宇宙開発は、人類の誕生を起源に迫るという意味でも、われわれの将来を形づくるうえでも、非常に大切な取り組みである。それは一体、どのようにして歩みを進めてきたのだろうか。まずは印象深い「6枚の写真」を用いながら、宇宙開拓のおおよその流れを解説する。(全14話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
未来を知るための宇宙開発の歴史
宇宙開発の歴史、そして未来へ…6枚の写真で概観する
未来を知るための宇宙開発の歴史(1)宇宙開発の流れを概観する
科学と技術
川口淳一郎(宇宙工学者/工学博士)
8.小隕石落下でも大地震の可能性…地球防衛のための宇宙探査
2025年9月9日配信予定
9.「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味
2025年9月16日配信予定
10.タイトル未定
2025年9月23日配信予定
11.タイトル未定
2025年9月30日配信予定
12.タイトル未定
2025年10月7日配信予定
13.タイトル未定
2025年10月14日配信予定
14.タイトル未定
2025年10月21日配信予定
時間:8分00秒
収録日:2024年11月14日
追加日:2025年7月22日
収録日:2024年11月14日
追加日:2025年7月22日
≪全文≫
●宇宙開発の流れを「6枚の画像」で見ていこう
―― 皆さま、こんにちは。
川口 こんにちは。
―― 本日は川口淳一郎先生に、「未来を知るための宇宙開発史」ということで、宇宙開発の歴史についてお話をいただきたいと思います。川口先生、どうぞよろしくお願いいたします。
川口 よろしくお願いします。
―― 川口先生は小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトマネージャーもお務めになり、実際に宇宙開発の技術に携わってこられました。今日は、その宇宙開発についてロングスパンでお話をいただきます。
日本のみならずアメリカ、ソ連(ロシア)、中国等々の動き、また今後の課題についても、ぜひいろいろとお話しいただきたいと思っています。
まず、最初にお話しいただけるのはどのような内容でしょうか。
川口 6枚ほどスライドをご覧いただきます。必ずしもこれらが一番のトピックではないのですが、宇宙開発の流れを話すためにはいいかと思います。
―― それぞれどういった写真なのでしょうか。
川口 「宇宙開発の始まりから、将来に向かって」というものです。始めに、左上はアメリカが打ち上げた最初の人工衛星の写真です。
―― この細長いものがそうですね。
川口 「エクスプローラー(Explorer)」といいます。「スプートニク」が世界初の人工衛星で、旧ソ連が打ち上げました。だから、大慌てでアメリカが一生懸命、ソ連に追いつこうということで、スプートニク打ち上げの翌年にこれを打ち上げるのです。3人が手を挙げていますが、非常に嬉しかったであろうと思います。あとで紹介するように、この中にはアメリカの宇宙開発に大きく関わる技術者フォン・ブラウンなどが写っています。いかに“スプートニク・ショック”が大きかったかを示す、一つの貴重な写真です。
―― よくいわれますが、当時、宇宙開発は「国威発揚のため」「国の威信をかけて」という面があったわけですね。
川口 冷戦の真っただ中なので、米ソの宇宙開発競争となりました。あえてアメリカの衛星を出したことは、アメリカの焦りを感じさせるものですよね。
―― なるほど。
●冷戦後はロシアを含めた「国際協働」が掲げられた
川口 左下は、アメリカ初の宇宙飛行士ジョン・グレンです。人として初めて地球の軌道を周回飛行しました。とても有...
●宇宙開発の流れを「6枚の画像」で見ていこう
―― 皆さま、こんにちは。
川口 こんにちは。
―― 本日は川口淳一郎先生に、「未来を知るための宇宙開発史」ということで、宇宙開発の歴史についてお話をいただきたいと思います。川口先生、どうぞよろしくお願いいたします。
川口 よろしくお願いします。
―― 川口先生は小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトマネージャーもお務めになり、実際に宇宙開発の技術に携わってこられました。今日は、その宇宙開発についてロングスパンでお話をいただきます。
日本のみならずアメリカ、ソ連(ロシア)、中国等々の動き、また今後の課題についても、ぜひいろいろとお話しいただきたいと思っています。
まず、最初にお話しいただけるのはどのような内容でしょうか。
川口 6枚ほどスライドをご覧いただきます。必ずしもこれらが一番のトピックではないのですが、宇宙開発の流れを話すためにはいいかと思います。
―― それぞれどういった写真なのでしょうか。
川口 「宇宙開発の始まりから、将来に向かって」というものです。始めに、左上はアメリカが打ち上げた最初の人工衛星の写真です。
―― この細長いものがそうですね。
川口 「エクスプローラー(Explorer)」といいます。「スプートニク」が世界初の人工衛星で、旧ソ連が打ち上げました。だから、大慌てでアメリカが一生懸命、ソ連に追いつこうということで、スプートニク打ち上げの翌年にこれを打ち上げるのです。3人が手を挙げていますが、非常に嬉しかったであろうと思います。あとで紹介するように、この中にはアメリカの宇宙開発に大きく関わる技術者フォン・ブラウンなどが写っています。いかに“スプートニク・ショック”が大きかったかを示す、一つの貴重な写真です。
―― よくいわれますが、当時、宇宙開発は「国威発揚のため」「国の威信をかけて」という面があったわけですね。
川口 冷戦の真っただ中なので、米ソの宇宙開発競争となりました。あえてアメリカの衛星を出したことは、アメリカの焦りを感じさせるものですよね。
―― なるほど。
●冷戦後はロシアを含めた「国際協働」が掲げられた
川口 左下は、アメリカ初の宇宙飛行士ジョン・グレンです。人として初めて地球の軌道を周回飛行しました。とても有...
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