情報革命の未来―消える仕事、伸びる仕事
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
情報革命の影響でなくなる仕事と伸びる仕事とは?
情報革命の未来―消える仕事、伸びる仕事
伊藤元重(東京大学名誉教授)
情報革命は日本と世界をどう変えるのか? 仕事は、サービスは、教育はどうなるのか? 経済産業省・産業構造審議会新産業構造部会の部会長を務める東京大学大学院経済学研究科教授・伊藤元重氏が、同部会での議論をもとに最新の動向を語る。
時間:13分52秒
収録日:2016年2月9日
追加日:2016年3月24日
≪全文≫

●経産省・新産業構造部会の議論


 前にもご紹介したかもしれませんが、現在、経済産業省に、産業構造審議会新産業構造部会という部会が設置されています。ここで何を議論しているかというと、例えば、IoT(モノのインターネット)や、AI、人工知能、ビッグデータの解析、クラウドコンピューティングなど、情報の分析ややり取りの世界で起こっている爆発的な革命が、結果的に日本や世界の産業をどう変えていくだろうかということを議論しています。大変面白い内容で、興味深い事例も多数紹介されています。ぜひ一度、この経産省の新産業構造部会のホームページを見ていただきたいと思います。

 結論からいうと、今、大変なことが起こっています。この「情報革命」の影響を受けない分野は、ほとんどないといえるでしょう。コマースの世界では、例えば、アマゾンが革新的な動きをして大きく変わっていることは、誰の目にも明らかですが、最近は、金融の世界でも、「フィンテック」という言葉で表現されるように、旧来の金融の世界のプレイヤーとはかなり違ったプレイヤーたちが、情報技術を駆使して、いろんなビジネスに参入しつつあります。

 また、医療の世界でも、ゲノム解析からビッグデータの利用までを含めて、ITによって医療は大きく変わりつつあります。日本の高齢化に伴って増加する医療費負担をできるだけ削減しながら医療の質を上げていく上で、実際にこれが非常に重要な役割をもたらすだろうといわれています。教育の世界も、ITを使ったいろんなラーニングシステムや遠隔教育という世界が見えてきています。ものづくりでいうと、工場の設備等がインターネットにつながることによって、ものづくりそのものが変わってくる。ドイツでは、「インダストリー4.0」という名前で、そういう動きを国全体で盛り上げようとしているわけで、日本もそういうものが必要かもしれません。


●情報革命で消える仕事と伸びる仕事


 こういうものに伴って、横串で見ると、労働や雇用など働き方もずいぶん変わってきていることが分かります。この新しい情報化の時代の働き方はどうなるのでしょうか。やはり特に気になるのは、ITやAIが進んできたときに、だんだんいらなくなる仕事が増えてきて、一方で、今後もさらにニーズが増える職種もある中で、全体の職種に対する需給がどのように変わっていくだろうかというこ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏

人気の講義ランキングTOP10
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
編集部ラジオ2025(33)2025年を振り返る
2025年のテンミニッツ・アカデミーを振り返る
テンミニッツ・アカデミー編集部
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(3)DSA化した民主党と今後の展望
DSAの民主党乗っ取り工作…世代交代で大躍進の可能性
東秀敏
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(4)信長の直臣、秀吉の与力としての秀長
最初は信長の直臣として活躍――武闘派・秀長の前半生は?
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
世界哲学のすすめ(1)世界哲学プロジェクト
日本発!危機の時代に始動する世界哲学プロジェクトの意義
納富信留
経験学習を促すリーダーシップ(4)成功を振り返り、強みを伸ばす
なぜ強みが大事なのか?ドラッカー、西田幾多郎の答えは
松尾睦