内閣改造とは何か~安倍政権の内閣改造を分析・評価する~
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
安倍・菅体制で官邸からのコントロールが相当利いている
内閣改造とは何か~安倍政権の内閣改造を分析・評価する~
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
地方創生や女性の登用を目玉として打ち出した2014年9月の安倍政権の内閣改造。曽根泰教氏が安倍政権の特徴を明らかにしつつ、今回の内閣改造を分析・評価し、内閣改造の本質を浮き彫りにする。
時間:17分02秒
収録日:2014年9月11日
追加日:2014年9月21日
カテゴリー:
≪全文≫

●二つの反省を活かし、スタートラインがうまくいった安倍政権


 安倍政権が内閣改造をしましたが、内閣改造とは何なのかというお話をします。

 そもそも安倍政権が出来上がったときには、二つの反省から出発しました。一つは、第一次安倍内閣が約1年という非常に短命に終わったことです。もう一つは、民主党政権が失敗したということです。その二つの反省に、いくつかの要因が重なるわけですが、例えば、経済政策一つとっても、第一次安倍内閣のときの金融政策や経済政策は、やはり付け焼刃的なかなり薄っぺらいものだったのです。

 ところが、今回の安倍内閣では、政権交代前にアベノミクスを打ち出します。これも、第一の矢、第二の矢、第三の矢とそれぞれ評価はありますが、特に金融から入り、株価を上げ、スタートラインがうまくいきました。これによって、支持率は落ちても半分を少し割るくらいに止めています。そういう点で、安倍内閣は、第一次安倍内閣とは大きく違います。

 もう一つ、大きく違うのは、衆参がねじれていないということです。ということは、当たり前のことですが、法案は基本的には通りますので、その意味で国会運営はやりやすいのです。

 安倍内閣が、これだけ持続して支持率が高い理由は何なのかと、よく聞かれるのですが、一つは、以前に比べて随分周到だと思います。その理由の一つは、例えばスキャンダルや失言で辞めた大臣がいないからです。つまり、2年弱の任務をまっとうできたということが、この内閣の特徴です。少なくとも国民の期待値は、「1年くらいで交代してしまう政権はもうこりごりよ」というものですから、それに対しては、持続するというだけでも安倍内閣の価値はあると思います。もちろん、問題は中身ですが、中身に関しては異論もあるし、さまざまな解釈も可能でしょう。


●官邸からのコントロールが相当利いている政権


 さて、内閣改造に関連して、自民党が長期政権であったときの内閣改造のイメージで今でも語る人がいます。安倍政権はすでに違う段階に差しかかっていると思いますが、例えば、「幹事長をやっていれば総裁選に出てもいい」とか、「内閣に入ると総裁選に出るのは難しい」という意見です。しかし、それは自民党長期政権時代の話なのです。つまり、どちらも難しいのです。例えば、選挙に敗れれば、首相だけではなく幹事長も責任をとらなければい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(2)ノイズと半身社会の処方箋
ノイズを楽しむ――半身社会の「読書と教養のすすめ」
三宅香帆
「同盟の真髄」と日米関係の行方(7)トランプ氏の評価とその実像
こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は
杉山晋輔
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(7)日本の倫理こそ未来の理想
他人の幸福実現に喜びを見出す日本の道徳こそ未来の理想だ
賴住光子
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
新撰組と幕末日本の「真実」(6)新撰組結成と清河八郎、芹沢鴨
清河八郎と芹沢鴨…乱闘事件や大和屋焼討事件の真相とは?
堀口茉純