女性に選択の自由が生まれた時代
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「子どもは母が育てる」が金科玉条ではない!
女性に選択の自由が生まれた時代
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
勤めるもよし、専業主婦になるもよし、NPOで活動するもよし。女性に選択の自由が生まれたと、小宮山宏氏は語る。その根拠は何か。プラチナ構想ネットワーク「女性の活躍ワーキンググループ」での経験から語る。
時間:8分02秒
収録日:2014年12月18日
追加日:2015年1月26日
≪全文≫

●「多様性自体が価値」が、現在の国際的な常識


小宮山 プラチナ構想ネットワークでは、「女性の活躍ワーキンググループ」を開催しています。非常に面白いメンバーで、本田由紀さんという東京大学大学院教育学研究科の女性教授がヘッドを担当し、女性ばかりでなく男性も含めて、さまざまな分野で活躍し、豊富な経験を持つ人たちが話してくださいました。先日、その報告も行いましたが、そこで何をしたかというと、プラチナ構想ネットワークの会員に、宣言書(「女性の活躍」推進トップ宣言2014)へのサインをお願いしたのです。あなたもサインしましたか。

―― 僕も多分、サインしています。

小宮山 そうしたら、200人近くの会員のうち、120数人がサインしてくれました。企業のCEOや自治体の首長ばかりです。このようなことは初めてではないですか。

 その報告書(「女性の活躍を実現するために」)に書いたのは、このようなことです。今、「女性の活躍」というと、少子高齢化で日本に労働力が不足してきているから、女性にも働いてもらうという話になります。これは、僕は健全ではないと思うのです。女性に対して非常に失礼な話です。

 「多様性自体が価値」というのが、現在の国際的な常識です。例えば日本なら、30人の会議を行うと、あなたの出ている会議なども、多くは60歳以上の男性でしょう。このような会議より、20代の人も40代の人も入っている方が、多様性があるから価値が高いというのが基本的な考え方です。そのうちの半分が女性になれば、もっと良いのです。人種が多様になれば、さらに良いでしょう。それは、役立つからとか、あるいはお金がもうかるからなどということではありません。

 実は、自然界でもそのような議論が始まっています。昔は、いろいろとディスターバンス(混乱)が起こったときに、「多様な方が強い」と言われました。でも、そんなことはありません。レンゲソウ畑はレンゲだけですが、安定しています。「安定するから多様な森の方が良い」というわけではないのです。自然の上でもやはり、「多様性自体が価値だ」というのが最近の考え方です。


●「子どもは母が育てる」が、金科玉条ではない


小宮山 われわれがその宣言で書いたのは、第一に、職を持っている女性は、家族関係が少なくとも専業主婦に劣らないことです。これはデータでいろいろと証明さ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために
質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?
中村彰彦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(2)日本人が知らない世界エンタメ市場
実は「コンテンツ世界収益ベストテン」に日本勢が5つも!
水野道訓