者もいる。国立民族学博物館人類基礎理論研究部准教授の川瀬慈氏は、開発援助の対象を保護するだけではなく、彼らがいかに自立するかを検討しなくては意味がないと語る。(全5話中第5話)
時間:11分48秒
収録日:2018年7月13日
追加日:2018年12月11日
≪全文≫

●デザイナーになったシファロ、物乞いのままのヨハネス


―― 『Room11』の2人は急に資産が減ってしまいましたが、あれは何があったのですか?

川瀬 あれは、雨期で雨が集中的に降ったため、顧客が一気に減ったのです。だから、ある程度自分で食べてしまったのではないかと思います。

―― 彼らは今どうしているのですか?

川瀬 彼は今、レザージャケットのデザイナーとしてすごく活躍しています。2人いたうち、僕に近い方の黒い顔のシファロは、今では立派に1人で住み、1人で生計を立てています。僕のレザージャケットを今年(2018年)作ってくれました。約10年ぶりに再会して、本当に感動的でした。もう1人はあまり変わっていないです。物乞いに通っています。依存体質が抜けきれなくて、駄目ですね。

―― ストリートチルドレンから自立できるかというのは、本人の意識によるところが大きいのでしょうか?

川瀬 その通りです。ですから、あらゆる発展途上国への開発の問題とも響き合う点だと思いますが、単に援助すればいいのではなくて、やはり本人が、いかに考えて試行錯誤して創意工夫を積み重ねて生きていくかということを、本人が培わなかったら、どれだけお金を渡してどれだけ投資しても結局同じことだと思いますし、その国が、そのコミュニティーが自立していくことはできません。

 援助を受けていると、依存体質ができてしまって、いかに狡猾に援助のお金を引き出すかが、やはり中心になってしまいます。そういった意味では、ヨハネスとシファロの二人は非常に象徴的です。シファロは素晴らしくて、イタリアが出資する職業訓練校に数年間行きました。そこで、かっちりと、質素な暮らしながらも全寮制の学校の中で職業訓練を受けて、皮の加工をする、デザインをするという一つのサーティフィケートをちゃんと得て、自信を持って、つつましやかながらも自分で歩み始めました。自分の手で、自分のペースで仕事をすることが、どれだけ尊いことかを身をもって学びました。

 もう1人のヨハネスもまた象徴的で、全然そのようなことをやらず、とにかく物乞いのみです。外国人にもたかります。流ちょうな英語もしゃべれますし、派手なことは非常に好きです。路上で外国人のパトロンを探してたくさんの資本金を随時得ますが、必ずそれをファッションや飲み食いに使ってしまいます。そして、すぐにまたパトロ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
国家の中で個人が楽しく生きるために、なぜ「中間団体」が重要か
片山杜秀
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
編集部ラジオ2026(30)AI時代の企業と道徳
【10minで考える】CPO(最高哲学責任者)…AI時代に必須の哲学とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(2)大規模言語モデルが孕む問題
AIは頭のないオウム?…AIがAIを引用する世界に創造性はあるか?
橋爪大三郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾