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トモダチ作戦による健康被害!?日米メディアが触れない理由

トモダチ作戦を忘れるな(3)原発のコストは上がり続ける

小泉純一郎
第87代、第88代、第89代内閣総理大臣/元衆議院議員
情報・テキスト
元内閣総理大臣・小泉純一郎氏、東京大学第28代総長・小宮山宏氏、慶應義塾大学名誉教授・島田晴雄氏の3氏が、トモダチ作戦を振り返る。島田氏は、トモダチ作戦が軍の責任問題になりかねない懸案事項であり、小宮山氏はこの事例のような放射能被害が拡大すれば、それがそのまま原発の稼働コストに跳ね返ってくると問題点を指摘する。(全6話中第3話)
時間:07:57
収録日:2016/10/24
追加日:2017/02/07
≪全文≫

●健康被害を伏せる日米メディア


島田 あの時(東日本大震災)、バラク・オバマ大統領が「これは戦争だ」と言って、トモダチ作戦をすぐに申し出てくれたそうですね。それで、2万数千人という兵士が参加し、艦艇を何十隻、飛行機も百何十機と動かして救援活動をしてくれました。仙台空港は、ほとんど米軍の力で復旧したようなものなのですね。

 だから、われわれは非常に感謝したのですが、今、小泉さんがお話しされたように、そうしたオペレーションはアメリカのメディアに出ません。日本のメディアにも出ません。国防総省は、「直接の因果関係は言えない」ということで報告書を出したのでしょう。

小泉 「健康被害は放射能による被ばくによるものだとは断定できない」という報告なのです。私はお医者さんではありませんので、自分の常識で考えて、こうした病状は放射能の被ばくによるものだと判断し、今の活動をやっているのです。

 講演の後、外国の記者からもそういう質問が来ました。「(放射能が原因だと)断定できないのに、何でこんなことをやっているのか」と。私は、(放射能が原因だと)信じない人は寄付してくれなくて良いと言いました。トモダチ作戦に貢献した人に何とか役立ってもらいたいという思いを感じる方だけに寄付していただければ良いのであって、医学的にどうかが問題ではないのです。私は、「これは放射能の被ばくによる被害だと信じる。だから、やっているのだ」と(答えました)。

島田 先ほど小泉さんが指摘されたように、原発事故の直後、アメリカの外交部関係者はほとんど全部退去し、軍も、福島から80キロ以内には近寄らないようにという司令を出しているということです。まさにその時に、トモダチ作戦の兵士は(そこに)いたのです。

小泉 そうです。(そこに)いたのです。

島田 これは、おそらく次のようなことではないかと思います。もしあの作戦についてアメリカの中で追及されたら、軍の判断ミスになりかねない。濃厚な放射能が出ているのに、オペレーションをしていたのだから、そのことを本当に追及されてしまったら、軍の責任問題に発展する可能性がある。だからそれを伏せているのではないかということです。そのため、一切因果関係を認めないし、メディアにも出ません。日本も、そこには関わりたくないのです。結局、小泉さんが言われたように、一国民として、「私がやる以外ない」と、そう思われたということですね。


●トモダチ作戦の追及は軍の責任問題になる


小宮山 あの時は偏西風が回っていたでしょう。一番激しかった時に風が回って、飯舘村などの辺りに雪を降らせていったということですが、その前はこちら(逆の方)に風が吹いていたのですね。

島田 それがはっきりしているのに、トモダチ作戦で特に原子力空母レーガンはあそこにずっといたのです。

 それを追及されたら、アメリカの中でえらいことになってしまいます。だから伏せているのですね。その状況で突破口を開いたのは、小泉さんだけです。だから、アメリカ政府もおそらく「困ったな」と思っているだろうし、日本(政府)だって(追及されるのは)嫌なのです。

小泉 私は、アメリカで活動してみて思ったのですが、経団連は協力してくれるのではないかと。日本には100億円や1,000億円もうける企業は結構いるからです。そうして行ったら、東京電力が裁判中だということで断られました。東電も(経団連の)メンバーでしょう。だから、それはできないと言うのです。裁判中...
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