国際参謀が語る、これからの世界に必要な人材像
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
政策協調はG20という殻だけあって内容がない
国際参謀が語る、これからの世界に必要な人材像
高橋一生(元国際基督教大学教授/リベラルアーツ21代表幹事 )
OECD(経済開発協力機構)で事務総長補佐官を8年間務めた高橋一生氏が、その仕事のエッセンスを明らかにしつつ、国際参謀として必要な資質を語る。そこから導き出された、これからの世界に必要な人材像とは? 世界情勢を俯瞰し続けてきた高橋氏によるレクチャー。(インタビュアー:大上二三雄氏/エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社代表取締役)
時間:18分24秒
収録日:2014年10月28日
追加日:2015年2月3日
カテゴリー:
≪全文≫

●各国間の協調体制が極めて弱い今のG20


大上 本日は、高橋一生先生をお呼びいたしました。先生は、かつてOECD(Organisation for Economic Co-operation and Development経済開発協力機構)の事務総長補佐官を務められていた生粋の国際参謀です。世界を本当に等身大の目で俯瞰して見ることができる、数少ない日本の英知であると思います。それでは、先生、よろしくお願いいたします。

高橋 はい、かしこまりました。私がOECDの事務総長の補佐官をやっていましたのは、もう30年ほど前になりますが、その時のことが少しでも今の状況を考える上でお役に立てればと思いまして、お話しさせていただきます。

 今、世界はいわゆる「G20の時代」と言われていますが、G20とは何によって特徴づけられているかと言いますと、協調体制が極めて弱く、時にはほぼ協調体制なしの時代に入りつつあるということかと思います。

 その一つの重要な要素として、どうしてそのようなことになっているのかと言いますと、今のG20の制度では国際参謀役というものはあり得ないという体制になっているからだと思います。


●冷戦下におけるOECDの仕事は西側諸国の政策協調推進


高橋 今の状況を考えるために、ある意味で全く逆の状況であった冷戦の真っ最中を考えてみることが、非常に役に立つのではないかと思います。

 当時は冷戦で、西側と東側が非常にシビアにがっぷり四つに組んで、世界で闘争を繰り広げていました。その時にOECDがやっていた主な仕事は、当時OECD諸国は24カ国でしたが、その西側諸国全体の経済、社会両方の政策協調を、それぞれ主要国を通じて進めていくということでした。

 現在のOECDと全く違っています。今は、一種シンクタンクのようになってしまいまして、多くの場合、政策そのものにあまり関係がなくなっていますけれど、当時は、「政策協調のため」ということが全てで、その枠組みが冷戦でした。

 そういうところでは当然のことながら、「政策協調を進めていくためにどうしたらいいか」ということをOECDの課題として、われわれ皆が取り組んでいたのです。


●国際参謀としてのレッスン-いかに西側主要国を動かし結束を強めるか


高橋 私は、OECDで1976年から1987年まで11年...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
逆境に対峙する哲学(7)試練と祟りと弱さの力
モンテーニュの告白「学が邪魔をすることがある」と百姓の力
津崎良典
「進化」への誤解…本当は何か?(2)「進化論」対「創造論」
「進化論」対「創造論」…アリストテレスの目的論とは?
長谷川眞理子
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓