「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
古代エジプト、インド、中国の宇宙観とギリシアの天動説
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(2)宇宙観の変遷その1
岡朋治(慶應義塾大学理工学部物理学科教授)
人類はこれまでどのように宇宙を見てきたのか。古くは神話的な宇宙観が支配的であった。古代のエジプト、インド、中国の宇宙観をたどりながら、ギリシアの宇宙観を紐解く。有名な天動説は古代ギリシアで最初に生まれたものだが、その原型はどういったものだったのか。(全12話中第2話)
時間:8分31秒
収録日:2020年8月25日
追加日:2020年12月20日
カテゴリー:
≪全文≫

●古代エジプト、インドの神話的な宇宙観


 われわれが知っている宇宙の知識は、概観すると前回お話したような感じになりますが、これは昔から分かっていたことではありません。よって、ここで、人類がどのように宇宙というものを見てきたかというものを簡単におさらいしておきたいと思います。

 まず、古くは神話的な宇宙観が支配的であったといわれています。

 例えば古代エジプトですが、紀元前3000年頃エジプト文明の時に考えられていた宇宙観は神話に根差したもので、スライドの図のような感じだと考えられていました。

 上に覆いかぶさっているのは、天空の女神「ヌト」で、下に寝ているのは大地の神「ゲブ」です。この2人は、兄妹でありながら夫婦であるわけですが、その間に座っているのが大気の神「シュー」です。このヌトとゲブが仲良くしていたところを、シューが引きはがして、天と地が分かれた。そういった神話があるということになっています。スライドをご覧いただくと、天空の女神ヌトの体に星がびっしりと描かれているのが分かります。これが古代エジプトの宇宙観です。

 一方、古代インドですが、これは紀元前15世紀頃の宇宙観になります。これもまた神話によるものですが、創造神「ブラフマー」が太鼓を鳴らして宇宙を創造し、維持神「ヴィシュヌ」がそれを維持し、破壊神「シヴァ」がそれを破壊するというサイクルがあるといわれています。

 そして宇宙観として、スライドにある絵のようなことがまことしやかに語られているわけです。これはどういうものかというと、真ん中にすごく高い山があって、そのすごく高い山は階層構造を成している。その階層ごとに住んでいる神様が違う。一番上には最高神であるブラフマーが住んでいるらしいが、その下にゾウが何匹かいて、その山を支えている。さらにその下に半球面状の大地があって、その大地の下にまたゾウがいて、ゾウの下には巨大なカメがいて、すべてを巨大なヘビが支えていて、ヘビは天空も覆っている。

 ということで、見ればかわいいのですが、こういう宇宙観が古代インドでは信じられていたという話がまことしやかに語られていて、私もそれを信じていました。

 今回いろいろ調べるにあたって、この絵が最初に出てきました。スライドの下の...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
発酵はマジックだ!
色を消し、脂を溶かし、水を分解―スゴすぎる発酵の力!
小泉武夫

人気の講義ランキングTOP10
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(6)漢字と理性と想像力
漢字と理性と想像力…いま日本人が考えるべきこととは?
橋爪大三郎
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(16)エルのミュートス(物語)
エルの物語…臨死体験から考える「どういう人生を選ぶか」
納富信留
『タテ社会の人間関係』と文明論(7)日本型組織とリーダーシップの問題
『失敗の本質』より先に指摘した日本型組織の弱点
與那覇潤
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫