映像で考えるエチオピア
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
元旦は9月、1年は13か月―エチオピアの複雑な暦
映像で考えるエチオピア(4) エチオピア暦とティムカット
川瀬慈(国立民族学博物館学術資源研究開発センター教授/総合研究大学院大学教授 /映像人類学者)
多様な文化を持つエチオピアでは、暦も独特だ。長い歴史を持つエチオピア暦はグレゴリオ暦と異なり、新年は9月に始まる。また、13の月があり、ユニークな祝日も多くある。エチオピアの代表的なお祭り「ティムカット」の映像を観ながら、国立民族学博物館人類基礎理論研究部准教授の川瀬慈氏の解説を聴こう。(全5話中第4話)
時間:12分20秒
収録日:2018年7月13日
追加日:2018年12月10日
≪全文≫

●エチオピアでは、複数の複雑な暦が存在する


 アフリカ大陸の北東部に位置するエチオピア連邦民主共和国は、日本の国土面積の約3倍の広さを持ち、80を超える民族、さらに100を超える言語が存在するといわれています。エチオピアでは、多種多様な民族文化とともに、複数の複雑な暦が存在します。ここでは、エチオピアにおいて最も広く使用され、公式な暦であるエチオピア暦(現地のアムハラ語で「イェティオピア・ゼメン・アコタタル」)を紹介します。

 エチオピア暦は、キリスト教エチオピア正教会の祭日や儀礼を軸とする暦で、コプト正教会に使用されてきた古代エジプトの太陽暦の流れをくみます。エチオピア正教会は、その起源が4世紀にまでさかのぼるとされています。エチオピア帝国時代において国教とされたこのエチオピア正教会は、現在もエチオピア北部の人々の生活に非常に大きな影響を持っています。各教会には、「タボット」と呼ばれる旧約聖書に登場する十戒が刻み込まれた聖櫃(アーク)の木製レプリカが存在します。

 エチオピア暦はイエス・キリストの降誕について、グレゴリオ暦とは異なる解釈を持つため、その紀元に関しては、グレゴリオ暦のそれより7~8年遅れているとされます。7年もしくは8年の差が生まれる理由は、エチオピア暦の新年が9月にスタートするためです。9月以前は8年ずれることになります。また9月以降は7年の差ということになります。

 エチオピアには13カ月の月が存在します。4年の周期でうるう年がやってきます。最後に1日追加されることになります。4年でひとまとまりの周期とされ、それぞれの年は、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4つの福音書の名に分けられています。このうち、ルカの年がうるう年です。より詳しく説明すると、新年はグレゴリオ暦の9月11日に当たります。1月は合計30日であり、最後に5~6日のみで構成される月が存在します。


●「ツォム」という精進期間には、菜食への切り替えが求められる


 エチオピア正教会の信者には、数多くの祭日と、「ツォム」と呼ばれる精進期間を守ることが求められます。ツォムは通常、各週の水曜日と金曜日ですが、それ以外にも短期間、長期間、合わせて7種類の公式なツォムの期間が存在します。エチオピア正教会には、トータルすると年間約180日のツォムを信者に求めることになります。当然のことながら、教会に属する聖職者た...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生

人気の講義ランキングTOP10
ウェルビーイングを高めるDE&I(2)人と組織を取り巻く環境変化:後編
なぜ日本の幸福度は低すぎるのか?会社任せで失われる自律性
青島未佳
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(5)陸軍悪玉論の中の名将たち
武力を持ったエリート官僚たち…陸軍悪玉論と個々人の決断
門田隆将
イラン戦争と終末論(2)終末論とトランプ政権への影響
イラン戦争で反ユダヤ主義が加速!?トランプ政権へのリスク
東秀敏