レアな研究者はいかに「精錬」されたか
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
私が「レアメタル」の専門家になった理由
レアな研究者はいかに「精錬」されたか
岡部徹(東京大学生産技術研究所教授)
産官学が集う「レアメタル研究会」やMITを中心とした「リアクティブメタルワークショップ(RMW)」等の会合を主宰する東京大学生産技術研究所教授・岡部徹氏。そこは、世界中から多彩な人々が集まり、多様な談義が交わされる場である。こうした場づくりを特技とする、いわば「レアメタルマフィア」ともいうべき岡部氏は、研究者としていかにして「精錬」されてきたのか。(インタビュアー:大上二三雄氏/エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社代表取締役)
時間:14分05秒
収録日:2014年12月11日
追加日:2015年5月7日
カテゴリー:
≪全文≫

●岡部徹は東大工学部では極めて珍しい存在で、「レアメタルマフィア」である


大上 それでは、岡部先生の少しパーソナルなテーマに移りたいと思います。岡部先生は、3カ月に1回、産官学の人が100人以上も集まるレアメタル研究会を主宰されています。会合自体も充実していますが、その後で浴びるほどお酒が出て、皆飲みながら懇談されています。しかも、その会合には、ノルウェー人や中国人やトルコ人といった多国籍で多様な人々が参加しています。

 それから、MIT(マサチューセッツ工科大学)の著名な教授でドナルド・サドウェイ博士という方がいらっしゃいます。岡部先生はこの方の番頭役もされていて、世界中の人を集めるサドウェイ教授のグローバル・ミーティングでは、あらゆる仕切りをなさっています。

 こういう方は、僕の知る限りでは東大の教授の中にもほとんどいません。ましてや工学部の中では極めて珍しい存在です。だからこそ「レアメタルマフィア」だと私は思うのです。

 そのような岡部先生の出自を伺っていきたいと思います。一体どうやって生まれたのですか。また、どうしてそうなられたのですか。


●京大熊野寮に「巣」を作った大学時代の4年間


岡部 皆さんは、私を東大の教授で、しかもレアメタルの専門家として見ていますが、実を言いますと私は、10年ちょっと前に東京にやって来るまで、東大とは縁もゆかりもない人間でした。

 もともとは京都大学出身で、今、世の中で話題になっている熊野寮に4年間いました。家賃は当時300円でしたが、その家賃さえ払わないとんでもない学生として、スラムのような所に巣を作っていたのです。寮を仕切る執行部は中核派でしたが、私はノンポリとして、退寮勧告を何度も受けながら、楽しい4年間を過ごしました。

 その結果、卒業するための単位が全く取れず、4年生になった時点でも、語学の単位がほとんどありませんでした。自分でも思っていましたが、周りからも「岡部は卒業できないだろう」と言われていました。そのような状況でしたが、一応理系で工学部の学生ですから、研究室への配属はありました。その時に配属された研究室が、工学部冶金学科の非鉄冶金・特殊金属精錬。非鉄=特殊金属は今でいうレアメタルで、特殊金属の精錬やリサイクルの研究室だったのです。


●レアメタルとチタン、生涯テーマとの出会い


大上 ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏
メソポタミア神話の基本を知る(1)メソポタミア神話の神々と人間との関係
メソポタミア神話は、ギリシア神話はじめ世界の神話の原点
鎌田東二
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
戦国武将の経済学(3)豊臣秀吉の経済政策
豊臣秀吉の驚愕の国内貿易…莫大な財力を生んだ経済政策
小和田哲男
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
中村彰彦
編集部ラジオ2026(31)鶴見太郎先生の「公開収録」のご案内
【公開収録のご案内】鶴見太郎先生:ユダヤ人と世界史…その歴史の教訓とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ