夢は「チタン閣寺」~チタンをコモンメタルへ
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
錆びないチタンの問題は製造コストの高さ
夢は「チタン閣寺」~チタンをコモンメタルへ
岡部徹(東京大学生産技術研究所教授)
東京大学生産技術研究所を「空母」、自らを「パイロット」に例え、一研究者として世界中で活動できるありがたさを実感する岡部徹氏。研究対象として注目するレアメタルはチタンで、実はチタンには岡部氏の夢とロマンが詰まっている。そこから、レアメタルのあり方や将来が見えてくる。(インタビュアー:大上二三雄氏/エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社代表取締役)
時間:9分21秒
収録日:2014年12月11日
追加日:2015年6月8日
≪全文≫

●生産技術研究所は非常に特殊かつ仲のいい組織


大上 岡部徹先生は、東京大学の生産技術研究所(生研)という、東大の本郷とは独立した組織にいらっしゃると思っていますが、生研は面白いところですよね。

岡部 まさに私にとって非常に居心地のいい研究所で、(自身の境遇に)心から感謝しています。(大学の附属)研究所というと、一般の方はどんな組織かも分からないでしょうけれども、海兵隊特殊部隊を考えていただいたら一番理解できるのではないでしょうか。生産技術研究所は空母で、所長が艦長です。私たちは、それぞれ個別に勝手に作戦を実行するパイロットであり、場合によっては対ゲリラ(戦の特殊作戦)部隊であったりと、一研究者が一個人として世界中で活動するイメージです。

 したがいまして、私自身も普段は頻繁に海外に行ったり、自分の研究に関わることを突き詰めています。ですから、研究所の皆さんとは、全く違うことをやっています。

 ただ、ありがたいのは、外で一生懸命活動して、研究所に戻ってくると、皆が非常に仲がいいのです。要は、空母に戻ってきた戦闘機のパイロットのようなもので、空母の中にいる時はお互い助け合っているのです。他の研究組織は、ともすると足を引っ張り合ったり、いろいろと熾烈な競争があるようですが、生産技術研究所に関しては、非常に特殊かつ仲のいい組織だと思います。


●生産技術研究所の重要テーマ-技術、研究成果の社会実装


大上 逆に、企業、あるいは、社会から見た、生産技術研究所と関わることのメリットについて、どうお考えですか。

岡部 生産技術研究所はもともと東京大学の第二工学部で、しかも産学連携を非常に得意としていた研究所です。いわゆる技術、研究成果の社会実装を私たちの重要なテーマとして掲げていますので、そういった意味では、企業からの受けもいいと思います。

 その証拠に、私自身も非鉄精錬関係の寄付研究部門に加え、サステイナブル材料国際研究センターという海外ネットワークの研究センターも運営させてもらっています。要は、外に対しては「大きく学者の枠を超えて活動している」のが、この生産技術研究所なのです。

大上 アカデミックな象徴が、ある意味、東大本郷だとすれば、生産技術研究所は、より(研究を社会に)実装(することも目的とした研究機関)に近い存在と言えるでしょうか。

岡部 も...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
五島列島沖合の海没処分潜水艦群調査(1)目的と潜水艦史
海底に突き刺さる旧日本海軍の潜水艦「伊58」を特定!
浦環
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之
培養肉研究の現在地と未来図(1)フェイクミート市場とリアルミート研究
食肉3.0時代に突入、「培養肉」研究の今に迫る
竹内昌治
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
逆境に対峙する哲学(7)試練と祟りと弱さの力
モンテーニュの告白「学が邪魔をすることがある」と百姓の力
津崎良典
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
「進化」への誤解…本当は何か?(2)「進化論」対「創造論」
「進化論」対「創造論」…アリストテレスの目的論とは?
長谷川眞理子
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ