「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ニュートン力学の謎を解く鍵は?…等価原理と相対性理論
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(5)一般相対性理論からの予測
岡朋治(慶應義塾大学理工学部物理学科教授)
ニュートン力学には一つの謎があった。重力質量と慣性質量の等価性についてである。本来物理的にはまったく異なるこの二つが一致することを説明したのがアインシュタインだ。そこで出てきたのが一般相対性理論である。そして、一般相対性理論から予測されることがいくつかあるという。それらはどのようなことなのか。(全12話中第5話)
時間:8分04秒
収録日:2020年8月25日
追加日:2021年1月10日
カテゴリー:
≪全文≫

●ニュートン力学の謎を解く鍵となる一般相対性理論


 ここから宇宙全体の話に入ります。

 これまで宇宙がどのように認識されていたかということをおさらいしてきたわけですが、宇宙が地上と同じ物理で記述できるということが、ニュートンの発見によって明らかになったわけです。そして、宇宙はどのようにその進化、誕生、そしてどう終わっていくのか。そういうことについて考察することができるようになったのです。

 そこに、もう一つ考えなきゃいけないことがあります。ニュートンの万有引力の法則と運動の法則です。これはまだ完全なものではありません。というのは、一つの謎があるからです。一つの謎とは、重力質量と慣性質量の同一性についてです。これはアインシュタインでいうところの「等価原理」の一つです。簡単にいうと、重力質量とは、万有引力の力を決定する質量(重さ)、つまり私たちが通常感じる重さのことです。もう一つの慣性質量ですが、これは動きにくさを表す重さのことです。物は押せば動きますが、重いものは動かしにくく、軽いものは動かしやすい。これが慣性質量です。この重力質量と慣性質量は本来、物理的にはまったく異なるものですが、二者が一致するというのは、ニュートン力学では説明されていないのです。

 これを説明しようと試みたのがアインシュタインです。等価原理、つまり重力質量と慣性質量の同一性からスタートします。重力場中を自由落下する物体の軌道は、どんなものであってもいいのですが、初期の位置と速度のみに依存して、物体の種類によらないという法則があります。よって、その運動は、そのものそれぞれに解かれるべきものではなくて、それが存在する時空の性質によるものだと解釈します。

 なので、物が存在するということは、その物が質量に応じて時空をゆがめ、そのゆがんだ時空の中で別のものが運動するということになります。そのような重力というものの幾何学での記述(幾何学化)を試みたのがアインシュタインなのです。

 その結果、出てきたのが「アインシュタイン方程式」です。よって、これは運動の方程式というよりも、幾何学の方程式になっています。時間と空間のゆがみが物質の存在によって決定されるという形をした方程式です。これによって重力を記述し...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
火山の仕組みを知る(1)火山の世界的分布と噴火の仕組み
火山噴火が起こるメカニズムと日本の火山の特徴
藤井敏嗣
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(1)情報通信の民主化と「協創」
6Gの研究開発を推進する情報通信の民主化
中尾彰宏
進化的人間考~ヒトの性質と異様な現代社会(1)進化のスパンと現在の人間生活
ヒトの進化史を文明の発展の時間軸から考える
長谷川眞理子
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(22)「中国古代史」特集紹介!
【10min解説】「中国古代史という知の宝庫」特集の各話紹介
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(3)全皇帝の4分の3は「非漢族」
6000万人の漢人が、三国志の戦乱後に400万人台に…衝撃の人口変動
宮脇淳子
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
老子の神髄(6)無為と矛盾のススメ
無為とは緊張感を持って見つめること…なぜ矛盾を大歓迎すべきか
田口佳史
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(4)情報と教養の違い
教養がおろそかな人の限界…「教養は頭の中に、情報は頭の外に」
橋爪大三郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(3)3つの一神教、それぞれの物語
信じる神は同じだが…ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の異同点
鶴見太郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博