東洋の叡智に学ぶ経営の真髄
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
運をよくする秘訣は「自己の最善を他者に尽くしきること」
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(4)運を左右する道徳律
経営ビジネス
松下幸之助のいう「宇宙の理法」について理解を深めていく。明治・大正の政治家・後藤新平は、「人間自体が倫理的実在」であるとし、だからこの世の道徳律(自然律)に同調することが大切であると言う。人生がうまく回る秘訣や、そのために必要な「徳」という概念について解説する。(全7話中第4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:12分31秒
収録日:2024年9月19日
追加日:2024年12月12日
≪全文≫

●「人間自身が倫理的な実在である」


田口 要するに後藤新平は何と言っているか。そこに何か作為的な、自分ファーストの思惑をもって、国家を己の道具にしていくような「非倫理的政治思想は、国家社会を衰亡と破滅に陥られるものであることは歴史に照らして明らかである」とまず言っている。

 そして、「もともとこの種の国家及び政治に関する非倫理的な思想は、人間の生活そのものと宇宙の構成そのものに対する考察の根本的錯誤に起因するものである」。つまり、そんなものは錯誤だと言っている。そして、「宇宙・人生それ自身が倫理的な実在にほかならない」と言っている。

―― 「錯誤だ」と言い切っているわけですね。

田口 なぜならば、この宇宙から生まれたのが人間で、その人間が生きていくことが人生であり、それを総括して、それ自身が「倫理的な実在だ」と言っている。「人間自体が、それから宇宙自体が倫理的な実在にほかならない」と。要するに、深淵で重要な観察を欠いているから自分ファーストなどと軽くいえるのだ、といっているわけです。

 彼はこう言っている。パウルゼン教授(後藤はドイツに行ってフリードリヒ・パウルゼンという人に習うわけです)の説によれば、「道徳律は随意に考え出せる偶発的制度でなく、宇宙の性質と人間の性質とを根拠としており、良心は、個人の意識中に反射した道徳的生活の客観的自然律への適合性というべきものであって、倫理道徳の起源は宇宙・人生の最深最終の性質にその基礎を有するものである」と書いてある。

 「そうか」と分かった。なぜ「正直」(倫理道徳、正しい良心、良心的に仕事をすること)が重要なのか。われわれ人間自体が倫理的な実在(われわれは倫理の元に生まれ、倫理の元に育ってきた存在)だからである。そして、この倫理道徳の起源は宇宙・人生の最深最終の性質です。つまり、私がいうところの「絶対的自然律」というものがこの世にあるのですが、それに同調するからうまくいくのです。

―― 同調するからうまくいくのですね。

田口 同調しなければ何をやってもうまく行かない。


●「運が強い人」とはどういうことか


田口 2番目の命題として私が追求していったもの何か。松下幸之助さんに2回目に会ったときに「経営者の条件は何ですか」と聞いたら、松下幸之助さんがこう言ったのです。「それは運が強いことだ」と。

 「運...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ウォーレン・バフェットの成功哲学(1)「世界一の投資家」の実像
世界一の投資家ウォーレン・バフェット…賢人と呼ばれる理由
桑原晃弥
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(1)時代に請われ、時代に応えた佐藤一斎
部下を育てるには、まず佐藤一斎に学べ!
田口佳史
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
イノベーションの本質を考える(1)イノベーションの定義
イノベーションの定義はパフォーマンスの次元が変わること
楠木建
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
日本企業の弱点と人材不足の克服へ(1)膠着する日本経済の深層
日本経済の行き詰まりをもたらした2つの大きな理由とは
西山圭太

人気の講義ランキングTOP10
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
東秀敏
数学と音楽の不思議な関係(3)音と三角関数とフーリエ級数
フーリエ解析、三角関数…数学を使えば音の原材料が分かる
中島さち子
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(2)外交と軍事のバランス
外政家・原敬とは違う…職業外交官・幣原喜重郎の評価は?
小原雅博
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
宮本弘曉
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
老年が惨めと思われる4つの理由とは…キケロの論駁に学べ
本村凌二
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(2)ヒトの子育てと脳の関係
チンパンジーは乱婚、ヒトは夫婦…人間の特殊性と複雑性
長谷川眞理子
『江戸名所図会』で歩く東京~上水と十二社(1)「水の都」江戸の上水道
玉川上水の歴史…約8カ月で完成?玉川兄弟の功績とは
堀口茉純
編集部ラジオ2025(20)納富信留先生の「アカデメイア」講義
プラトンのアカデメイアからテンミニッツ・アカデミーへ
テンミニッツ・アカデミー編集部