米国とイランの秘密交渉が与える影響力
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
2013年3月に交渉開始なら、進めているのはハメネイ?
米国とイランの秘密交渉が与える影響力
岡崎久彦(外交評論家)
米国とイランの秘密交渉の結果次第で、中東情勢は大きく変わる。この動きに反発を示すのはどの国か?石油価格に与える影響は?本交渉が日本に与える影響も考えていく。
時間:9分46秒
収録日:2014年1月16日
追加日:2014年2月24日
カテゴリー:
≪全文≫

●交渉がまとまれば中東の情勢ががらりと変わる


岡崎 これは分かりませんけれども、11月から半年間交渉していて、交渉の内容は全く出てきませんが、もしアメリカとイランで話し合いがつくと、ホメイニ革命が1979年ですから、少なくとも35年の間の中東情勢ががらりと変わるということになります。これは大きいです。だから、イスラエルやサウジアラビアは今、猛烈に反対しているのです。

 サウジはすごいです。サウジは国連の安保理事国に当選して、今年から入ることが決まっていました。入ったら、イラン制裁を厳しくして、シリアに対するイランの介入を排除して、それからイランの核開発を止めて、場合によっては爆撃しても何をしても締めつけるというつもりで安保理に入るつもりでした。

 ところが、アメリカとイランが交渉を始めました。すると、安保理に入らないと言い出しました。こんな例はないです。安保理の理事国に選出されることが決まっているのに、それで嫌だという例は今までにありません。

 ですから、情勢ががらりと変わります。これは、あと半年見なければいけませんが、半年で中東はまるっきり変わると思います。

 例えば湾岸の各王国ですが、これは皆スンニ派の王様です。シーア派というのは下層民で少数派ですが、これを皆イランの手先だとして弾圧するという政体でした。しかし、アメリカとイランが仲良くなってしまうと、政権が皆不安定になります。やはり湾岸は状況ががらりと変わりますね。

―― そうですね。そうすると、サウジとかイスラエルとか、皆焦りますよね。

岡崎 イスラエルも焦っています。ですから、イスラエルは今度、イスラエル・ロビーを使って、米イラン交渉をぶち壊そうとしています。アメリカの議会でイラン制裁をもっと強化する決議案を通そうとしているのです。それでオバマは拒否権を使う構えですけれども、結果はどうなるか全く分かりません。


●油価が下がればシェールガスの新規投資にブレーキがかかる


 半年の交渉の後、もし日本に影響が出るとしますと、これは私の見通しで、全く誰にも言ってはいないですが、アメリカとイランの交渉が成立すると、石油の値段が下がります。つまり、湾岸に戦争の危険がなくなってしまうのです。それで、どこまで下がるか分からないけれども、まず湾岸に戦争の危険がなくなったということで、投機材料として下がりま...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(3)戦犯は児戯に類す――丸一陣地の死闘
「諸君、私を戦犯にするというが如きは児戯に類することである」
門田隆将
中国春秋戦国時代と始皇帝(8)合従軍と秦の激闘
合従軍、秦に迫る!…秦王・嬴政を滅ぼしかねなかった激戦の史実
鶴間和幸
日本の財政の真実を検証する(6)「経済成長3つの源泉」の具体策
現代日本で「経済成長3つの源泉」の具体的プランを考えると?
宮本弘曉
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読む(1)あらすじと賢治の原稿
未完の長編『銀河鉄道の夜』の魅力と宮沢賢治の思想に迫る
鎌田東二
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(24)「皇室典範改正」を考える
【10minで考える】「皇室典範改正」社会の空気をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二
現在の宇宙の姿(1)星はなぜ自ら輝くのか
星はなぜ自ら輝くのか…宇宙と銀河の「現在の姿」を概観する
岡村定矩
老子の神髄(1)「絶対自由の境地」を求めて
『老子』が求める「絶対自由の境地」とは?…そして創造長寿へ
田口佳史
AI時代と人間の再定義(7)AIと倫理の問題と法整備の可能性
人間のほうがAIに寄ってしまう?…関係性と倫理のあり方
中島隆博