「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「宇宙背景放射の異方性」発見で分かった驚くべき事実
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(10)ビッグバン後の進化と宇宙の組成
岡朋治(慶應義塾大学理工学部物理学科教授)
ビックバン後、現在に至るまで、宇宙はどのように進化していったのだろうか。宇宙開闢から38万年後に「宇宙の晴れ上がり」が起きて、90億年で加速膨張が再開され、138億年後に宇宙が誕生する。宇宙の年齢が分かったのは「宇宙背景放射の異方性」の発見のおかげだが、それとともに分かった宇宙の組成については、驚くべきことが明らかになっている。それは、われわれがほとんど何も知らないということである。(全12話中第10話)
時間:8分14秒
収録日:2020年8月25日
追加日:2021年2月13日
カテゴリー:
≪全文≫

●宇宙は138億歳~ビッグバン後の進化をたどる~


 ということで、ビッグバンがようやく始まったわけです。では宇宙がどうやって進化していくのか、概略を示します。

 まず、ビッグバン直後はとても熱いので、物質はすべて輻射の形をしています。光のようなものですが、そういうものがドロドロに溶けた状態です。

 そして、宇宙は膨張して、急速に冷えていきます。冷えていきますと、重いものから消滅していきます。まず陽子と反陽子が対消滅を起こして、光子になります。そして若干の陽子が残って、物質が宇宙に残ることになります。それが宇宙開闢から10-6秒程度に起きると考えられています。

 その後、数十秒たちますと、今度は軽めの粒子である電子が陽電子と対消滅をして、消えていきます。そして光子になるわけですが、その電子が若干、今の宇宙に残ることになります。

 さらに時代は下って、3分ほどたちますと徐々に原子核が合成されていきます。陽子や中性子が結合していくことで、水素だけではなくて、ヘリウムやリチウム(原子核)が合成されます。この時間は3分程度と考えられています。

 その後しばらく、冷えるにしたがって色々なことがあるのですが、重大なことは、38万年たった後、「宇宙の晴れ上がり」が起きることです。これは具体的にいうと、プラズマが再結合して原子になるところです。プラズマは、自由に電子と陽子が行き来していますので電磁波を自由に放射する状態です。原子になってしまいますと、それは自由にならない。「スペクトル線」という非常に限られた周波数帯でしか放射を行うことができないことになります。なので、プラズマ状態から原子状態になったときに、宇宙は透明になると考えられます。

 太陽は表面しか見えませんよね。それは太陽が(濃密な)プラズマの塊だからです。ただプラズマが原子化すると(ほぼ)透明になります。なので、38万年以降は、宇宙は透明になる。透明になって、それ以降はスカスカに光子が通じてくるということになります。

 スライドの右の図でいうところの一番上が宇宙開闢で、一番下が現在なのですが、「宇宙の晴れ上がり」は上の方にあります。この晴れ上がったところが最後に熱かった宇宙が見えるところです。つまり、「宇宙マイクロ波背景放射」は、この晴れ上がった直後の38万歳の宇宙を...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
進化的人間考~ヒトの性質と異様な現代社会(1)進化のスパンと現在の人間生活
ヒトの進化史を文明の発展の時間軸から考える
長谷川眞理子
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
発酵はマジックだ!
色を消し、脂を溶かし、水を分解―スゴすぎる発酵の力!
小泉武夫
もっと知りたいイヌのこと(1)イヌの歴史を振り返る
オオカミはいつイヌになったか…犬の起源と家畜化の歴史
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
【入門】日本仏教の名僧・名著~源信編(1)末法思想と浄土信仰
末法直前に法華一乗思想と浄土信仰を両立した源信の教え
賴住光子
編集部ラジオ2026(21)中西輝政先生:アメリカの本質
【10min解説】独立250年、アメリカの理念と本質とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(2)三大要素は「皇帝」「都市」「漢字」
中国皇帝の実像は都市ネットワークを握る「最大の資本家」だった
宮脇淳子
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(2)大規模言語モデルが孕む問題
AIは頭のないオウム?…AIがAIを引用する世界に創造性はあるか?
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
ウェルビーイングを高めるDE&I(1)人と組織を取り巻く環境変化:前編
人材はコストではない!人的資本経営が注目されている背景
青島未佳
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫