「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
コペルニクスによる地動説の再発見がもたらした影響
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(3)宇宙観の変遷その2
岡朋治(慶應義塾大学理工学部物理学科教授)
「コペルニクスは地動説を再発見した」とは、どのようなことを意味しているのか。アリストテレスたちが発達させた天動説はその後体系化され、1000年以上も信じられてきたが、ルネサンス期になって一転。コペルニクスが登場し、地動説を発表することになるのだが、そこには紆余曲折があった。(全12話中第3話)
時間:10分19秒
収録日:2020年8月25日
追加日:2020年12月27日
カテゴリー:
≪全文≫

●実験や観測が重視されるヘレニズム期に「地動説」を考案


 時代は下り、ギリシアはアレキサンダー大王が率いるマケドニアに征服されます。そうして文化の交流が進み、ヘレニズム時代を迎えます。ヘレニズム期は、実験や観測が重視されることになります。

 実は、そこで出てきたアリスタルコスが革新的なことを言い始めます。彼はギリシア出身ですが、ヘレニズム期にエジプトのアレキサンドリアで活躍しました。実はコペルニクスよりも1000年以上前に「地動説」を考案しているのです。

 彼はどうやってそういうことを言い始めたかというと、太陽と月までの距離の比、つまり地球から月と地球から太陽までの距離の比を、スライドでお見せした図のような幾何学的な考察から算出したのです。月がちょうど半月になっているときに、月と太陽の角度を測定したのです。そうすると、地球から見て月と太陽はほぼ90度の位置にある。これはつまり、太陽はとても遠くにないといけないことになるわけです。

 太陽と月は角度的に同じような大きさに見えますが、太陽はもっと遠いということです。遠いけど月と同じ大きさに見えるということは、とても大きくないといけないということになったわけです。ということは、大きなものが小さなものの周りを回るというのはおかしいのではないかということになります。

 さらに彼は、月と地球の大きさの比も求めています。なので、太陽は地球よりもはるかに大きいということも分かってきました。大きなものが小さなものの周りを回ることの不自然さから、実は太陽の周りを地球や月が回っているのではないかという説を提唱します。

 ただ、自信がなかったのか、あまり強く主張しないのです。「こういう考え方もありますよ」といった主張といいますか、そのような文献の書き方をしているので、当時はあまり注目されませんでした。ですから、文献は残るのですが、当時の趨勢からは外れていくことになりました。


●天動説を体系化した天文書『アルマゲスト』が1000年以上読まれる


 そうこうしていくうちに古代ローマ時代、プトレマイオス(アレキサンドリアで活躍していたエジプト人)が「天動説」を体系化して、一つの本にまとめあげます。それが天文書『アルマゲスト』という本で、1000年以上にわたり天文学の古典として長く読まれることに...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(1)情報通信の民主化と「協創」
6Gの研究開発を推進する情報通信の民主化
中尾彰宏
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
進化的人間考~ヒトの性質と異様な現代社会(1)進化のスパンと現在の人間生活
ヒトの進化史を文明の発展の時間軸から考える
長谷川眞理子
発酵はマジックだ!
色を消し、脂を溶かし、水を分解―スゴすぎる発酵の力!
小泉武夫

人気の講義ランキングTOP10
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(3)共産軍を殲滅――金門島での戦い
共産軍2万を金門島で殲滅…ただし一般人の命を守る軍人の本義を重視
門田隆将
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(1)なぜ『神国日本』なのか?
ラフカディオ・ハーンが解明した「美しい日本」の秘密と未来
賴住光子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
サム・アルトマンの成功哲学とOpenAI秘話(1)ChatGPT生みの親の半生
OpenAI創業者サム・アルトマンとはいかなる人物なのか
桑原晃弥
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二