本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
学歴よりガッツが重要だ…三川軍一とガダルカナル島の敗戦
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(9)エリート軍人たちと「ガッツ」
渡部昇一(上智大学名誉教授)
人間の「知情意」の働きを英語で表わすと、知の部分をつかさどるのは「ヘッド」、優しさや情は「ハート」、そして胆力や根性が「ガッツ」である。実はこのガッツが、先の大戦における敗戦の日本側の問題点だった。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第一章・第9話。
時間:4分53秒
収録日:2014年11月17日
追加日:2015年8月10日
≪全文≫
 先ほど、「『あの当時、相手側が何をしたのか』をきちんと書かないと、『戦争をしたがる日本人がどんどん堕落して馬鹿な戦争を始め、彼らのせいで罪なき日本人が戦地で無残な死を遂げ、空襲で焼かれ、ついには原爆を落とされて負けた』という一方的な話になってしまう」と書いた。

 とはいえ、もちろん「日本内部の問題点」を看過してよいということではない。あの昭和の時期において、げんに日本は敗戦したわけである。なぜ敗戦に至ったのか、その理由を見ておかねば歴史の教訓とすることはできないだろう。

 それゆえ本書では、「相手側が何をしたか」「日本側がどう動いたか」という両面から歴史を見ていきたい。

 日本側の問題点として、どうしても触れておきたいのが「ガッツ」の問題である。人間の知情意の働きを英語で表わす場合、人間の知の部分をつかさどるのは「ヘッド」で、優しさや情といったものをつかさどるのが「ハート」、そして「腹が据わっている」という意味での「腹」や胆力、根性といった部分が「ガッツ」である。

 いまの教育では、「頭がよくなること」や「優しい人になること」は教えても、「ガッツがある人間になること」は教えない。だが日本でも、たとえばかつて日本の武士の世界では、いくら頭が良くて優しくても、ガッツがなければ話にならなかった。武士の教育の主眼は、「ガッツ」を錬成することにあったともいえる。

 明治時代も、江戸時代の教育を受けていた人たちが第一線で活躍していた時代には「ガッツ」の面で優れた人々が多かった。しかし、日露戦争後、そのような人々が引退していくにしたがい、「ガッツ」はグングン希薄になってしまった。

 改めて昭和史を見ていくと、偉くなった軍人はとにかく試験の成績が優秀な人だった。どれくらい成績優秀者だったかを、私の体験でご紹介しよう。たとえば陸軍のエリートの養成校だった陸軍幼年学校の受験資格があったのは、旧制中学1、2年生であった。私は旧制鶴岡中学校に通っていたが、陸軍幼年学校を受験する学生だけ授業開始が1時間早く、特別授業を受けていた。それでも私の在学中、私の中学から陸軍幼年学校に入った人は一人しかいなかった。それぐらい試験が難しかったのだ。

 海軍士官を養成した海軍兵学校も、旧制中学の1番から3番以内でなければ受からないと昔からいわれていた。それはある意味で、旧制第一...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(3)戦犯は児戯に類す――丸一陣地の死闘
「諸君、私を戦犯にするというが如きは児戯に類することである」
門田隆将
中国春秋戦国時代と始皇帝(6)秦の恵文王、昭王、荘襄王の時代
秦による中国統一への道…恵文王、昭王、荘襄王が行なったこと
鶴間和幸
日本の財政の真実を検証する(6)「経済成長3つの源泉」の具体策
現代日本で「経済成長3つの源泉」の具体的プランを考えると?
宮本弘曉
老子の神髄(1)「絶対自由の境地」を求めて
『老子』が求める「絶対自由の境地」とは?…そして創造長寿へ
田口佳史
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読む(1)あらすじと賢治の原稿
未完の長編『銀河鉄道の夜』の魅力と宮沢賢治の思想に迫る
鎌田東二
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として
ヒトが罪を犯す理由…脳の働きから考える「善と悪」
長谷川眞理子
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(3)全皇帝の4分の3は「非漢族」
6000万人の漢人が、三国志の戦乱後に400万人台に…衝撃の人口変動
宮脇淳子