2014年総選挙の結果を総括する
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
政権交代は無理!結党以来初めて過半数下回った公認候補数
2014年総選挙の結果を総括する(2)前政権の政権運営に対する怒り
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
総選挙後、民主党は73に議席数を増やした。しかし、曽根泰教氏の評価は厳しい。曽根氏の2014年選挙結果総括シリーズ第2話では、「民主党はなぜ回復しなかったのか」を問う。(全3話中第2話目)
時間:9分19秒
収録日:2014年12月15日
追加日:2014年12月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●民主党の衆院選。議席数が増えても、「回復」とは呼べない


 今回の総選挙で、民主党は議席を増やしました。しかし、これを“民主党の回復”と呼んでいいのでしょうか。私はそうは思いません。今回、私は、“民主党はなぜ回復しなかったのか”ということでお話をしたいと思います。

 まず第一に、候補者数のことがあります。1996年に衆議院の小選挙区比例代表並立制の制度ができてから、野党の第一党は過半数の候補者を立てていました。これが、それ以前の55年体制時代の社会党と大きく違うところです。当時、最大野党の社会党は、1960年に一部が離党して民社党に分裂して以降、候補者が過半数いませんでした。どの選挙も政権を争う選挙ではなかったのです。

 55年体制時代の有権者にとって選挙とは、どこかの政党に票を入れる、新自由クラブに入れる、共産党に入れる、あるいは、自民党のどこかの派閥に入れるということで、新聞も「どこが大勝」「どこが勝利」などと書きはしますが、政権を争う選挙ではなかったのです。

 今回、民主党の候補者数は過半数を下回りました。この“政権を争う選挙”ということの重さをどこまで理解していたでしょうか。確かに急な選挙であったから準備不足だというのはありましたけれども、前から申し上げているように、野党第一党,政府でない方の野党というものは、明日にでも政権を取ることができ、明日にでも選挙があっても準備ができているということが大前提なのです。

 では、民主党が回復しなかった理由は何なのか。民主党支持者に対していろいろ聞いてみると、怒っている人が大変多くいます。今回の選挙でその怒りは収まったのかというと、そうではありません。「いやいや、もう二度と民主党に入れたくない」というような怒りが、まだ継続しています。失望ではなく、怒りなのです。この怒りが民主党に対してあるということを、民主党はどう乗り越えてきたのでしょうか。

 その怒りは何に対する怒りなのかというと、それはつまり、政権の運営に対する怒りです。政策の運営ではなく、政権の運営なのです。

 歴史上、この怒りに近いものを考えますと、第二次世界大戦の敗戦、「失敗の本質」であるわけですが、軍部に対する怒りが国民にありました。あるいは、東京電力福島第一原子力発電所の事故が起きて以降の東京電力に対する国民の怒り、これは非常に大きい怒り...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
松下幸之助の人づくり≪3≫理想の政治(1)国家に経営理念があれば、もっと日本は発展する
無限の可能性に挑め…国家経営を創造し、新時代の憲法を!
松下幸之助
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(1)「プラチナ社会」構想と2050年問題
5つの産業で「資源自給・人財成長・住民出資」国家を実現
小宮山宏
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(4)社会課題の解決に取り組む人財産業
メダカの学校・総合的な学習(探究)の時間・逆参勤交代
小宮山宏
東大ハチ公物語―人と犬の関係(1)上野英三郎博士とハチ
忠犬ハチ公で哲学する…人と犬の関係から見えてくる道徳論
一ノ瀬正樹
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(4)エンタメで一番重要なのは「人」
変人募集中…0から1を生める人、発掘する人、育てる人
水野道訓
徳と仏教の人生論(1)経営者の条件と50年間悩み続けた命題
宇宙の理法――松下幸之助からの命題が50年後に解けた理由
田口佳史
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
アンチ・グローバリズムの行方を読む(1)世界情勢の転換
強まるアンチ・グローバリズムの動きをどう見ればいいか
岡本行夫
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(6)習近平のレガシー
国力がピークアウトする中国…習近平のレガシーとは?
垂秀夫
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博