身近なところから技術でエコ
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「ヒートアイランド現象」に対して打つ手はないのか?
身近なところから技術でエコ
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
日本の都会の夏を住みづらくさせている「ヒートアイランド」。誰もが「仕方がない」とあきらめているこの現象に、打つ手はないのか。われわれの身近なところから、この問題の解決策を小宮山宏氏がポイントを絞って解説する。
時間:11分00秒
収録日:2008年5月21日
追加日:2014年4月30日
≪全文≫

●「ヒートアイランド」に打つ手はないのか?


環境やエネルギーの技術は、難しいものだと感じられます。たしかに、技術の詳細はエンジニアが精魂込めて作るわけですから難しい面もありますが、極めて身近な問題でもあります。例えば、「ヒートアイランド」についての問題を取り上げてみましょうか。
私は今61歳、まもなく62歳になるところですが、東京育ちです。50年前の東京を振り返ると、30度を超える日は滅多にありませんでした。真夏の8月、いよいよ暑くなってきたときに32~3度に上がることはあったように思いますが、30度を超えると「暑い日」と言われていました。
現在では、何度になったら暑い日ですかね。おそらく33~4度は普通、36~7度になると「明日は暑いぞ」。そのぐらいまで変わってきているのではないかと、私は感じています。東京という都会での気温は、少なくとも5~6度は上がっているのではないか。これは、生活する感覚からいくと極めて由々しき事態なのですが、誰もが仕方のない問題だと、あきらめているのではないでしょうか。
私はそうではないと思う。中国あたりでは、「ヒートアイランド」という現象はおそらくこれからクローズアップされる大問題として、日本を観察しているわけです。天津や北京に出かけていくと、「東京は暑いそうだね。実は、中国でもそろそろ始まっているんだ」というような話をされます。彼らは先例として日本を一生懸命見ています。

●部屋が涼しくなった時点ですぐ冷房のスイッチを切る


では、われわれはヒートアイランドに対して何ができるのか。いろいろなことが考えられますが、その中から二つだけ申し上げることにしましょう。
一つは、自分の家でのエネルギーの消費を少なくすること。冷房に使うエネルギーを少なくすることです。
今、冷房は、家の中を涼しくするために、電気を使って熱をどんどん外に吐き出しています。でも、どうして熱を吐き出さなくてはいけないのでしょう。家に帰ってすぐにクーラーのスイッチを入れれば、室内がどんなに暑くても、5分ぐらいで涼しくなってきます。あそこで電気を切ってしまえればいい。
でも、実際にはすぐにまた暑くなってしまいます。つまり、それは冷たくした家の中に、暑い外からの熱がどんどん漏れ込んでくるからです。だから、その熱をまた外へ汲み出さないといけない。

●家を「魔法瓶」にする...


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
進化的人間考~ヒトの性質と異様な現代社会(1)進化のスパンと現在の人間生活
ヒトの進化史を文明の発展の時間軸から考える
長谷川眞理子
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
もっと知りたいイヌのこと(1)イヌの歴史を振り返る
オオカミはいつイヌになったか…犬の起源と家畜化の歴史
長谷川眞理子
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹

人気の講義ランキングTOP10
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(7)日本の倫理こそ未来の理想
他人の幸福実現に喜びを見出す日本の道徳こそ未来の理想だ
賴住光子
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
新撰組と幕末日本の「真実」(6)新撰組結成と清河八郎、芹沢鴨
清河八郎と芹沢鴨…乱闘事件や大和屋焼討事件の真相とは?
堀口茉純
ルネサンス美術の見方(1)ルネサンス美術とは何か
ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景
池上英洋
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
ドンロー・ドクトリンの台頭(3)脱地政学論と日本への影響
ドンロー・ドクトリンの正体は脱地政学論…日本の進む道は
東秀敏
変化する日本株式市場とPEファンド(1)近年急増するPE投資
プライベート・エクイティ・ファンドとは何か…その手法は?
百瀬裕規