映像で考えるエチオピア
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
エチオピアのストリートチルドレンの生存戦略
第2話へ進む
エチオピアの子供たちとの対話映像から見える課題
映像で考えるエチオピア(1)映像人類学という手法
川瀬慈(国立民族学博物館学術資源研究開発センター教授/総合研究大学院大学教授 /映像人類学者)
国立民族学博物館人類基礎理論研究部准教授の川瀬慈氏は、アフリカ、主にエチオピアの音楽や宗教を対象とした人類学を専門とする研究者である。川瀬氏は、映像によって調査者と被調査者がともに分析を進めるという映像人類学の手法を使って研究を進めてきた。川瀬氏の映した映像を見ながら、エチオピアの食、子ども、宗教、暦といったテーマを考えていこう。(全5話中第1話)
時間:16分21秒
収録日:2018年7月13日
追加日:2018年12月4日
≪全文≫

●調査者と被調査者が共に分析する映像人類学


 こんにちは。国立民族学博物館、総合研究大学院大学准教授の川瀬慈です。私の研究の専門は映像人類学、そしてアフリカの地域研究です。

 私はアフリカ、主にエチオピアの音楽や宗教を対象とした人類学研究を2001年より行ってきました。研究の手法として映像を活用し、研究のアウトプットとして映像作品を公表してきました。その中で、文化人類学、シネマ、現代アートの実践の交差点から、イメージや音を用いた話法を探求してきました。

 言語による情報に比して、映像は文化の境界を越えて受け手の感情や感覚に働き掛けやすく、豊かなリアクションを引き出すことが可能です。私は、映像を現地調査の中で積極的に使い、調査対象の人々と映像を見ながらともに分析を進めていく方法を行ってきました。調査者と被調査者が共同で映像を分析することによって、分析の重層化が進められると同時に、対象となる人々に対し、映像とは何か、さらに、私が映像を通して何を知りたいかを示すことを目指してきました。そんな中、この講義では、映像を多く取り入れながらお話を進めていきたいと思います。

 それではまず、エチオピアの路上で生活をする少年2人と私の対話を描いた記録映画『Room 11, Ethiopia Hotel』をご覧ください。

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
ロボットの「カンブリア爆発」時代へ電動化がもたらすもの
岡本浩
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司

人気の講義ランキングTOP10
デカルトの感情論に学ぶ(1)愛に現れる身体のメカニズム
デカルトが注目した心と体の条件づけのメカニズム
津崎良典
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
今井むつみ
内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解
偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
島田晴雄
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(3)未解決のユダヤ問題
「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方
東秀敏
徳と仏教の人生論(1)経営者の条件と50年間悩み続けた命題
宇宙の理法――松下幸之助からの命題が50年後に解けた理由
田口佳史
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(3)カントの公共性論
いま学ぶべきカントの挑戦~なぜ「公開性」が重要なのか
齋藤純一