秘話を通して考える日韓関係
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
幻の謝罪…同郷首相の行為を「過ち」とした声明が問題視
秘話を通して考える日韓関係(1)安重根の評価と岸信介の親書
若宮啓文(元朝日新聞主筆)
日韓関係を知るために、忘れてはならない秘話がある。一つは、「暗殺者」と「英雄」という正反対の評価を持つ安重根に関するもの。もう一つは岸信介氏が首相であった時にとった韓国に対するある行動に関するものだ。若宮啓文氏が複雑な日韓関係から掘り起こされた秘話を紹介する。(前編)
時間:14分42秒
収録日:2014年9月11日
追加日:2014年12月2日
カテゴリー:
≪全文≫

●「伊藤博文の暗殺者」「アジアの平和の義士」―日韓で異なる安重根の評価


若宮 今回は、韓国の話でちょっとした秘話をご紹介します。

 韓国では「アンジュングン」と言いますけれど、安重根の記念館が今年になって中国のハルピンにできました。これに日本の菅義偉官房長官が、「あれはテロリストだ。テロリストの記念館をつくるのか」と言って抗議したりして、少し論争になりましたよね。

 安重根は確かに伊藤博文を暗殺した暗殺者なのですが、韓国にしてみれば、強引に韓国を併合に向かわせた当事者として伊藤博文は悪名高く、安重根は悲劇の英雄になっているのです。そこで、その安重根の記念館を、習近平主席が朴槿恵大統領のご機嫌をとるようにつくったという構図で、そのようなことに菅さんがかみついたということなのです。

 今日は詳しく述べる時間はありませんが、日本にも安重根をかなり評価する人がいたのです。伊藤博文を暗殺したこと自体を評価するわけではないけれども、東洋の平和を考えた大変な義士であり、孫文などと似たような思想の持ち主であった、という評価です。

 当初、安重根は日本に大変期待して、日露戦争の時には日本を応援していました。それは、日本が韓国の独立を守ってくれるというようなことを言っていたからなのですが、日露戦争に日本が勝つと、日本と韓国の保護条約を強引に結んで、韓国の外交権を取り上げてしまいました。そのことに怒って、安重根はゲリラ運動に入るのですが、これも弾圧されてうまくいかないものですから、ついに伊藤博文を暗殺してしまったのです。けれども、捕まってからも態度が非常に立派であったということで、観衆が大変心酔したなど、いろいろな話があります。


●日本にも、安重根を研究し正しく評価しようとした財界人、政治家がいた


若宮 話せば長くなるので端折りますが、韓国人が最初に安重根のことを発表したのに共鳴して、日本で安重根の研究会をつくった財界人がいます。小野田セメントの社長までやった安藤豊禄さんという人が一緒に研究会をつくろうと言ったのです。

 この人は安重根のことを本にも書いているのですが、その研究会の記事が新聞に出たら、何人かの人が自分も入りたいと言ってきたのです。その中にいたのが、秦野章さんという人です。思い出しますよね。

―― 法務大臣で警視総監ですよね。

若宮 警視総監をや...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
「満洲」から考える日本とアジア(10)戦後の「五族」の運命
「五族協和」の真実と満洲国崩壊後の五族の悲劇…満洲人、朝鮮人、露人、蒙古人、漢人らの戦後悲史を直視せよ
宮脇淳子
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
トップアスリートが実践する「自分の高め方」とは…まず集中のスイッチを入れる方法は?
為末大
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
大国主神に学ぶ日本人の生き方(8)求婚の歌と縁結びの力
大国主神が詠んだ歌…『古事記』の歌の意味と縁結びの力
鎌田東二
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『源氏物語』を味わう(3)形容詞からの楽しみ方
美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
林望