政権交代とねじれ国会
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
政権が代われば、その前後では必ずねじれている
政権交代とねじれ国会
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
衆参両院の多数が異なる状態を「ねじれ」という。大統領制と議院内閣制における「ねじれ」の対比や、政権交代と「ねじれ」との関係を解説し、「ねじれ」を如何にとらえ対処すべきかを論じる。
時間:12分05秒
収録日:2013年12月12日
追加日:2014年2月24日
カテゴリー:
今日は、「ねじれ国会」というものはそもそも何かという話と、「ねじれ国会」を考えるためには、実は内閣、つまり政府と議会、議会が二つあればその二つの関係、この関係を整理してお話しして、同時に数の上から見た議会というのはどういうものかということを議論し、次に、「ねじれ」とは珍しいことではなく、特に政権交代があると「ねじれ」は必ず起こり、つまり政権交代の前か後で必ず起きるということを示したいと思います。


●「ねじれ」とは:内閣と議会の関係


 まず通常の議会というのはどういう仕組みなのかということですが、議院内閣制と大統領制ではここで大きく違います。議院内閣制の場合には、与党で過半数以上を持っている。それで、過半数以上で内閣ができるわけです。過半数以上という条件のときに、3分の2以上を持っているか否かというのが、もう一つ特別な条件として付きますが、基本は過半数以上です。過半数以上を持っているから内閣ができ、つまり政権ができるわけです。

 これと、例えば日本の場合、参議院の多数派を与党側が持っているか持っていないか、その2種類なわけです。そうすると、「ねじれ」とは何かと言うと、この衆議院側の多数と参議院側の多数が異なるのを、一般的に「ねじれ」と呼べると思います。

 ここに「議会の3分の1以上」という条件を付けましたが、これは大統領制を考えると、日本で言うと首長さんですが、知事や市長や地方議会を考えるときには、3分の1という条件がもう一つ加わります。議員内閣制の場合には、この3分の1という条件はほとんど考えなくて済むわけです。

 それはなぜかということを少しお話しします。それはつまり、大統領、あるいは内閣と議会が、アメリカの場合には上下両院ですが、異なっている、つまり党派の多数が異なっている場合を、一般的にdivided government、分裂あるいは分割政府と呼ぶわけです。日本の「ねじれ」も同じです。つまり、衆議院の多数と参議院の多数が異なっている。そうすると、政権は作れるけれども、法案を円滑に通すことができない。それは何度も日本でも経験していることです。


●大統領制は議院内閣制よりもはるかに「ねじれ」が起きやすい


 これを見ていただくと分かると思いますが、議院内閣制は、衆議院のほうが必ず多数です。多数でないときもありますが、基本は多数なのです。だから、衆議院と内閣がねじれること...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(9)秀吉が作った公武統一政権と歴史のif
公武統一政権を作った秀吉の狙いとその歴史的意味
黒田基樹
AI時代と人間の再定義(4)自分と出会うチャンス
人生はエネルゲイア――AIにない「自分と出会うチャンス」
中島隆博
プロジェクトマネジメントの基本(6)ビジネスアナリシスの仕事
スコープ・クリープはリスクが大きい…どうすればいい?
大塚有希子
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
「進化」への誤解…本当は何か?(6)木村資生の中立説
欧州では不人気…木村資生の中立説とダーウィンとの違い
長谷川眞理子
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治