●民主党が政権の受け皿になれなかった選挙
まず、今回の総選挙の結果を総括し、その後でこれからの政治状況はどうなるかというお話をします。最初に、二つの新聞をご覧下さい。これは同じ日の新聞ではありません。こちらが2年前の朝日新聞で、これが今回の選挙の結果を踏まえた朝日新聞です。しかし、紙面の作り方はほとんど同じです。では、今回の選挙は一体何だったのでしょうか。
前回の選挙では、自公で320議席を超えて、衆議院の3分の2を握り、安倍政権が誕生しました。その時の争点もアベノミクスでした。また、その前の総選挙で大勝した民主党が壊滅的な敗北を喫し、57議席まで落ち込みました。今回は若干回復しましたが、基本的に自公との差はそれほど変わっていません。
民主党に加えて、共産党、公明党も若干増えましたが、大勝というほどの増え方ではありません。それから、みんなの党はなくなり、次世代の党、生活の党は議席を減らしました。維新の党はもっと減るだろうと言われていましたが、減少幅は少なかったと言えます。
つまり、選挙前と選挙後で、ほとんど状況は変わっていないのです。そういう意味では、別途説明が必要ですが、政権批判の受け皿として、野党、特に野党第一党の民主党が政権の受け皿にならなかったことの意味が大きい選挙だったと思います。
●今回、自民党は旧来型の選挙で勝つことができた
実は、投票日前まで、多くのマスコミや選挙の専門家、政治家たちは、今回の選挙は自民党の300議席を巡る攻防ではないかと考えていました。自民党単独で3分の2を占める、あるいは300議席を超えるといった予測が出ている一方で、自民党が300議席を割ると、安倍晋三首相に対して自民党内から異論を挟む人も出てくるのではないかと言われていたのです。これが「300議席を巡る自民党内の攻防」の意味です。しかし、総選挙の前後で議席数はそれほど変わりませんでした。さらに内閣も改造しないと言っています。それでは、この選挙の前後で何が変わったのだろうかという疑問が出てきます。
自民党が勝ち過ぎていた場合、何が起きたかといえば、自民党内の勘違い、つまり、自分たちは完全に勝利したという勘違いが始まったのではないでしょうか。それが進むとおごりになります。おごりや勘違いが党内で起きるかどうか。これは今後も見ておかなければならない...