降りない日本へ~対米通商交渉を語る~
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
通商交渉の歴史とは、米国のプレッシャーとの戦いの歴史
降りない日本へ~対米通商交渉を語る~
齋藤健(衆議院議員  第30代経済産業大臣)
通商交渉の歴史とは、アメリカのプレッシャーとの戦いの歴史でもある。自由民主党農林部会長で、現在TPP交渉の渦中にもいる齋藤健氏が、通商産業省(現・経済産業省)時代に経験した日米自動車交渉におけるアメリカ合衆国通商代表部(USTR)との戦いを振り返りながら、日米交渉の現状と日本政府の対応を憂慮する。
時間:6分53秒
収録日:2014年2月18日
追加日:2014年4月24日
≪全文≫

●アメリカを敵に回して分かったこと


----  USTRとの戦いでは強かった日本ですが、特に自動車部品など、全盛期の日本に対して、アメリカは「何とでもなる」と考えていたわけで、そこはいわば日米間の戦ですよね。

齋藤 なんでもありでしたから、ひどかったですよ。だから、いい経験しました。
アメリカというのは、日本で見ていると、立派な国で、いい人が多いと思っていたけれども、いざ敵に回したら、とんでもなくひどい国だということが分かったのです。
第二次世界大戦関連の本に、「戦後アメリカは着々と正義の味方のようなことをやっている」と書いてあるではないですか。それは、絶対ありえないなと思いました。汚い手をいっぱい使っているに違いないし、そこは経験しているから、分かります。

---- あの時は90年代で、30何歳でしたか。

齋藤 1993年から1995年にかけてで、93年だと34歳ですね。

---- クリントン政権の頃ですね。

齋藤 クリントン政権の頃なので、34から36歳の時です。アメリカ留学から帰ってきて、中小企業庁に2年間いて、その後登用されたのです。

---- アメリカの大学へ行かれて、アメリカには、いい部分と、生々しくドロドロとした部分の両面あるということが分かったということですね。

齋藤 両面ありますね。そういう国と付き合っていくわけです。それで、今は、TPPが大変ですよ。

---- とんでもなく大変ですね。

●アメリカがかつての交渉スタイルに戻っていることへの強い懸念


齋藤 ただ、これは、だんだんtouchyな話になるのですが、今の日本政府は、アメリカに対して、少しゆるいですね。
日米通商交渉の歴史というのは、アメリカにずっとプレッシャーをかけられていて、「日本というのは、プレッシャーをかけ続ければ、最後は降りるよ」ということで、やられてきたわけです。それを、私が日米自動車交渉をやっていた、あの時代に「ダメなものはダメ」と言って、切り返す日本に変えてきたはずなのです。

---- 戦いましたものね。

齋藤 戦いました。いつまでも言われっ放しではなくて、あのときは『「NO」と言える日本』という本もありましたが、そのようにアメリカのプレッシャーとずっと戦ってきたので、最後はアメリカが降りてきたのです。
しかし、今回のアメリカの交渉態度を客観的に見ていると、かつてと...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政

人気の講義ランキングTOP10
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
編集部ラジオ2026(33)鎌田東二先生の法華経講義解説-2
【10min名作探訪】大丈夫だよと励ましてくれる『法華経』…鎌田東二先生の講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留